もくじ
ー モデルY 中国で生産か
ー テスラ上海 設立
ー フレックス回路の採用による効率化も
ー モデルYのライバルたち
テスラの小型SUV「モデルY」 2019年3月15日発表へ ドアミラーレスか1
モデルY 中国で生産か
テスラが近日発表予定のモデルYは、同社の持続的成長のためにもっとも重要なモデルとなるかもしれない。
モデルYは現行のモデル3と共通のプラットフォームを採用しているものの、その生産手法はこれまでと全く異なるものになるようだ。
AUTOCARが入手した情報によれば、モデルYの生産は米国外で予定され、その生産工程について今まで以上に慎重な検討がおこなわれているようだ。もっとも重要なことは、モデルYが戦うのはすでに生産遅延問題を抱えているモデル3以上に大きな市場であるということだ。専門家たちは、電動SUVの需要は今後数年間で爆発的に高まると考えている。
モデルYはジャガーI-PACEやアウディE-トロンと同じ土俵に乗ることになる。モデルYが2020年に発売されることは今年5月に発表された。発売まで「わずか24カ月」という発表は、新型車投入前にモデル3の生産問題を解消すべきだと考えるひとびとの反感を買った。さらに、マスク本人が語った通り、カリフォルニア州フリーモントのテスラ工場はすでにすし詰め状態だ。
テスラ上海 設立
しかし、その解決策は中国にあったようだ。5月10日、テスラはテスラ上海という新会社を中国で設立した。この会社はEVやバッテリー、スペアパーツの生産を担当するとしている。この動きは、中国政府がこれまで海外メーカーに対し義務付けていた、出資比率50:50の合弁会社の設立という規制を撤廃したことによるものだ。テスラは以前から中国における工場設立を図っていたが、当局の許可を得られないでいた。
この規制撤廃はまずはEV車を対象におこなわれる。現在テスラは中国では25%もの関税が課せられている。
同じ5月10日、テスラのバッテリー生産パートナーであるパナソニックが中国メーカーとの提携の可能性を示唆した。しかし、これは確定した計画ではないとのことだ。アナリストによれば、テスラとパナソニックはともに財務状態が芳しくなく、これが大型の投資判断を遅らせている原因とみている。
テスラはモデル3の生産遅延を技術的には解決しているとみられ、モデルYの2020年の発売に向け準備を進めているようだ。世界で生産されるEVの50%を消費する国で生産することの恩恵は大きいだろう。
フレックス回路の採用による効率化も
モデルYはモデル3と共通のスチールとアルミニウムのハイブリッド構造であるが、マスクによればモデルYは新しい「フレックス回路」とよばれる技術を採用しているようだ。フレックス回路は従来の膨大な量のケーブルを極薄のサンドイッチ構造を持つプラスティック製ケーブルに置き換えることができる。
この技術により、モデルYの内部配線を劇的に減らすことができるだろう。モデル3の配線は1.5kmにもおよぶとされているが、モデルYではわずかに100m程度になるようだ。
モデルYの生産方法も、モデル3とは異なったものになるだろう。フレックス回路の採用により、非常に複雑な配線作業を今まで以上に自動化することができる。その一方で、一部の自動化プロセスを省くことも計画しているようだ。
マスクはモデル3の生産ラインについて、過剰な自動化化がおこなわれているとしている。「機械化によるボトルネック」の解消のための変更がおこなわれる見込みだ。
モデルYのライバルたち
アウディE-トロン
アウディ初の量産EV車が来年発売される。アウディは150kWの充電器により、テスラ以上の充電能力を持つとしている。
フォード・マッハ1
2020年に発売予定の前輪駆動のハイパフォーマンス・クロスオーバーだ。フォードは最近バッテリーEVに対する投資額を倍増した。
ジャガーI-PACE
ジャガーは電動パフォーマンスSUVをライバルに先駆けて市場に投入した。
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