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クレイジーケンバンド・横山 剣さんが日産「510ブルーバード」で走る!「Zの柳田」「黒い稲妻」とのドリームチームの結果は…?

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クレイジーケンバンド・横山 剣さんが日産「510ブルーバード」で走る!「Zの柳田」「黒い稲妻」とのドリームチームの結果は…?

ヒストリックカー愛好家としても知られる横山 剣さん

クレイジーケンバンドの横山 剣さんは大のヒストリックカー好きとして知られていますが、サーキットでもひとりのエントラントとして、JCCA(日本クラシックカー協会)主催のヒストリックカーレースを楽しんでいます。2024年10月13日に筑波サーキットで開催されたスプリントレースと耐久レースに参戦した横山 剣さんの走りっぷりをお伝えしましょう。

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510ブルーバードでヒストリックカーレースに挑戦中

2024年10月13日に開催された「JCCA筑波ミーティング」では、クラスごとのスプリントレースに加えて、秋のプログラムとして60分の耐久レースが開催。エントラントはもちろん観客たちも楽しみにしている秋の風物詩となっている。その耐久レースであるが、今回より名称を「CRAZY KEN TROPHY 60分耐久レース」として開催されることになった。

エントラントとしてのみならず、こうしてレース名に自らの名前を冠するほどのヒストリックカーレースへの思いを、横山 剣選手に聞いてみた。

「当初はPクラス(無改造のノーマル車両)のレースに出ようと約5年前よりBMW 2002tii(以下マルニ)でレースを始めたのですが、インジェクションがどうにも不調でやむを得ずキャブレター仕様にしました、そうなるとレギュレーション上、改造車両になってしまいまして、Pクラスで参加するということは叶わなくなってしまいました」

と横山さん。キャブ以外はノーマルだったというマルニでは、広い改造範囲が認められたSクラスを戦うには、圧倒的に不利である。昔ビデオで見たBREとジョン・モートンの510「ブルーバード」(以下510)への憧れもあり、マルニは諦めて、510のSクラスマシンへと変更したという。

マシンを510にし、Sクラスのレースに参戦するようになった横山選手は、2023年の耐久では3位、2024年夏のスプリントでは4位入賞するなど、着実にポジションも上がってきている。

「クルマのフィーリングを語れるほど、まだ乗りこなせていませんが、まずまずの結果を出せてきているので、これからもさらに上位を目指して頑張ります」

スプリントSレースは赤旗ストップと猛暑に泣く……

そして秋のJCCAレース当日の横山選手は、スプリントレースのSクラスと、自らの名を冠した「CRAZY KEN TROPHY 60分耐久レース」の2レースへエントリー。ちなみに「プログラムやリザルトに名前載ってないよ」とよく言われるそうだが、レースには横山 剣ではなく、本名の横山正佳でのエントリーとなっている。

この日のプログラムで、まず先に行われたのはスプリントSレース。予選タイム1分4秒965という圧倒的なタイムでポールポジションを獲得したのは、同じく510ブルーバードの秋田選手。そこから横山選手のタイム8秒台までの間で、なんと18台がコンマを争う熾烈さである。

「予選順位が16位、グリッド8列目からのスタートと芳しくありませんでしたが、途中11位まで順位を上げることができたところで赤旗中断になりました」

4周目にダンロップコーナーで2台がコースアウトしたことにより、赤旗コースコーションとなり車両回収から再スタートまで、全車両はコース上で待機となる。この間、高い気温による水温上昇に悩まされた数台が脱落するのだが、横山選手の510もリタイヤを喫する。

「再スタートからベスト10目指して行くぞ! と意気込んだ途端に、オーバーヒートでリタイヤでした。ガッカリでししたが、この後の耐久レースもあるので、すぐに気持ちは切り替えました」

結果はポールポジションからスタートした秋田選手が勝利を収めたSレースであった。さて、横山選手が気を取り直して臨んだという「CRAZY KEN TROPHY 60分耐久レース」はどうだったのだろうか。

桑島正美選手&柳田春人選手と夢の3人チームで耐久レース

今回より「CRAZY KEN TROPHY」となったJCCAヒストリックカー60分耐久レースだが、自らの名前を冠したレースへエントラントとしても参戦の横山 剣選手が、このように語ってくれた。

「僕自身は実力もまだまだだですし、レースに自分の名前を冠するなんて、おこがましさと照れくささもあったのですが、耐久レースをもっと盛り上げて行きたいねと、レース仲間との会話から持ち上がった話でした。まさか本当にこんなに早く実現するとは思いませんでした」

