■すべてが新しくなった新型NXとは
2021年6月にオンラインで世界初公開されたレクサス新型「NX」。2代目となった新型モデルを同年10月7日に日本で正式発表しました。
「RX」と並んでレクサスの販売台数をけん引するモデルであると同時に、レクサスのブランド変革「レクサスエレクトリファイド」を体現する最初のモデルでもあります。
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筆者(山本シンヤ)が、自身の目で実車を日の光の下で「見て・触れて」きたので、その印象も含めて含めて紹介したいと思います。
2代目は、一見キープコンセプトに見えるかもしれませんが、実はデザインもメカニズムも全てが刷新されています。
チーフエンジニアの加藤武明氏は初代のチーフエンジニアも担当していた人です。
「このクルマを任されたとき、NXの2代目ではなく新しいレクサスを創る気持ちで開発を進めました。
ただ、このサイズ/パッケージングのなかでベストを目指していくと、自然とNXになっていました。つまり、NXらしさとは機能に裏付けられているだと」
エクステリアはボディに溶け込んだスピンドルグリル、エッジではなく面で構成される造形など、次世代レクサスのデザインモチーフが随所に採用されています。
実際に新旧で見比べるとデザインは別物で、良くも悪くもガンダムチックだった初代に対して、2代目は滑らかで優しい印象です。
それでも「あっNXだ!」と感じるの要素はリアに力感を持たせたサイドのシルエットで、実はここのみ初代のモチーフが活かされているそうです。
インテリアはコンセプトカー「LF-Z」で考案された「TAZUNAコクピット」が具体化されています。
視線を自然に誘うメーターフードやドライバー側に寄せてコクピット感を強調させた14インチ大画面タッチスクリーン(普及版は9.8インチ)など機能を形にしたデザインに仕上がっています。
実際に使ってみましたが、デザイン的には刷新されていますが、操作方法や階層などは従来モデルとほぼ変わらないうえに、煩雑だった設定項目が整えてられたことで、使い勝手はよりアップしています。
筆者が「さすが!」と思ったのは、タッチパネルと物理スイッチのバランスで、よく使う機能(エアコンの温度設定/オーディオのON/OFFや音量)は直感的に使えるのはありがたいです。
さらにメーターも新デザインを採用。とくにFスポーツのドライブモード「スポーツ+」ではタコメーターがバー表示になるなど、より走りを意識した表示になっています。
シートも見た目以上に手が入っており、深釣り構造の採用により、かけ心地や体のブレの少なさを実現しているそうです。
リアシートは先代より足元、頭上共にアップしています。もちろん、NX伝統となるシートバックの電動格納/電動引き起こしはシッカリと継承されていますが、ラゲッジルーム内のスイッチに加えて、センターモニター内のスイッチでも操作が可能になっています。
当然、質感も大きくレベルアップされていますが、それが故に気になってしまう所もあります。
例えば、刷新されたインテリアのなかで古いデザインのシートメモリースイッチが浮いてしまうこと、上部のソフトパッドと下部の樹脂とのバランス、更にパワーウィンドウスイッチ周りの素っ気なさなど、今まで気が付かないような細かい所がより目立つように。この辺りはイタチごっこですが、カイゼンを期待したいと思っています。
さらにドア開閉操作がレバーからスイッチによる電子制御式(eラッチシステム)に変更されたのも新型NXの特徴のひとつです。
ふすまのように1モーションでドア開閉を行なうための採用ですが、実際に使ってみると最初はちょっと悩みますが、外から開ける時は「引く」、なから開けるときは「押す」だけでいいので慣れると超便利です。
もちろん、何かあったときのバックアップとしてレバーも用意されていますが、完全な別系統ではなく同じ場所にあるので安心です。
メカニズムはパワートレイン/プラットフォーム共に一新されています。プラットフォームは基本構造こそ「GA-K」ですが、環状構造、高剛性発泡剤の最適配置、レーザースクリューウェルディング、構造用接着剤、レーザーピーニング溶接技術、ツインロック構造のエンジンフードなどレクサス専用スペックとなっています。
サスペンション(フロント・ストラット/リア・トレーリングアーム式ダブルウィッシュボーン)も新開発で、Fスポーツにはリニアソレノイド式AVSを採用。
加えて、「IS」から展開がスタートしたハブボルト結合やレクサス初となるバリアブルラックギアの採用、20インチにはEMTタイヤ(ランフラットタイヤのようにパンクの際も一定距離走る性能を確保した構造を備える)の装着など、さまざまな挑戦がおこなわれています。
