1989年の登場以来、代は変わっても「人馬一体」と呼ばれるドライバーが意のままに操れる走りの楽しさで多くのファンを魅了し続けるマツダ「ロードスター」。
現行モデルは4代目となる通称「ND型」であり、エンジンの排気量は歴代で最小となる1.5リッターとし(リトラクタブルハードトップ仕様のRFは2リッター)、最軽量モデルでは車重1トンを切るという原点回帰を果たしたモデルになっています。
マツダ「ロードスター」はなぜ人気? 誕生30年で100万人以上のファンに愛されてきた理由
マツダ ロードスター(下:4代目、上:3代目) そして、先代モデルから原点回帰を果たした部分がもうひとつ。それはホイールの穴数です。元々初代、2代目のロードスターは4穴のホイールを採用していましたが、3代目のNC型になった際に5穴ホイールへと変更されました。しかし、4代目では再び4穴へと戻っているのです。
ロードスターが現行型で再び4穴に戻った理由は、果たしてどういった理由があったのでしょうか。マツダ広報部に質問をぶつけてみました。
ーー現行型ロードスターが4穴を採用した理由を教えてください
ロードスターは、“感”を開発のキーワードとして、「軽快感」、「手の内・意のまま感」、「開放感」の3つの“感”を追求するために、車両のコンパクト化やパッケージングの進化とともに、前モデル(3代目)から100kg以上の軽量化に取り組みました。
シャシー領域についても大幅な軽量化を実現するため、その手段のひとつとして近年5穴が中心のハブボルトについても、あえて4穴を採用しています。
ーーハブボルト付近の軽量化でどれくらいの重量削減ができたのでしょうか
4代目ロードスターでは、サスペンションシステムの随所で徹底した軽量化をおこなった結果、前モデルから約12kgの軽量化を実現しています。
4代目ロードスターのホイール穴数が減った理由は? そもそもホイールの穴数に違いがあるのはなぜなのでしょうか。ロードスターのホイールの穴数が減った理由を考える前に、なぜホイールの穴数に違いがあるのかを振り返りましょう。
マツダ ロードスター(初代) ホイールは、車体側から出ているハブボルトと呼ばれるボルトに、ナットを使って装着します。そのため、当然ながら車両側のハブボルトの本数とホイール側の穴数が一致する必要があります。
なぜそのハブボルトの本数に違いがあるのかというと、それは強度の問題です。ホイールはタイヤを介して直接路面と接触する部分であり、そのホイールを受け止めるハブボルトは大きな力を受ける部分となります。
そのため、4本よりも5本、5本よりも6本とハブボルトの本数が増えるほど1本にかかる力を分散することができるというワケです。
車重も軽く最大パワーもそれほど大きくない軽自動車は4穴であり、人が多く乗る前提のミニバンは5穴、本格的なクロカンSUVや商用バンは6穴、大型のバスやトラックは10穴と増えていきます。
※ ※ ※
人馬一体の走りを実現するための軽量化の一環としてとった手段のひとつが、ホイールのハブボルトの本数を減らす、という選択だったのです。
ホイールのボルトが1本減ったくらいでは大した軽量化にはならない、という意見もあるかもしれませんが、クルマを構成する部品点数は3万点以上ともいわれており、1つの部品を平均10グラム軽量化するだけで、トータルで300kgの軽量化に繋がります。小さな積み重ねを馬鹿にすることはできません。
こういったメーカーの涙ぐましい努力の結晶が、ロードスターの軽快な人馬一体の走りを実現しているのですから、ロードスターオーナーのみなさんは不要な荷物をトランクに満載しっぱなしということがないようにお気を付けください。
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