変革の時代をどう生き抜くのか
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】響け、12気筒の鼓動よ【アヴェンタドールを写真でじっくり見る】 全88枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
約10年に渡り販売されてきたランボルギーニ・アヴェンタドールの引退が発表された。最終モデルとなるウルティマエ・エディションは、1964年の350GTから続くV12エンジン最後の非電動モデルとなる。
2023年に発売されるアヴェンタドールの後継モデルは、引き続き12気筒エンジンを搭載するが、プラグイン・ハイブリッドへの大移行を行う。今後数年のうちに、4人乗りの新型EVをはじめとする多くの電動モデルが販売されることになる。
英AUTOCAR編集部は、ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマン社長にインタビューし、この変革の時代にブランドをどのように導いていくのかを聞いた。
サウンドと歴史は生き続ける
――ランボルギーニのV12が電動化されることについて、どのように感じていますか?
「さまざまな感情が伴います。また、非常に個人的な思い入れもあります。アヴェンタドールは、わたしもかなり初期の頃から携わったクルマでした。このクルマの開発は2007年にスタートしましたから、アヴェンタドールとは特別な関係にあります」
「アヴェンタドールは、当社がこれまでに生産したV12モデルの中で最も成功したクルマであり、素晴らしいバリエーションがたくさんあります。手放すのは難しいのですが、ウルティマエが最後の1台になると思います。とても特別なものなのです。限定モデルですから、お客様にも喜んでいただけると思います」
――これは1つの時代の終わりなのでしょうか?
「わたしは時代では語りません。当社は、自動車ビジネスの進化の過程を経て、今、革命を起こしているのです。これまでとはまったく違うものです。適応する能力を持たなければならないと思いますが、未来の成功のために最も重要なことです」
「以前よりも良い結果を残さなければならない。これはランボルギーニでのルールの1つです。すべての世代が、前の世代よりも優れていなければなりません」
「CO2排出量という点では重要な変化ですが、当社はうまくいくと確信しています。アヴェンタドールに続くプラグイン・ハイブリッド車にはV12エンジンが搭載されますので、サウンドと歴史は生き続けるでしょう」
アヴェンタドールの成功を基盤に
――PHEVスーパーカーでは、ドライバーは重量が増えたことに気づくでしょうか?
「重量の話をするならば、パワーウェイトレシオの話をしなければなりません。また、セットアップ、ブレーキ、空力など、さまざまな要素が絡み合っています」
「最も重要なものの1つがパワーウェイトレシオで、これが大きくなれば、クルマの挙動も合わせなければなりません。これが非常にポジティブな効果を生み出してくれることは間違いありません」
――アヴェンタドールとは密接な関連性があるのでしょうか?
「アヴェンタドール以前のV12モデルは、すべてを合計してもアヴェンタドール単体の販売台数を下回っています。アヴェンタドールのサクセスストーリーは、さらなる発展のための良い出発点になると確信しています」
「なぜなら、当社には確固たる顧客基盤があり、次に来るものを楽しみにしている熱心なオーナーがいるからです」
――シアンのようにスーパーキャパシタを使うことはありますか?
「スーパーキャパシタは、当社の考えでは、排出ガスを削減するという将来のニーズを満たせないブリッジテクノロジーです」
「2023年から2024年にかけて、当社はすべての製品ラインナップをハイブリッド化し、2025年までにCO2排出量を最大50%削減します。コンデンサーではこれを実現できません。ハイブリッド化は良い解決策だと思います」
内燃機関継続の機会を検討
――ウラカンのV10エンジンは、ハイブリッド時代にも生き残るのでしょうか?
「ハイブリッド化が実現するのは2024年ですから、そのことについて話すのはちょっと早いですね」
「当社は2021年に集中しており、ウルティマエの隣に、V12エンジンとスーパーキャパシタを搭載した別のクルマを用意します」
「2022年には、ウラカンとウルスをベースにした2つの新モデルを発表し、2023年から2024年にかけて、ラインナップをすべてハイブリッド化する予定です」
――ランボルギーニがV6ハイブリッドを採用することは考えられますか?
「V12が当社のアイコンであることを考えると、これを維持することは非常に重要です。もし他のタイプのエンジンにチャンスがあれば、それを検討し、バランスのとれた決定を下すでしょう」
「しかし、当社は常に、ファンやお客様にポジティブな驚きを与えるエンジンを提供します」
――ウルスは、いち早く完全EVになるのでしょうか?
「最初のステップはハイブリッド化です。次に、合成燃料を利用して内燃機関を継続する機会が得られるかどうかを検討します。なぜなら、問題はパワートレインの種類ではなく、発生する排出ガスにあるからです」
「一方で、10年以内に初の完全EVとなる4番目のモデルの発売を見込んでいます。このモデルでは、ウルスは異なり、2+2のボディスタイルを検討しています」
スーパーカーだけのブランドではない
――電動化に関して、フォルクスワーゲン・グループ傘下の他のブランドと緊密に連携していますか?
「プラットフォームについては、確かに協力しています。ランボルギーニにとって何が特別なのかを見極めようとしているところです」
「一般的に、メーカーは常に『作る』と『買う』のバランスを考慮しています。DNAとして自身に近いものは作り、それほど重要ではないものは買う。そして、自分達が何を一番得意としているか、どちらか一方を選択することでどれだけ早く良い結果を出せるか、決めなければなりません」
「ですから、当社にとってグループとは、作ることと買うことの中間的な存在です。当社もグループの一員ですから、プラットフォームの開発にも参加します。その一方で、コストと品質の面で最適なものを選ばなければなりません」
――EVのランボルギーニがランボルギーニであり続けるには?
「時代は変わります。新しい世代が参入してきます。当社は、ブランドを2つのタイプのクルマに分けなければなりません」
「ウラカンやアヴェンタドールのようなスーパースポーツカーでは、内燃機関をできる限り存続させたいと考えていますし、日常的なドライバーズカーとしては、ウルスや新しい4番目のモデルのように、傑出したクルマを作らなければなりません」
「一見して、ウラカンやアヴェンタドールに慣れ親しんでいる人にとっては、ウルスのようなクルマはランボルギーニではないでしょう。しかし、当社はスーパースポーツカーだけに注力しているわけではありません。GTカーもあれば、エスパーダのような2+2もありましたし、LM002もありました。会社としては、いろいろなことをやってきたんです」
非電動のV12は存続できない
――合成燃料により、非電動のV12を存続させることができるでしょうか?
「わたし個人の意見では、ノーです。当社は、自然吸気エンジンだけではなく、より優れた組み合わせであるハイブリッド化に踏み込んでいます。自然吸気ではピークを迎えています。2つ(EVと内燃機関)の組み合わせは、単体よりも優れているのです」
――今後は伝統を活かしていくのでしょうか?
「当社のようなブランドは、強いルーツを持っていなければならず、その歴史の上に立つべきです。しかし、歴史については学ばなければなりません。歴史を繰り返して失敗するわけにはいかないのです」
――ランボルギーニの歴史の中で、どの要素を繰り返しますか?
「サクセスストーリーです。当社は小規模ですから、すべてのアクションを成功させ、目標を達成しなければなりません。これこそが焦点を当てなければならないことなのです」
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みんなのコメント
フェラーリもNAモデルって結構需要があるんだってね。