レンタカーのキア スポーテージでミシシッピ州を北上
2024年の8月末から、アメリカをミシシッピ川沿いに南北縦断して音楽の歴史をたどる旅に出ることにした筆者。ニューオリンズでダッジ「デュランゴ」こと“ルシール号”をレンタルして、ブルースの故郷である「ミシシッピ・デルタ」を仲間と4人で巡りました。旅の後半はひとり旅。ルイジアナ州ニューオリンズのハーツレンタカーで借りたキア「スポーテージ」を“キムさん”と名づけてドライブします。
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小さなSUV“キムさん”はキビキビ軽快な乗り味
旅の相棒、“キムさん”ことキア「スポーテージ」と出発だ。“キムさん”は1600ccターボエンジンを搭載。車体が軽いせいか、“ルシール号”(ダッジ「デュランゴ」)と比べると挙動がだいぶクイックだ。その分、どっしり感はないがキビキビと反応するスポーティな乗り味が楽しい。
サイドブレーキはパネルにあるスイッチを指先で操作するタイプ。シフトレバーをPからDやRに動かすと、自動的にサイドブレーキが解除される。このシステムは初めて使ったが、いいアイデアだと思った。“ルシール号”のサイドブレーキは左足で踏み込むクラシックな仕組みだったが、ときどき解除が中途半端になることがあった。キムさんのシステムならその心配はない。
レーナード・スキナードとロバート・ジョンソンの足跡を巡る
ひとりでハンドルを握り、夜明けのインターステート55を一路北上、ミシシッピ州に入った。最初に向かったのは、フロリダ州出身のロックバンド、レーナード・スキナードのモニュメントだ。レーナード・スキナードは1977年の飛行機事故でリーダーのロニー・ヴァン・ザントらが亡くなった。その飛行機の墜落現場がミシシッピ州だったのだ。フリーウェイを下りて15分ほど走ると、想像以上に立派なモニュメントが建っていた。静かな空気の中、ひとり手を合わせた。
次に向かったのは、クリスタルスプリングスという町にあるロバート・ジョンソン博物館。ハリケーンが近づいたため、先日、スキップしてしまったポイントだ。写真も資料もほとんど残っていないミステリアスな人物だけあって、展示物は多くない。
そのなかで目が止まったのが、1934年型ハドソンと思われるクルマと一緒に描かれた油絵。ミシシッピ・デルタのブルースマンといえば貧しくて、とてもクルマ、それも新車を買う余裕などないイメージだったが、この絵が現実を写したとすればちょっと驚きだ。ただ、彼はシカゴ、ニューヨーク、カナダを旅行し、1936~1937年にテキサスでレコーディングをしたことになっている(1938年没)。辻褄は合う。
博物館の人に「これはロバート・ジョンソンの愛車ですか」と尋ねると、「多分、そうじゃないかしら」と曖昧な返事が返ってきた。
エルヴィス・プレスリーが生まれたのは貧困と格差の町
まだ11時前だが、“キムさん”のアクセルをグッと踏み込む。今日の一番のお目当てはミシシッピ州北部のテュペロという町にあるエルヴィス・プレスリーの生家だ。まだ300kmほど北だ。ゆっくり見学するためには午後3時までに着きたい。
ジャクソンからナチェス・トレイル・パークウエイという古い街道に入る。ネイティブ・アメリカンや狩猟者が使っていた道として知られるが、今は森の中の快適なドライブ・コースになっている。途中、湖畔のビューポイントなどで休みながら、なんとか3時半に目的地に到着した。
エルヴィスの父親が自分で建てたという家は、寝室とダイニングしかない貧しい作りだった。病院に行く金もなく、エルヴィスはまさにこのベッドの上で生まれた。しかも双子の兄は死産だった。
今でこそきれいに開発されているが、当時、イースト・テュペロ地区は黒人が多く住む貧困地帯だった。驚いたのは、わずか3kmほど西に広がるテュペロ市街地との落差。鉄道が通る町は交通の要衝として栄え、立派な市庁舎や金融機関の本店、自動車博物館まである。そして、東の貧困地区との間には線路と細い川がある。それはまるでくっきりと線引きしているような残酷な景色だった。
スターになって3年目、エルヴィスは生家の保存と貧しい子どもたちためのユースセンター建設に巨額の寄付をした。貧しい生活はエルヴィスのロックンロールを生む原動力であり、生家はその象徴だったのだ。ユースセンターは、その後、プレスリー博物館となって多くのファンを迎えている。
* * *
このミシシッピの旅で筆者が取材した内容を1冊にまとめた本が2025年3月13日に発売となった。アメリカンミュージックのレジェンドたちの逸話とともに各地を紹介しているフォトエッセイ、興味のある方はぜひチェックを。
>>>『アメリカ・ミシシッピリバー 音楽の源流を辿る旅』(産業編集センター)
■「ミシシッピ川ブルース旅」連載記事一覧はこちら
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