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これいい! 話題になってないけど超いい!! 名門レガシィ最後の砦「新型アウトバック」時流に逆らう背の低いSUVの魅力とは?

掲載 更新 43
これいい! 話題になってないけど超いい!! 名門レガシィ最後の砦「新型アウトバック」時流に逆らう背の低いSUVの魅力とは?

 スバルのフラッグシップモデルは日本市場においてレガシィとなっている。しかし、セダンのB4は2020年に生産終了となり、とうとうスバルの伝統のネーミングを引き継ぐのはアウトバックだけとなった。

 現行モデルのアウトバックは北米市場では2020年に導入されているが、日本市場には2021年10月と1年以上遅れての導入となった。

疲れていてもスポーツカーに乗ると元気になるというのは本当なの?

 コロナ禍による半導体不足の影響で、スバルのフラッグシップモデルである新型レガシィアウトバックにようやく試乗することができたので、インプレッションを紹介したい。

文、写真/萩原文博

日本の道路事情では持て余しそうな大きなボディサイズ

アウトバックX-ブレークEXの走行シーン

 筆者は3代目BP型アウトバックで、2008年5月に特別仕様車として、2000台限定販売された2.5XTを所有していた。2.5L水平対向4気筒ターボエンジンを搭載したモデルで、アウトバックにもかかわらずローダウンサスペンションを装着していた。

 パワフルなエンジンを搭載していたが、乗り味は大らかで大陸的。レガシィスポーツワゴンの切れ味鋭い走りとは一線を画したもので、ボディサイズなども含めて歴代アウトバックの中でもベストモデルだと思っている。

 現行型アウトバックは、最新鋭の運転支援システムであるアイサイトXを搭載するために、日本市場の導入が遅れたが、フラッグシップである以上、最新鋭のシステムを搭載するのは当然のことだと思っている。

 現行型アウトバックのボディサイズは、全長4,870mm×全幅1,875mm×全高1,675mmと見た目以上に大きい。このサイズ感からもメインターゲットは日本市場ではなく、北米や欧州と言えるだろう。

 アウトバックのようなステーションワゴンのクロスオーバーモデルはメルセデス・ベンツのオールテレインやアウディのオールロード、ボルボのV60やV90のクロスカントリーなどかなり限定的。それ故に人気が集中するのだ。

 現行型アウトバックは総合安全性能のレベルを引き上げるとともに、ドライバーの意思に忠実なハンドリングや、不快な振動騒音の低減によって快適な乗り心地を実現させた「スバルグローバルプラットフォーム」。そして、ボディ全体の骨格連続性を高める「フルインナーフレーム構造」を採用。

 さらに、アウトバックとして、「構造用接着剤」を初採用し、ボディの高剛性化と軽量化を両立した。

アクティブ性能を全身で表現する外観デザイン

アウトバックX-ブレークEXのフロントスタイル

 外観デザインは、「Active & Tough」というデザインコンセプトのもと、アウトバックのアクティブ性能を全身で表現。厚みや力強さを強調したボディパネルと、一体感を増したクラッディングを組み合わせることでアクティブさとタフさを表現している。

 リミテッドは、ダイナミックさとタフさを感じさせるスタイリングにシルバー加飾を効果的にもちいることで、洗練された上質感を表現。ブラック塗装+メッキ加工を施したフロントグリルやシルバー塗装のフロントバンパーなどの専用装備によって都会の風景にもマッチするスタイリッシュなデザインとしている。

 一方のX-BREAKはブラックパーツによってアウトドアギアのようなタフさとスポーティさを表現。ブラック塗装+ラスターブラック塗装のフロントグリルやダークメタリック塗装の18インチアルミホイールなどを採用したラギッド感を強調したスタイリングによってSUVとしてのキャラクターを際立たせている。

