2024年6月21日、 F1第10戦スペインGPがバルセロナ郊外モンメロのカタルーニャ・サーキットで開幕する。ここから6週間で、スペイン、オーストリア、イギリス、ハンガリー、ベルギーを転戦。F1グランプリはひとつの大きな山場を迎える。
シリーズの分岐点となる重要なレースになりそうだ
前戦カナダGPでは、雨と晴れが交互に訪れる難しい状況の中、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が勝負どころで強さを見せて、ランド・ノリス、ジョージ・ラッセル(メルセデス)を振り切って優勝。今季6勝目をあげた。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
しかし、レッドブルにはシーズン開幕当初のような圧倒的な速さはなく、セルジオ・ペレスがリタイアとなるなど、ここから始まる欧州ラウンドでどこが抜け出すかが大きなポイントとなっている。
ただ、コンストラクターズランキング2位のフェラーリが2台揃ってリタイアとなったため、レッドブルとフェラーリのポイント差は49点に拡大。2番手争いのフェラーリ、マクラーレン、メルセデスの戦いも混戦模様となっている。
フェルスタッペンが再び独走体制を築くのか、2番手以降の躍進によってチャンピオン争いは混沌したものになっていくのか。スペインGPは欧州ラウンドの本格的な始まりで、各チームが大幅なアップデートを施してくることから、勢力図が大きく変わることも予想される。
【参考】2024年F1第9戦カナダGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)70周
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+3.879s
3位 63 G.ラッセル(メルセデス) +4.317s
4位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+4.915s
5位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+10.199
6位 14 F.アロンソ(アストンマーティン)+17.510s
7位 18 L.ストロール(アストンマーティン)+23.825s
8位 3 D.リカルド(RB・ホンダRBPT))+28.872s
9位 10 P.ガスリー (アルピーヌ・ルノー)+30.021s
10位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+30.313s
──────
14位 22 角田裕毅(RB・ホンダRBPT) +50.694s
リタイア 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)
ファステストラップ 44 L.ハミルトン(メルセデス)
【参考】2024年F1ドライバーズランキング(第9戦終了時)
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 194
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)138
3位 4 L.ノリス(マクラーレン)131
4位 55 C.サインツ(フェラーリ)108
5位 11 S.ペレス(レッドブル)107
6位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)81
7位 63 G.ラッセル(メルセデス)69
8位 44 L.ハミルトン(メルセデス)55
9位 14 F.アロンソ(アストンマーティン)41
10位 22 角田裕毅(RB)19
【参考】2024年F1コンストラクターズランキング(第9戦終了時)
1位 レッドブル 301
2位 フェラーリ 252
3位 マクラーレン 212
4位 メルセデス 124
5位 アストンマーティン 58
6位 RB 28
このコースで速いマシンはどのサーキットでも速い
スペインGPの舞台となるのは、バルセロナ郊外にあるカタロニア・サーキット(正式名称はシルクィート・デ・バルセロナ・カタロニア=Circuit de Barcelona-Catalunya)。
長いストレートで最高速が340km/hに達する一方で、高速・中速・低速コーナーが複雑に組み合わされ、しかもアップダウンもあり、タイヤに厳しく、マシンの総合力が問われることから、「このコースで速いマシンはどのサーキットでも速い」と言われる。
天候は比較的安定しているが、海岸の近くにあるため風が強く吹き込みやすく、しばしばその不安定な風がドライバーを悩ませる。フリー走行で好調な走りをみせていても、予選で風向きが変わればマシンバランスをも変えてしまい、調子を崩す可能性もある。
また、今年のレースは2023年よりも3週間遅く行われるため、気温が高くなる可能性があり、タイヤのマネージメントも課題となりそうだ。
これまでレース中のオーバーテイクは難しいとされてきたが、エアロダイナミクスの進化とシケインの廃止により、2023年のレースでは追い越しが増加し、オーバーテイクが可能なサーキットとなっている。ただ、それでも予選順位がレースの勝敗を分ける大きなポイントとなるのは間違いはない。
ピレリの分析「タイヤにとっても最も技術的に厳しいコース」
昨年2023年のスペインGPでは、ポールポジションからスタートを決めたフェルスタッペン(レッドブル)がそのまま全周回で首位を維持し、最速ラップも決めて独走で優勝。レースを完璧に制する「グランドスラム」を演じた。
昨年のこの時期はレッドブルが圧倒的な速さを見せており、2番手以下に大差をつけても大きな驚きはなかったが、今年は昨年のような差がつくようなレースにはならないはずだ。
【参考】2023年F1第8戦スペインGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)66周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス) +24.090s
3位 63 G.ラッセル(メルセデス) +32.389s
4位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+35.812s
5位 55 C.サインツ(フェラーリ) +45.698s
6位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+63.320s
7位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+64.127s
8位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+69.242s
9位 24 周冠宇(アルファロメオ・フェラーリ)+71.878s
10位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+73.530s
・・・・・・・・・・・・・
12位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+75.416s
14位 21 N.デフリース(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周
ファステストラップ 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)
タイヤを供給するピレリは「カタロニア・サーキットは車にとってもタイヤにとっても最も技術的に厳しいコースの1つです。そのため、最も硬い3つのコンパウンド、つまりハード=C1、ミディアム=C2、ソフト=C3を選択しました。ストレート以外にもありとあらゆるタイプのコーナーがあり、ターン3やメインストレートにつながるターン13と14の組み合わせなど、一部のコーナーは非常に高速で走行します。14 のコーナーのうち 9 つが右カーブであるため、特に左側のタイヤにかかる横方向の力が大きくなります。カタロニア・サーキットは厳しいコースであり、すべてのチームが不安を抱えています。戦略の面では2ストップが最も速いと予想されますが、デグラデーションが大きければ、昨年のレースではオーバーテイクが以前よりも容易であることが証明されたので、3ストップが速い可能もあります」と分析している。
さて2024年のスペインGPはどんなレースとなるのか。第10戦スペインGPは6月21日13時30分(日本時間20時30分)から始まるフリー走行で開幕、決勝は6月23日15時(日本時間22時)にスタートする。
2024年F1第10戦スペインGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:6月21日13時30分~14時30分(日本時間20時30分~213時30分)
フリー走行2回目:6月21日17時~18時(日本時間24時~25時)
フリー走行3回目:6月22日12時30分~13時30分(日本時間19時30分~20時30分)
予選:6月22日16時~17時(日本時間23時~24時)
決勝(66周):6月23日15時~(日本時間22時~)
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