GA-Kプラットフォームの採用で一新
2代目へモデルチェンジしたレクサスの中型SUV、NX。といっても、写真を見る限りボディの変化は小さく、大々的なフェイスリフトと勘違いしても不思議ではない。
<span>【画像】レクサスNX 新型と先代 欧州で競合するPHEVのSUVと比べる 全106枚</span>
よく見れば、フロントマスクはラジエターグリルのイメージを維持しつつ、全体的にデザインを一新。ボディ側面に与えられていた折り目は柔らかい曲面になるなど、ディティールもリフレッシュされている。
最近の流行とえる、左右が細いバーで結ばれたテールライトや、トランクリッドのブランド名ロゴなど、わかりやすい違いもある。それでも、レクサスが欧州で最も多く販売するSUVとして、新型だという主張は薄いように思う。
先代のNXは、登場から7年が経過していたのにも関わらず、2021年のレクサスの販売台数で3分の1を占めていた。RXより3倍も多く売れていたようだ。支持を集めていたモデルが故に、見た目はキープコンセプトとなったのだろう。
だが実際は、基礎骨格をトヨタのGA-Kプラットフォームにスイッチ。オーバーハングは短縮され、全長と全幅は約20mm成長している。トレッドも広げられた。レクサスによれば、コンポーネントの95%は新しいという。
GA-Kの採用により車体剛性は30%も高くなり、重心高は20mmダウン。さらに、レクサスとして初めてとなるプラグイン・ハイブリッド(PHEV)も獲得している。確実な変化だ。ちなみにこのプラットフォームは、人気のトヨタRAV4も採用している。
効果的な走りと鋭い加速を生むPHEV
PHEVのシステムは、RAV4が搭載するものと同じ。185psの2.5L自然吸気4気筒ガソリンエンジンに、182psの駆動用モーターを結合し、前輪を駆動。リアタイヤ側には、54psの駆動用モーターが組まれる。
システム総合では、309psという最高出力になる。駆動用バッテリーの容量は18.1kWhで、フロア下にマウント。最長69kmを電気モーターだけで走行できるという。
欧州のエントリーグレードとなるNXは、350h。こちらには、トヨタではおなじみのシリーズ・パラレル方式のハイブリッドが搭載される。
英国で納車が始まるのは、2022年中頃から。今回はそれに先立って左ハンドルのPHEV版、NX 450h+を、Fスポーツ仕様で試乗させてもらった。
トヨタRAV4と同様に、PHEVは効果的にクルマを走らせつつ、印象的な燃費性能を両立させている。電気モーターだけでの発進は鋭くシームレス。ガソリンエンジンが始動するとノイズで教えてくれるものの、NXの走りに明確な変質は感じられない。
CVTは動力源に関わりなく、リニアな加速を提供。エンジンのノイズが不意に高まる程度だ。
システム総合で300馬力を超えるだけあって、0-100km/h加速時間は6.3秒。NX 450h+は、このクロスオーバー・カテゴリーで最速の1台となる。
NXのPHEVで特長となるのが、仮に駆動用バッテリーの残量がなくなっても、ガソリンエンジンで自己充電してくれること。ゆっくりと短距離動かす程度なら、エンジンを始動せずに済むことも多い。
クラスベストのインフォテインメント
モデルチェンジで大幅に一新したのが、インテリア。レクサスがモノづくりへの姿勢を表す「匠」というデザイン思想の元で、ドライバー中心のレイアウトが与えられている。
ダッシュボード中央には、標準で9.8インチ、オプションで14.0インチとなるタッチモニターをレイアウト。メーター側から伸びるような造形のパネルに、エアコンなどの操作系が適切に集約されている。
新世代として評価したいのが、先代から3.6倍も高速化したというインフォテインメント・システムのソフトウエア。鮮明なインターフェイスとキビキビとした反応が、プレミアム感を確実に高めている。クラスベストのシステムへ、躍り出たと思う。
走りや乗り心地の面では、レクサス・ドライビング・シグネチャーという表現で、他ブランドとの違いを主張している。だが、NXの場合は充分に達成できていない印象を受けた。
サスペンションは、GA-Kプラットフォームの標準形式のままながら、強度や剛性は見直したという。開発ではレーシングドライバーへ協力を仰ぎ、動的能力に関する意見を反映させたとしている。
それが功を奏したのか、ステアリングには心地よい手応えが伝わり、意欲的にコーナーへアプローチしたいと思わせる。だがコーナリング中は、硬いサスペンションは少々落ち着きに欠け、早めのパワーオンではアンダーステアも隠さない様子。
ダイナミックな見た目のNXながら、ワインディングを積極的に走るタイプではない。上級クロスオーバーとして、そうである必要もないとは思うけれど。
先代以上の人気を得られる予感
とはいえ、レクサスを好む一般的なドライバーは、英国の管理の悪い舗装路の処理に感銘を受けるはず。路面のうねりでボディが揺さぶられることはなく、細かな凹凸は音もなく滑らかにサスペンションが吸収してくれる。
段差のある橋桁の継ぎ目などでは、ホイールやシートに僅かな衝撃が伝わる。でも、基本的に車内は平穏だ。
燃費は、91.0km/Lという甘い数字がカタログに載っている。試乗では丁寧に運転し、システムが効率よく電気モーターとガソリンエンジンを働かせられる状態を保ち、約16.0km/Lが得られた。
このサイズのSUVとしては、悪い数字ではない。EVモードで走れる距離は、カタログ値に近いようだ。
今回試乗したレクサスNX 450h+の英国価格は5万4800ポンド(約832万円)と安くはない。しかし装備は充実し、ライバルモデルと比べても遜色ない。NXに乗る時間が長くなるほど、その金額にもうなずけると思う。
現代的に再設計が施された、2代目NX。プラットフォームを共有するRAV4との差別化も明確で、レクサスらしい個性と優れた動的能力を獲得している。
バージョンアップしたインフォテインメント・システムも優秀だし、選択肢としてPHEVも追加された。2代目レクサスNXは、先代以上の人気を得られるのではないだろうか。
レクサスNX 450h+(欧州仕様)のスペック
英国価格:5万4800ポンド(約832万円)
全長:4660mm
全幅:1865mm
全高:1640mm
最高速度:−
0-100km/h加速:6.3秒
燃費:91.0km/L
CO2排出量:−
車両重量:2010kg
パワートレイン:直列4気筒2487cc自然吸気+ツインAC同期モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:18.1kWh
最高出力:309ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT
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みんなのコメント
仕方がないからって、デザインイマイチのミツビシに流れる人出てるよ。