7月14日、宮城県のスポーツランドSUGOでGTエントラント協会主催のGT300テストがスタートし、走行1日目のセッション1/2が行われたが、レギュラーで参戦する21台に加え、2台の車両が登場した。そのうちの1台は、2021年までHOPPY team TSUCHIYAから参戦していたポルシェ911 GT3 R。走行初日は安田裕信がドライブし、午前に43周、午後に103周と膨大な量のメニューを消化。2日目となる7月15日も佐藤公哉とシェアしながら、58周を周回した。
GTE主催のテストは今季これまで開幕前の富士、5月の鈴鹿、そして今回のSUGOと3回行われているが、そのうちの2回、横浜ゴムのエントリーでシリーズ参戦車両以外のマシンが登場した。富士ではHOPPY team TSUCHIYAが所有するMC86で、今回はポルシェ。その両方とも横浜ゴムからの依頼を受けた安田がドライブした。
SUGOでのGTエントラント協会主催GT300テスト2日目はSyntium LMcorsa GR Supra GTが最速
今回のポルシェは、富士でのMC86と同様、つちやエンジニアリングが横浜ゴムから開発テストの依頼を受けて走らせているもの。ただ、チーム、そしてドライブした安田もどんなタイヤなのかは聞かされていないという。
「スーパーGTのシリーズで走っていない車両を使っていますが、スーパーGTのためではないと思っています。メニューは我々も聞かされていません。一方で、チームもドライバーも未来に繋げていくテストだと思っています」というのは土屋武士監督。
「ひたすらタイヤの表現をしていくことになりますが、その点では安田選手はGT500でもチャンピオン争いをしてきたようなプロフェッショナルですし、開発も進むと思っています。初日は100周も超えましたし、良く走りますよね(笑)」
また、土屋監督は今季スーパーGTでシートがない安田にとっても良い機会になったと語っている。「乗っていないドライバーにとってもこういう機会はすごく大事ですし、安田選手はプロ中のプロですから。やっぱり違いますよ。乗っていないのがおかしいくらい。ヨコハマさんにとっても有益なデータがとれると思いますし、我々としてもタイヤがしっかり接地するクルマとしてMC86もこのポルシェも仕上げてあるので、その点は重要だと思います」と語った。
安田も同様に、「ドライバーとしてはすごく良い機会でしたし、ポルシェは初めて乗りましたけど、安全だしトラクションもある。涼しいですしね。ダウンフォースは少ないかもしれないですけど、安定して走れるクルマだと思いました。土屋さんがエンジニアなんで緊張しますよ(笑)」とテストを振り返った。
初日は合計で146周を一日で走った安田はさすがに「疲れました(笑)」という。「身体は大丈夫なんですけど、ポルシェはブレーキペダルが右に寄っているので、少し腰が痛くなりましたね。(阪口)晴南もそうだと思いますけど、延々ロングランでしたからね。復帰するにしろ、こういう機会をもらえて良かったです」
「走りはじめにトラブルもありましたけど、チームがすぐに直してくれましたし、ありがたいです」
土屋監督も話すとおり、安田の経験、スピードは今季レギュラーで参戦していてもまったくおかしくないもの。今回みせた実力が、2025年のシートに繋がることを願いたいところだ。
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