サーフィンライン閃く彫りの深い小型セダン
この記事の公開日は2023年7月18日。今から55年前の今日――すなわち1968年7月18日に発表された名車をご存じであろうか? 答は、C10型系の日産スカイラインだ。
赤/黒か赤/グレーか!? どちらかに絞り切れずに2色展開になったワケ。『トミカリミテッド ヴィンテージ スカイラインのすべて』メイキング秘話01
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C10型系はスカイラインとしては三代目のモデルである。元はプリンス自動車工業の小型セダンであったスカイラインだが、同社が日産に吸収合併されて後は日産の車種となり、独自の世界を持つスポーティなファミリーセダンとして人気を博していた。この吸収合併は、スカイラインが二代目・S50型系であった時点(1966年)で行われたもので、C10型への移行は、日産の車種となってから初めてのフルモデルチェンジということになる。1968年7月18日に発表されたのは、1500ccの4ドア・セダンとバン、ワゴン(エステートワゴンと称した)という布陣で、実際の発売は8月1日であった。
基本となる4気筒モデルは、先代のコンセプトを受け継いだファミリー向けの小型セダンと言うべきもので、そのフォルムはボクシーかつオーソドックスなもの。スタイリングは筋肉の盛り上がりをモチーフにしたとのことで、全体が滑らかな曲線と曲面で覆われている。何よりも特徴的なのは、リアフェンダーから前方に向けて走るプレスで、これを「サーフィンライン」と称した。後輪ホイールアーチに被さるこのラインは、先代の同部位の形状をさらに発展させたものとも受け取れるが、これが以降のスカイラインの大事なアイデンティティとなったのは、広く知られている通りである。
搭載エンジンは先代末期に採用された1.5L OHCのG15型で、最高出力は88psと変わりないが、細部に変更が施され耐久性を増すとともに、数ヶ月前に発売されていた初代ローレル用のG18との部品共用化が図られている。サスペンションは、フロントが先代のダブルウィッシュボーンからマクファーソンストラットに一新され、これも以降のスカイラインの基本として受け継がれていくこととなった。リアは従来同様にリーフリジッドである。
細かく性格づけされた3種類のデラックス
デビュー時点でのグレード構成は、廉価なスタンダードと豪華なデラックスの2本立てが基本であるが、フロントシートとシフトのタイプによってデラックスは3種類に分かれていた。すなわち、セパレートシート+4速フロアシフトのスポーティ・デラックス、セパレートシート+3速コラムシフトのツーリング・デラックス、ベンチシート+3速コラムシフトのファミリー・デラックスである。なお、スポーティ・デラックスのセパレートシートはリクライニング可能であるが、ツーリング・デラックスではこの機構はオプションとされていた。
さらに細かく述べると、ツーリング・デラックスとファミリー・デラックスにはBWのオートマチックも用意されていた。グレード名とその特徴を対応させると、それぞれの性格付けにはなるほどと頷けるものがある。また、スポーティ・デラックスとツーリング・デラックスでは、フロントブレーキがディスクとなっていた。
スタンダードは簡素な格子状のフロントグリルとフィニッシャー(ガーニッシュ)のないリア周りなどが特徴で、3速コラムシフトとベンチシートを具える。タクシー仕様にはガソリン車とLPG車が用意されていた。バンにはスタンダードとデラックスの2種類があり、前者はベンチシートだが後者はセパレートシートとなる。エステートワゴンもシートはセパレートであった。
価格について触れておくと、まずセダンのスタンダードで57.9万円、スポーティ・デラックスは69.4万円。リクライニングシートを装備したBW装着車のツーリング・デラックスは74.9万円。エステートワゴンは72万円、バン・デラックスは63.9万円。
最後に念のため述べておくが、先代S54A型(GT-A)の後継モデルである6気筒バージョンは、2000GTの名で同年9月18日に発表、10月9日に発売されている。
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色は紺色で8トラックのステレオを後付けで中古車として購入したのを覚えています。