■驚愕の価格で取り引きされるスポーツカーを振り返る
ここ数年の出来事ですが、1980年代から1990年代に誕生した「ネオクラシック」と呼ばれるクルマの人気が高まっています。
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誰もが欲しがるというほどではありませんが、クルマ好きには大いに魅力的に映るのでしょう。
こうした傾向は日本のみならず世界的に広まっており、とくにアメリカや欧州ではこの年代のスポーツカーが人気で、中古車が高額な価格で取引されている状況です。
そこで、世界的に人気沸騰中のスポーツカーを、5車種ピックアップして紹介します。
●日産「スカイラインGT-R」
ネオクラシック人気の頂点といってもいいのが、日産「スカイラインGT-R」シリーズです。1969年に誕生した初代から、2002年に生産を終えた5代目の「R34型」まで、すべての世代が高値となっています。
スカイラインGT-Rの人気が高い理由はさまざまありますが、ひとつは日本専売(一部の国、地域を除く)だったため、海外では貴重な高性能車ということが挙げられます。
また、現行モデルの「GT-R」の先祖であることや、映画やTVゲームで紹介されたこと。ほかにもレースで勝つために誕生したというストーリーも、カーガイたちを魅了しているようです。
こうした旧車ブームが始まる前は、3代目の「R32型」なら過走行車が100万円台で入手できましたが、現在は最低でも300万円台。
最終モデルのR34型は2000万円前後が相場で、2021年7月11月のオークションでは、新車から未登録(走行距離10km!)だった限定モデルの「VスペックII ニュル」が6050万1円という驚愕の価格で落札されたほどです。
国内でもスカイラインGT-Rの個体数は減少しており、まだまだ価格高騰はしばらく続きそうです。
●トヨタ「スープラ」
前出のスカイラインGT-Rの最大のライバルといえば、トヨタ「スープラ」です。なかでも1986年に登場した3代目の「A70型」、1993年に登場した4代目「A80型」は、世界的にも人気を博しています。
とくにA80型は性能やデザインからも生粋のスポーツカーといえ、もともと欧米でもカルト的な人気がありました。
スープラが人気の理由は映画に登場したこと、そして、2019年に5代目となるスープラが復活したことで、歴代が注目されたのも要因ではないでしょうか。
A80型のトップグレード「RZ」に搭載されたエンジンは3リッター直列6気筒DOHCツインターボ「2JZ-GTE型」で、国内では自主規制値上限の280馬力ですが、チューニングによる出力向上はめざましく、ブーストアップ程度のライトチューンでも400馬力前後、タービンを含めた吸排気系やカム、ピストンなどの交換にいたるフルチューンでは1000馬力近くまで出すことも可能なところも、アメリカで人気の秘訣といえます。
現在の国内での相場は500万円ほど、RZのノーマルならば1000万円強もしますが、2021年6月に米ラスベガスのオークションでは日本円にして約6000万円で落札された個体があります。
このスープラは、2001年に公開された映画「ワイルド・スピード」の劇中車として製作された1台で、実際にハードにチューニングされ、さらにレストア済みという付加価値もありますが、6000万円とは驚かされます。
●ホンダ「NSX」
1990年に誕生したホンダ初代「NSX」は、量産車世界初のアルミ製モノコックを採用し、超高性能ながらも普段使いもこなせる懐の深さで、スーパーカーの概念を変えたといわれる名車です。
さらに、開発にはF1パイロットの故アイルトン・セナや、中嶋 悟氏が携わったというヒストリーも、ファンには大いに魅力的といえるでしょう。
NSXは2005年に生産を終え、2017年に現行モデルの2代目が登場したことも、初代の人気沸騰の理由でもあります。
2代目では電子制御満載のハイテクスーパーカーとなったため、アナログな初代、とくに「タイプR」とスタンダードモデルのMT車は世界的にも人気が急上昇しました。
NSXは欧米でも販売されたこともあって、海外でも盛んに取り引きされていますが、国内では後期型の3.2リッターモデルでノーマルのMTならば2000万円前後の相場で、タイプRならば5000万円前後といわれています。
なお、欧州では比較的相場が安いAT車が注目されており、後からMTにコンバートするケースが多いようです。
■欧州車で価格高騰が続いているモデルとは?