さらにその走りはニュルブルクリンクを模した下山テストコースでプロドライバーと共に鍛え上げたといいます。
といっても、なかには「GA-Kだから『RAV4』用を流用してちょっと手を入れただけ」と揶揄する人もいるでしょう。加藤チーフエンジニアはこのように語っています。
「RAV4より後に出るのでそういわれてしまいがちですが、GA-Kを立ち上げる企画段階から、RAV4がやりたいこと、レクサスがやりたいことをシッカリ議論して開発をおこなっています。
『足りないから後から対応する』ではなく、ベースの段階からレクサスの走りを実現させるために必要なアイテムを追加することを想定したモノづくりをおこなっています。
とはいっても、下山テストコースで鍛えていくと当然『足りないよね』という部分もあったので、その辺りは新たな追加や変更などをおこなうことで体幹を鍛えました」
■スバルの技術が盛り込まれた新型NXのAWDとは
パワートレインは最近のモデルにしては珍しく多彩です。ガソリン車は2.5リッター自然吸気と新開発となる2.4リッターターボの2タイプを用意。
「2.5リッター自然吸気は廉価版と思われがちですが、駆動力は先代2リッターターボ以上の加速力を備えています。
2.4リッターターボは走りを楽しむ人向けに3.5リッターV型6気筒をダウンサイズさせたユニットで、絶対的な力強さはもちろんですが、熱効率の高いターボやセンターインジェクション採用などによりエミッションも高いレベルを実現する新時代のターボです」(加藤チーフエンジニア)
ハイブリッド車は、2.5リッター+高出力モーター仕様、そしてレクサス初となるPHEVのハード自体は「RAV4 PHV」と一緒ですが、システム出力227kWでNX専用制御となっています。
「レクサスはカーボンニュートラル実現に向けて電動化リッチな戦略を取ることを発表していますが、その答えのひとつです。
UXではレクサス初のBEVを投入しましたが、新型NXはレクサス初のPHEVの設定となります。
これもRAV4 PHVの二番煎じと思われがちですが、企画当初からNXへの展開を前提としたものです。
最大の違いは駆動力コントロールでよりリアモーターを積極的に使う設定です。
HEVもモーターサイズアップ(RXサイズを動かすパフォーマンスを備える)&バッテリーのリチウムイオン化により 駆動力をアップさせています」(加藤チーフエンジニア)
駆動方式は、2.5リッターハイブリッドがFF/AWD、2.4リッターターボ/PHEVがAWDのみの設定となります。
注目は、2.4リッターターボに組み合される「電子制御トルクスプリット式AWD」で、ハードは「GRヤリス」から水平展開、さらにその制御はスバルとの協業から生まれたものだそうです。
「レクサスの目指す走りの実現にはレスポンスのいいAWDが不可欠でした。
そこでGRヤリス用の電制制御多板クラッチを使うことを決断したのですが、GA-Kにはそのまま搭載できず、プラットフォームにも大きく手を入れています。
前後駆動力配分は50:50から75:25まで可変します。制御開発はスバルが直接開発に関わっているわけではありませんが、スバルと協業しているメンバーと車両開発を一緒におこなっています。
楽しいクルマづくりの哲学を共有するスバルと、『クルマをどう動かすのがいいのか?』、『どう評価する?』、『そのための要素技術は?』など、さまざまな取り組みのなかで得た技術や知見をハード/ソフト共に入れ込んでいます。
最終的にはレクサスの味になっていますが、スバルはある意味『AWDの先生』でもあるので、色々学ばせてもらいました」(加藤チーフエンジニア)
※ ※ ※
先進安全技術も最新版で、「LS」に採用されたアドバンスドドライブの普及版となる最新のレクサス・セーフティ・システム+を採用。
高度運転支援技術のひとつである「アドバンスド・パーク」はスマホでリモート駐車できる機能やスマホが鍵になるデジタルキーの採用など利便性も高められています。
グレード構成は初代と同じくノーマル/Fスポーツのふたつですが、Fスポーツは見た目の差別化のみならず走りの部分に関しても今まで以上に明確な差別化がおこなわれています。
その証拠に、売れ筋のハイブリッドは両グレードが設定されるも、2.4リッターターボはFスポーツのみ、逆に2.5リッター自然吸気はノーマルのみの展開となっていることからも明らかです。
このようにハード/ソフトのすべてにおいて強力な武器で構成された新型NX。
加藤チーフエンジニアは「すべてにおいてフルスイングで仕込みました」と語っています。
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