 インテリアは、開放感と守られているような包まれ感を両立させた上質で居心地の良い空間を創出している。特徴的なのがデジタルコクピット。タブレットライクな縦型の11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイやフル液晶メーターを組み合わせた先進のコクピットシステムを採用。12.3インチのフル液晶メーターやアイサイトアシストモニターなどでドライバーに的確な情報を伝えて、安全運転をサポートする。

 搭載するエンジンは先代から排気量をダウンサイジングした1.8L水平対向4 気筒直噴ターボエンジンを採用。低回転域から最大300Nmという力強いトルクを発生させため、スムーズな加速性能を発揮する。組み合わされるトランスミッションは、新型のリニアトロニックと呼ばれるCVTで、変速ショックのない滑らかな加速と、リニアなレスポンスを提供。さらに8 速マニュアルモードを採用し、操る愉しさも味わえる。

 最新鋭の運転支援システムは、高精度マップを活用した新開発の高度運転支援システム「アイサイトX」を全車標準装備。一定の条件を満たした自動車専用道路において、GPS や準天頂衛星システム「みちびき」などからの情報と、車線単位の道路情報を持つ3D 高精度地図データを組み合わせることで、自車位置を正確に把握し、運転支援機能を大幅に向上させている。

 例えば、料金所の手前で、ETC ゲートを安全に通過できる速度まで減速。通過後はセット車速まで加速する「料金所前速度制御」や自動車専用道路上での渋滞時(0km/h~約50km/h)、一定の条件を満たすと、ステアリングから手を放すことが可能となり、渋滞時のドライバーの運転負荷を大幅に軽減する「渋滞時ハンズオフアシスト」などによりドライバーの負担を軽減する。

同じ1.8Lエンジン搭載のレヴォーグと価格差が小さいのは魅力

アウトバックX-ブレークEXのリアスタイル

 今回試乗したのは、車両本体価格377万円のX-BREAK EX。撥水ポリウレタンシート、X-MODE(ヒルディセントコントロール付、2モード)などの専用装備を装着していながら、レヴォーグとの価格差は非常に小さくなっている。

 同じ1.8Lターボエンジンを搭載したレヴォーグSTI スポーツ EXの車両本体価格が372大きくなったボディサイズにより、居住空間とラゲッジスペースが拡大。特にラゲッジスペースは5人乗車時で561Lの容量を実現している。

 乗る前は約1.7トンもあるアウトバックの大きなボディを従来モデルのようにスムーズに加速させるためには、1.8Lターボエンジンではパワー不足と思っていたが、杞憂に終わった。

 アウトバックらしい、大らかなでゆったりとした走りは1.8Lターボエンジンで十分に表現されている。ボディ剛性が向上したことで、エンジンパワーを余すことなく路面に伝えてくれるので、パワー面ではまったく物足りなさはない。

 乗り心地もサスペンションがしっかりと仕事してくれるので、オンロードでの乗り味は非常にソフトでフラット。背の高いSUVとは異なり、無駄な動きが少なく低重心の良さが活かされている

 最新鋭の運転支援システムである、アイサイトXのペダル&ステアリングの制御は抜群。これまで得た豊富な知見により、加減速フィールそしてステアリング制御は、まるで自分が運転しているのではないかと勘違いするほど見事にトレースしてくれる。

 最良の乗り味と最新の安全装備を手に入れたスバルのフラッグシップモデル、アウトバック。背の高いSUVが主流の中でも存在感が高まりそうだ。

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みんなのコメント

43件
  • 税抜価格で書かないで欲しいですわ。そんなに安いのってスバルのページ見に行ったら税込約415万円って書いてありましたわ。
  • アウトバックやアウディA4、A6オールロードクワトロ、パサートオールトラック、メルセデスEオールテレイン等の「背の低いSUV」は好きですね。
    地上高は充分だし、走行性能も高レベルで確保されている。
    「SUV(スポーツユーティリティビークル)」は日本語に訳せば「スポーツ用多目的車」なのだがら、意味からすれば背の低いSUVが本来のSUVのあり方だと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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