●ポルシェ「911」
クラシックなフェラーリやランボルギーニの価格高騰は凄まじく、今や天文学的な価格で取り引きされており、もはや美術品と同等の扱いです。
このフェラーリやランボルギーニの価格高騰は10年ほど前から始まりましたが、そもそも販売台数が少ない希少なモデルのため、活発な取り引きとまではいえませんでした。
そのため、次にバイヤーのターゲットとなったのがポルシェ「911」の空冷モデルです。
911は1964年に第1世代が誕生。1974年に第2世代、1989年に第3世代、そして1993年に登場した第3世代までが、空冷エンジンを搭載。
この空冷モデルはどの世代も世界的に人気ですが、とくに注目されているのが限定車で、日本のファンの間では通称「役モノ」と呼ばれています。
なかでも第3世代の「964型」は日本がバブル景気だった頃に販売され、世界的にも販売台数が多く、限定車も多数存在します。
また、964型はクラシカルな911の雰囲気を残しつつも、パワーステアリングや、ちゃんと「効く」エアコン、トルコンATを初めて搭載したことなどから、普段使いもこなせるというのも人気の理由です。
とくに前述のNSXタイプRのようにサーキット走行に対応した「カレラRS」や、特別なオープンモデル「スピードスター」、モデル末期に登場した「ターボ3.6」が、今も海外では高額で取り引きされています。
●ランチア「デルタ HFインテグラーレ」
日本を代表するラリーマシンといえば、三菱「ランサーエボリューション」とスバル「インプレッサ WRX」が挙げられますが、この2台よりも早くにデビューし、世界ラリー選手権(WRC)を席巻していたのがランチア「デルタ HFインテグラーレ」です。
デルタは1979年にオーソドックスなFFコンパクトカーとして誕生。このデルタをベースにしたマシンでWRCに参戦するため、1986年にはアバルトの手によって開発された「デルタHF 4WD」を追加ラインナップしました。
そして1987年シーズンからWRCに参戦を果たし、1988年には出力を向上した「デルタHF インテグラーレ」が登場。サイズアップしたホイールとタイヤを収めるために、前後ブリスターフェンダーとしたワイドボディを採用して迫力ある外観に変貌します。
その後、1992年にはさらにフェンダーを拡幅し、最高出力210馬力を誇る「デルタHF インテグラーレ エボルツィオーネ」が誕生。WRCでは6年連続でメーカータイトルを獲得するなど、当時のデルタは最強を誇りました。
欧州では古くからWRCの人気が高く、参戦する車両もイメージアップにつながって、デルタだけでなくランサーエボリューションやインプレッサ WRXは、今でも欧州で高い人気を誇っています。
なかでも最終モデルに近いデルタ エボルツィオーネ/エボルツィオーネIIは、ここ最近、急激に価格が上昇し、欧州では日本円で1000万円前後の価格で取り引きされています。
※ ※ ※
クラシックカーやネオクラシックカーの価格高騰の理由のひとつに、新型コロナウイルス感染症拡大があります。
コロナ禍で世界的な経済への打撃があったにもかかわらず、一部の富裕層は旅行やファッション、パーティにお金が使えないことから、余った資金をクルマへの投資に回したというのです。
実際に、クラシックスーパーカーの落札相場は上がり、1億円以上のハイパーカーも次々と新型モデルが発表されています。
この先、コロナ禍が収まると価格上昇の期待感もあるため、高額なクルマはもはや投機の対象という状況です。
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みんなのコメント
普通に考えて、ただの日本専売の車がここまでの世界ブランドに化けるってスゲェ話だよ。
あと10年でネオクラシック…