イタリアの息吹に溢れた2.9L V6ツインターボ
もし筆者の夢を叶えられるなら、実用性を犠牲にしない、4ドアのフェラーリを希望したい。比較的手頃な価格で、見惚れるほど美しいスタイリングの1台を。
【画像】例えるなら4ドア・フェラーリ ジュリア・クアドリフォリオ 競合のサルーンと写真で比較 全108枚
他のモデルでは味わえない壮大なドライビング体験を備えつつ、普段使いできるモデルが良い。故障や維持費に追われ、貯金が消え去るのは困る。家族での週末のお出かけに、バスや電車を使わずに済む広さは欲しい。
そんな願いを、かなり近いカタチで現実のものとしたのが、2016年に発売されたアルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオだ。確かに目を細めてみれば、フェラーリの4ドアサルーンはこんな容姿になるのかもしれない。
色っぽいカーブを描くボンネットの内側には、最高出力510psを誇る、2.9L V6ツインターボエンジンが搭載されている。その味わいは、イタリアの息吹に溢れている。爽快に吹け上がり感情豊か。クルマ好きを自称する人なら、嫌いになることはないはず。
ステアリングホイールを握り公道を走れば、さらに夢は現実になる。V6エンジンは右足と一体化したような、鋭敏なレスポンスで回転し、巨大なパワーが放たれる。8速ATが巧みに変速を繰り返し、無駄なくスピードへ変換される。
ジュリア・クアドリフォリオの0-100km/h加速は3.9秒。最高速度は307km/hに到達する。まさに、ひと昔前のフェラーリ級の動力性能といっていい。
超クイックなステアリングと確実なグリップ
シャシーには電子制御技術がふんだんに投入され、見事なコーナリングも実現している。超クイックなステアリングレシオと確実なグリップ力で、素早く軽快に連続するカーブを処理できる。
乗り心地も素晴らしい。510psのフロントエンジン・リアドライブとは考えられない、しなやかな足まわりを備えている。
操縦性は懐が深く、グリップ状態を保つことも、テールスライドでの悪ふざけも自在。これ以上に楽しめる4ドアサルーンは、極めて限定的だろう。
ドライブモードには、ナチュラル、ダイナミック、レースという3種に加えて、アドバンスド・エフィシェンシーという燃費に配慮したモードも用意されている。お財布にも、少しは優しくなる。
ドライビングポジションは低く良好。運転席のまわりに、必要なモノが適正な位置に並んでいる。横方向のサポート性にも優れるバケットシートは、ステアリングホイールと同様に角度の調整域が広い。
ダッシュボードのレイアウトは論理的。メーターパネルには見やすいデザインのメーターが2枚並び、その横の高い位置にインフォテインメント用の8.8インチモニターが据えられる。
インフォテインメント・システムは、ロータリーコントローラーで操作できる。ライバルの方がグラフィックは鮮明かもしれないが、使い勝手は良好。アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも標準で対応する。
同年式のフェラーリと比べればお手頃
リアシート側の空間は、強みといえるほど広くはないが、前後方向にはゆとりがある。平均的な体格の大人なら、我慢なく座れるはず。むしろ、これほどの性能を備えながら、家族で一緒に出かけられるという点で評価できる。
荷室は、多くのライバルより容量が大きいものの、リアシートは倒せないため長い家具などを積むことはできない。しかし、4ドアのフェラーリとして考えれば、この程度は許せると思う。
ジュリア・クアドリフォリオの英国での中古車価格は、まずまずの条件の2016年式で3万5000ポンド(約560万円)前後。2017年から2018年式では、4万5000ポンド(約720万円)程へ上昇する。
2019年から2020年式なら5万ポンド(約800万円)、2021年式から2022年式なら5万5000ポンド(約880万円)程度は用意する必要があるようだ。それでも、同年式のフェラーリと比べれば、遥かにお手頃といっていいだろう。
知っておくべきこと
残念ながら、ジュリア・クアドリフォリオの燃費は望ましいとはいえない。カタログ値は10.9km/Lがうたわれているが、現実世界でそれに届かせることは難しいはず。
ステアリングホイールを目一杯切ると、タイヤは路面をひっかく勢いで向きを変える。積極的なステアリング特性を得ており、レシオはクイック。そのかわり、高速域でのアンダーステアは抑えられている。
トリムグレードとスペック
ジュリア・クアドリフォリオに選択できるトリムグレードはない。それでも基本装備は充実しており、選べるオプションは複数用意されている。
特にカーボンファイバー製シェルのスパルコ・バケットシートは、快適でサポート性も高く、装備されていてうれしいアイテム。カーボンセラミック・ブレーキも高価なオプションだが、温まるまでは効きが若干悪い。高速域では、強力な制動力を生む。
購入時に気をつけたいポイント
リコール
英国では、いくつかのリコールが出ている。1つは、ブレーキとクラッチのフルードに、鉱油が含まれている可能性があるというもの。リアのブレーキディスクに、細かいヒビが入る場合もあるそうだ。どちらも対応済みか、購入時に確認しておきたい。
信頼性
AUTOCARの姉妹メディアの調査によると、ジュリア・クアドリフォリオの信頼性は決して高いとはいえない。エグゼクティブ・サルーンのカテゴリーでは、26台中25位にランクインしている。メーカーとしては、32社中29位にアルファ・ロメオが入っている。
英国編集部の推しチョイス
ベスト:2.9 V6 ビターボ
ジュリア・クアドリフォリオで選べるエンジンは、2.9L V型6気筒の1択。このパワフルなユニットこそ、ドライビング体験の中心をなしている。ターボチャージャーを2基搭載しているが、ターボラグはほぼゼロ。鋭いレスポンスに夢中になれる。
ワイルドカード:GTA/GTAm
30psの追加と100kgの減量が図られた、屈指のスーパーサルーン。アグレッシブな専用ボディキットが、圧倒的な走りを見る者に予感させる。
ただし、生産数は僅かに500台。既に筆者には手の届かない価格帯で取り引きされ始めている、夢に描くアルファ・ロメオになっている。とはいえ予算が許し、購入機会が巡ってきたのなら、見逃したくはない1台だ。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
走行中、後ろから緊急自動車が! 譲らないと「違反」に!
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
スピード出しても怖さが無い、旋回中に車体の真ん中にいるような感覚など素人ながらシャーシの出来は良かったように感じました