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ポルシェ964型「911」が2億円オーバー!!「シンガー」が手掛けたレストモッドは「911カレラRS 2.7」のオマージュでした

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ポルシェ964型「911」が2億円オーバー!!「シンガー」が手掛けたレストモッドは「911カレラRS 2.7」のオマージュでした

ポルシェ911(964型)をベースにしたレストモッドモデル

2024年3月1日~2日、RMサザビーズがアメリカ・マイアミで開催したオークションにおいてポルシェ「911リイマジンド by シンガークラシックスタディ」が出品されました。エクステリアは、ポルシェ「911カレラRS 2.7」への巧みなオマージュと考えられる雰囲気にまとめられています。

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生産台数は450台のみ

2009年にカリフォルニアのトーランスに設立されたシンガー・ヴィークル・デザイン社の名前は、すでにカーガイの間では、とりわけポルシェ911を好むマニアの間ではとても有名な存在になった。設立者のロブ・ディッキンソンは、イギリスのロックバンド、キャサリン・ホイールの元ヴォーカルでありギタリストであった、この世界においては異例な経歴を持つ人物。シンガーという社名は、1960年代から1980年代までポルシェの耐久レースにおける黄金時代を築いた、ドイツ人エンジニアのノルベルト・ジンガー(Norbert Singer)へのオマージュと、デッキンソンのヴォーカリストとしてのキャリアを称えて名づけられたものである。

そのシンガーの存在を一躍有名にしたのは、彼ら自身が現在はクラシックスタディと呼ぶ、ポルシェ964型「911」のクーペ、およびタルガをベースに徹底的なレストアと同時に現代の技術による大幅な改良を加えた「リイマジンド911」だった。

ボディワークの多くはカーボンファイバー製のパネルに変更され、リアの水平対向6気筒エンジンは、コスワースやエド・ピンク・レーシング・エンジンズ、あるいはウイリアムズなどのエンジンメーカーによって大幅なパワーアップを受けた。シンガー車の外観上の大きな特徴といえるのは、フロントボンネット上に移設されたフューエル・フィラーキャップ。これは「911R」など歴史的なポルシェのレーシングカーの姿を想像させる、じつに趣味性の強い演出だった。

シンガーがこれまで製作したクラシックスタディは、つい最近、2024年の2月16日に300台という数字に達したが、それらはすべてオーナーのリクエストによってパーソナライズされたモデルにほかならない。その中でデッキンソンは、964世代からスタートしてポルシェを代表するモデルの「ベストヒット」アルバムに相当するものを作成するプロジェクトを同時に進めていた。

1963年型、すなわち最初の911が持つオリジナルの繊細さ、1970年代のレースで培われたシックな雰囲気、1980年代の堅実さ、そして1990年代の洗練さ。それらのモデルを丹念に再構築していくという新たな目標が生まれたのだ。だがクラシックスタディの生産枠は無限大にあるわけではない。その生産台数は450台と決められており、残りは150台。それもすべてオーナーが決定している。

911カレラRS 2.7をオマージュしたカラーリングにも注目

ここで紹介するのは、先日開催されたマイアミ・オークションに出品されたクラシック・スタディの1台、「サン・ファン・コミッション」とネーミングされたモデルだ。グランプリ・ホワイトのボディカラーと、シンガー・レーシング・グリーンのホイールの組み合わせは、ポルシェの伝説的な「911カレラRS 2.7」への巧みなオマージュと考えられる。シンガーによるオリジナルのカーボン製モノコックタブはきわめて高い剛性を実現し、さらにサスペンションのセッティングも依頼者のリクエストによって十分に強化されている。

搭載されるエンジンは4Lの水平対向6気筒で、これは同じカリフォルニア州のヴァンナイズにあるエド・ピンク・レーシング・エンジンズによるもの。964時代のブロックをそのまま使用し、特注のピストン、シリンダー、シリンダーヘッド、クランクシャフト、カムシャフト、コンロッド、オイルポンプ、スロットルボディ、吸気システム等々を採用し、390psの最高出力と427Nmの最大トルクを得ている。組み合わせられるトランスミッションは6速MT、駆動方式はRWDだ。このパワーユニットによって、停止から時速60マイル(96km/h)までの加速を3.3秒以下でこなす加速力が得られた。リアのマルホランド・ウイングや、軽量なチタン製エグゾーストシステムも、この性能のためにある。

インテリアのフィニッシュにも、シンガー・グリーンが効果的に用いられる、このサン・ファン・コミッション。サン・ファンとは、プエルトリコの首都の名前だが、その美しい街と同様に、このクラシック・スタディもまた、時間を超えた新たな美しさと性能を得ているのは写真を見ていただければ十分に理解していただける。

RMサザビーズが今回提示した予想落札価格は130万~150万ドル(邦貨換算約1億9370万円~2億2350万円)。オークションでは残念ながら落札者は現れなかったが、このモデルは現在でも135万ドル(邦貨換算約2億115万円)での応談でセールスが継続中だ。

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