“機能美”から”THE改造車”まで 究極のボディワークスは世界のシーンへ
2007年のデビューからその進化は止むことなく、年を追うごとに磨き続けられる、日産GT-R。 その人気ぶりは日本だけでなく、世界でも大熱狂を起こすほどの名車だ。第2世代のゴジラ(R32型スカイラインGT-Rゴジラ)も人気を得るが、現行型をベースとした”改造”が過熱している。 オリジナルを大切にする第2世代とは異なり、R35GT-Rで注目を集めるカスタムは、日本メーカーのボディキットを纏った”WIDE BODY”GT-Rだ。
一流の遊び心から生まれた『リバティウォーク』GT-Rの世界観
全幅1,895mm。ただでさえマッチョなノーマルボディを、さらにワイド化して圧倒的な存在感を手に入れる。世界では大胆な改造に対しての”ウケ”は良さそうだが、ワイドボディを手に入れるためにフェンダーを大胆にカットせざるを得ないケースも。 「フェンダーにメスを入れる」のは、日本人にとってはリスキーと考えてしまうかもしれない。なかには勿体無いと考える人もいるだろう。実際に某ボディキットメーカーによれば、日本よりもUSやアジアといた海外からのオーダーが多いようだ。
いったい、世界を魅了するR35GT-Rのワイドボディキットとは、どんなものなんだろうか。 日本のメーカーが作る繊細なデザインには、リアルな迫力を得るためのものから、サーキットのタイムアタックを意識したものまで、その目的は実にさまざまだ。
【Liberty Walk】
言わずと知れたワイドボディキットで名を馳せる「リバティウォーク」。何千万円もするランボルギーニやNSXなどのボディをカットし、大胆不敵なワークスフェンダーをリベット留め。そんな常識に縛られない衝撃のワークススタイルからはじまった歩みは、GT-Rにも継承された。 その魅力は、フロント50mm/リア70mmという圧巻のワイドフェンダーのみに留まらない。大きく口を開けたフロントバンパーは抑揚に富み、リップ部はするどくエッジの効いたフラップ形状を採用。コネクションロッドまでプラスされた装いは、見るからにスピード感に長け、GTマシンにすら劣ることはない。
そもそもこのGT-Rが生まれたのは、GT-Rこそ日本が誇るスーパースポーツであるから。 そんなGT-Rを素材に、昔のワークスマシンを意識したオーバーフェンダーを与えれば、大きなムーヴメントが生まれると彼らが信じたからだ。 その展望が正しかったかどうかは、明らか。リバティウォークはGT-Rに秘められていた潜在能力を開花させ、世界のファンを存分に魅了しているのだから。
【PANDEM & ROCKET BUNNY】
北米の”SEMAショー”で披露したトヨタ86によって、世界的ブランドとなった『ロケットバニー(通称ロケバニ)』は、まさにオバフェンブームの火つけ役。 そんなロケバニをプロデュースする「TRA京都」が放つ新ブランドが『パンデム』だ。ロケバニといえば、ビス留めのワークスフェンダーを復活させたブランドとして知られるが、『パンデム』も同様のスタイルを採用。前者が大きなアールを描くフェンダー形状に対し、『パンデム』はボックスフェンダーで差別化した、アフターワークス的なスタイリングが特徴だ。
結果としてロケバニに引けを取らないインパクトと、フェンダー形状に起因する近代的なルックスを兼ね備えた、まったく新しいGT-Rが誕生。フェンダーの拡張は片側フロント50mm、リア90mmにおよび、ワイドトレッドタイヤを余裕で呑み込んでしまう。肉抜きしたレインフォースメントをモチーフにしたバンパー然り、レーシングマシンを連想させるアレンジも含め、独自の世界観を感じさせる造形でまとめられている。
カスタムなんて個人の自由であり、所詮は自己満足の世界。
日本が誇るスポーツカーと、日本人が生み出した極みのボディワーク。 世界のフリークを虜にする”究極のJAPAN SPEC”が、今後もさらに飛躍することに期待したい。
(SPECIAL THANKS:Ultimate GT-R編集部) https://www.kotsu-times.jp/mooks/ultimate-gtr
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