重たいクルマを動かすためにはロングストローク化する必要がある
バイクのエンジンが1万回転を超えるような高回転で回るのは、ショートストロークであることと、それを可能にする車両重量の軽さによる。1000ccクラスの大型バイクでも、その車両重量は200kg前後でしかない。一方、リッターカーと呼ばれるコンパクトカーでも、車両重量が1トン(1000kg)前後はある。したがって、発進時にクルマはバイクの4~5倍の重さの物を動かさなければならない。
重い物を動かすには、トルクが大きく、低い回転でそれを発生する必要がある。このため、エンジンはロングストローク傾向になる。エンジンの中で往復するピストンの速さは、秒速25m(時速90km)ほどが限度といわれている。ピストンは、それほど猛烈な速度から、上死点と下死点では一旦停止し、再び加速してまた止まることを繰り返している。したがって、最高速度(ストロークの中間点)の速さには、おのずと限界がある。
たとえば、毎分1万回転回るエンジンでは、1秒間に166.6回転することになる。つまり、ピストンは166.6往復するわけで、片道だと83.3回ストロークする。1秒間に25m進むことがピストン速度の限界だとすれば、毎分1万回転では、30.01mmピストンが移動してその速度に到達するときが限界になる。最高速が出るのはストロークの中間点だから、ピストンストロークとすれば30×2(加速距離と減速距離)で60mmというわけだ。
世界一のバイクメーカーであるホンダの大型バイク、CBR1000RRのエンジンを例に見てみると、ボア×ストロークは76.0×56.1mmで、ストロークが60mmを切っている。そして最高出力は、192馬力を1万3000回転で出す。車体重量は200kgを切っている。
トヨタのリッターカーの一台であるヴィッツの1000ccエンジンは、ボア×ストロークが71.0×83.9mmでロングストロークだ。最高出力は69馬力で、ホンダのバイクの1/3ほどでしかない。だが、最大トルクは92N・mあって、バイクの113N・mとさほど変わらない。ただしロングストロークなので、最高出力の出る回転数は毎分6000回転と、バイクの半分ほどの低さだ。ちなみにヴィッツの車両重量は1245kgで、バイクの6倍強もある。
クルマのエンジンも、スポーツカーやレーシングカーのように車両重量が軽ければショートストロークにすることにより、1万回転以上の高回転で回すことができる。また、停止から発進するのはレーススタートのとき、あるいはピットインをする耐久レースでも数えるほどしか発進しないため、レーシングドライバーがエンジンを高回転で回して上手にクラッチをつなげばそれですむ。
しかし、市販量産車の場合は頻繁に発進・停止を繰り返し、その都度アイドリング回転から少し上の回転数で滑らかに1トン以上の重さを動かさなければならないから、そのためにはロングストローク傾向となり、最高回転数はおのずと低くなるのである。
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