と謙遜するが、来場者数やレースへの参加台数の増加など、その効果は間違いなく現れているのが分かる。

そして今回の横山選手のチームであるが、これまでも耐久のパートナーとしてタッグを組んできたのが桑島正美選手。1970年代に国内外のレースで活躍し「黒い稲妻」の異名で活躍した名ドライバーだ。

「もともと僕がCOOLSというバンドに関わっていた頃、ギタリストのジェームズ藤木さんから紹介してもらってから、桑島さんとは30年来のお付き合いなんです」

と横山選手。そうした関係もあり、かつての桑島さんの「フェアレディZ」時代のライバルであり親友の柳田春人さんと繋がりもでき、柳田さんのショップ、セントラル20にも協力してもらうといった関係ができたという。

「イギリスのグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、オーナーが、かつてのレジェンドドライバーと組んで走りますよね。ブラジル・コンビ(桑島&柳田両選手は1970年ブラジルでの国際レースに出場)が、いつか乗ってくれたら嬉しいなと思ってたのですが、今日実現して最高の気分です」

と横山選手は語ってくれた。

レジェンドドライバーたちは語る

そうして結成されたドリームチームであったが、持病を抱えており日により体調の浮き沈みがあるという桑島正美選手、今回はベストな体調ではなかった。

「筑波に来る3日前から急に(体調が)キツくなってきて、前日もろくに練習もできずにいたんですよ。レースは2人目に乗ったのですが、途中イエローフラッグが出たりセーフティカーが入ったりしちゃって、とにかく集中力を切らせないようにして、ラストの柳田に渡せるように走りました。剣ちゃんとのチームは楽しいし、チームスタッフも完璧。これからも走れる限りは走りたいね。それより、なんか火がついた人がいるみたいだよ。柳田の話聞いてみて」

と桑島選手は笑いながら話を柳田選手に振る。

「じつは以前にも友人に誘われて何度かBMW 2002でヒストリックカーの耐久レースに出たことがあるんですよ。まだ40代だったから、約30年ぶりの筑波サーキットです」

と懐古するのは「Zの柳田」こと柳田春人選手だ。

久しぶりのコース、初めてのマシンということで、レース2週間前に7周のテスト走行を行ったという。その時は最終コーナーでアクセルを開けていくと外側に膨らむ症状があったそうだ。

「その後アライメントを改善したみたいで、今日は走りやすかったね。回転数は7500rpmがリミットなんだけど、どこまでも回りそうなエンジンだね。私は現役時代に510は乗ったことないけど当時より良いと思うよ」

とマシンの仕立てには満足のご様子の柳田選手は、こう続けた。

「横山さんは速いね! 練習しているって聞いてたけど努力してるね、想像以上の速さで驚いた。そうなると私も負けてられないなって燃えてきたよ」

気になるリザルトは……?

柳田選手の走行中にはセーフティカーの先導もあり(セーフティカーはトップの車両の前へ入るという認識の柳田選手、自車の前に入ったことに戸惑ったそうだ)、桑島選手同様、満足できる走行ができなかったというが、まだまだタイムアップできる感触は掴んだという。

「久しぶりのチームでのレース参加だったけど、私が現役だった頃のレースってこんな感じだったよな……という懐かしさもこの大会にはあるね。チームクルーは最高だし、他の参加チームの雰囲気も良かった、とにかく今日は最高の1日でした。次回も誘ってもらいたいな」

と柳田選手。ドライバー3人で乗る順番や交代のタイミングを決めて、ピットクルーとその詳細を相談しながら戦略を組み立てるなど、チームワークの楽しさを再認識したという。

そうしたドリームチームでの耐久レース、予選タイムは19台中6位でスタートし、一時は2位まで浮上、一昨年ぶりの表彰台か! とチームのムードも高まったというが、結果は5位のフィニッシュ、表彰台は逃したものの堂々たるリザルトを残した。

最後に横山選手からは、

「ヒストリックカーは展示していても美しいし、街で走っている姿を見てもうっとりしますが、サーキットで走る姿こそ、ヒストリックカーが一番セクシーに思える場だと思いますので、皆さんもぜひサーキットにも足を運んでいただきたいです」

というメッセージをいただいた。来春のJCCA筑波ミーティングで、音、匂い、スピード、五感でレーシングマシンを感じてみてはいかがだろうか。

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