2022年4月28日「LONG–AWAITED – A NEW BENTLEY IS COMING」と銘打ったリリースが、ベントレー本国サイトで発表された。続いて5月4日に追加公開された新たな情報を検証すると、「待望された新しい第5のベントレー」とはどうやら、新時代の「ザ・グランド・ベントレー」に他ならないようだ。5月10日の正式発表が俄然、楽しみになってきた。
「第5のベントレー」は、史上最上級のグランドリムジンとして誕生か
正式発表の2022年5月10日(BST:英国夏時間で12時30分)を前に、公表された画像は2点のみ。同じインテリアの一部を少しだけ広めに切り取ったことで、特徴的なシートの存在が明らかになった。ベントレーが「エアライン シート」と呼ぶ後席用のラグジュアリーシートだ。
ベントレー ドリームファクトリー構想が始動。5年で5種類のBEVが生み出される夢工房だ。
現行ラインナップの中からサイドウインドウの形状を検証してみると、ベンテイガとよく似ている。もしかすると、かねてからその派生モデルとしてデビューが確実視されていたロングホイールベース仕様(ミュルザンヌ以来の伝統に則れば「エクステンデッド ホイールベース」仕様と呼ぶべきか)なのかもしれない。
プロトタイプと思しき車両の公道テスト風景が一部にスクープされたのが、2020年だった。確かに「LONG − AWAITED −(長きにわたって待望されていた)」というキャッチフレーズもうなづける。
スタンダードなベンテイガと比べてみても、リアウインドーの「長さ」は明らかだ。その伸び代は2022年5月5日現在まだ明らかにされていないが、現状(W12 スピード)の全長5144mm、ホイールベース2995mmを仮に、フライングスパー級の5316mm、3194mmまでストレッチしているとすれば、およそ200mm分のゆとりが後席空間に生まれている計算になる。
ちなみにこのサイズ感は、ロールス・ロイス カリナンの全長5340mm、ホイールベース3295mmにかなり近いものになる。
かつてミュルザンヌのエクステンデッド ホイールベース仕様車は「The Grand Bentley(ザ・グランド・ベントレー)」の異名で最上級のグランドリムジンの地位を確立したが、第5のベントレーはまさに、SUV全盛のこの時代にふさわしい極上リムジンとして誕生するのかもしれない。もちろん今のところ、すべては推測(というより期待?)に過ぎないけれど。
240億通りの「理想の空間」をチョイス可能
ここからは新たに公表された情報に基づいて、第5のベントレーの魅力を解析していこう。
贅沢極まりないリムジンだけに、パーソナライゼーションについてもかつてないレベルの広がりが予告されている。トリムの仕様だけでも240億通りもの個性の演出が可能だというから、実質的には無限大に異なる仕様があると考えていい。
ダイヤモンドキルティングのシートは、新たなディテールが与えられて後席乗員の身体を穏やかに、かつ確実にホールドしてくれる。ひときわ心地いい空間を作り出すのが、ドアトリムに配された細かなミシン目から漏れるLEDの光だ。
「ベントレー ダイヤモンド イルミネーション」と名付けられたこの照明効果は、リアドア左右にそれぞれ22個配置されたLEDによるもの。あくまでベントレーらしハンドクラフトにこだわりながらも、現代的な様式美を巧みに盛り込んでいるユニークセールスポイントのひとつと言えるだろう。
すべての面で、第5のベントレーは「Wellnes on Board」という価値観を体現している。端的に表現するなら「クルマに乗ることで心と身体を健やかに保つ」といったイメージだろうか。
思えば「ベントレー」のこだわりに満ちたクラフツマンシップの歴史そのものが、ドライバーにとっての「Wellnes on Board」に他ならなかったように思える。それをあえて前面に押し立てた「第5のベントレー」は、どのような感動を体験させてくれるのだろうか。
[ アルバム : ベントレー 第5の新型車 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
コンチネンタルGTもフライングスパーもアウディやポルシェの延長線というか、手作りの部分は多くても工業生産品にちょっと手作りの部分を足しただけの車になってしまっていたような。
中古になれば先代モデルなんて驚くほど安いし、新型が出れば二束三文的な印象。
それをガラの悪い兄ちゃんが無理して買って壊れっぱなしで乗り回すような車。
やはりグランドベントレーが出てこないと。