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インプ B22 STiを現代技術で復刻 プロドライブP25へ試乗 2.5Lフラット4で405ps以上 後編

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インプ B22 STiを現代技術で復刻 プロドライブP25へ試乗 2.5Lフラット4で405ps以上 後編

3500-6000rpmが最高にエキサイティング

プロドライブP25を目の当たりにすると、カリスマ的な雰囲気に惹き込まれてしまう。ベースは控えめな容姿の2ドアモデルだが、22B STiと同様に、全幅は80mmも広げられている。トランクリッドには、巨大なリアウイングがそびえている。

【画像】インプ B22を現代技術で復刻 プロドライブP25 蘇るラリーレジェンドはほかにも 全121枚

ピーター・スティーブンス氏がデザインし直したフロントノーズは、大口を開いている。サイズ感が鈍る、存在感がある。

車高はオリジナルのスバル・インプレッサ WRXから40mm落とされている。専用コイルスプリングにアンチロールバー、2ウェイの調整式ビルシュタイン社製ダンパーが支えている。

ドアを開き、いかにも軽そうなドライバーズシートへ腰を下ろす。スターターボタンを押すと、即座にエンジン・ノイズが車内を満たす。回転は滑らかだが、4000rpmを超えた領域へ迫ると、フルボリュームで咆哮を放つ。

フライホイールが存在しないかのように、吹け上がりは鋭い。3500rpmから6000rpmの間が、最高にエキサイティングだ。

シフトレバーがないセンターコンソールには、ブーストとアンチラグ・システムのボタンがある。リチャーズの言葉を借りるなら、ターボチャージャーをガスタービンに切り替える機能だ。耐熱性の高いインコネル部品を、排気系に用いた理由になっている。

体験の中心にある6速シーケンシャル

P25を発進させると、体験の中心にあるのは6速シーケンシャル・ドグミッション。ローンチコントロールを利用すると、あっけにとられるほど簡単に130km/h付近までロケットダッシュを披露する。

ユニットから放たれるメカノイズが、ラリーマシン感を高める。ラリードライバーのリチャード・バーンズ氏も、25年前に聞いていた音なのかもしれない。

インテリアは、レザーとアルカンターラを贅沢に用い、丁寧に仕立てられている。メーターパネルにはクリアなモニターが埋め込まれ、シンプルなグラフィックで情報が描かれる。音質の良いオーディオも搭載されている。

穏やかに発進する場合は、APレーシング社製ツインプレート・クラッチを操る。適度な重さで、ペダルは踏みやすい。パドルを引いて1速を選ぶ。デジタル・タコメーターの中央付近に、シフトポジションが表示される。

走行時は、明確な意志を持って操作する必要がある。ためらうようにペダルを扱うと、激しく反発してくるように、ドライブトレインから衝撃が生じる。

リチャーズの運転は、とても勉強になる。アクセルオンでもオフでも、一切のムダがない。滑らかにP25を走らせる秘訣といえる。

低速トルクの太さには意表を突かれる。2000rpmから、ターボラグもなしに強力に生み出される。だが、ドグミッションを滑らかに動かすには、高回転域まで引っ張る方がベター。そのプロセスには中毒性がある。慣れればシフトダウンも爽快だ。

吸い込まれるように旋回する鋭さ

シャシーの能力も秀抜。公道では必要以上のグリップ力を発揮し、ステアリングホイールは手のひらのなかでタイトに安定している。

きついカーブでは僅かにボディロールを示すが、P25は吸い込まれるように旋回。ドライバーの要求でテールを振り回すことも自在ながら、回頭性の鋭さに舌を巻く。

もっと鋭敏に走りたいなら、速度域を高め、ステアリングホイールを更に積極的に回すだけ。切ったぶんだけ、正確な反応が瞬間的に生じる。

サスペンションのセッティングに関しては、プロドライブの技術者で意見がわかれているとか。本物のラリーマシンへ乗り慣れていない人に合わせて、パワートレインの振動を抑え、穏やかなスロットル特性を与えても良いのでは、と考える人もいるという。

試乗車はプロトタイプで、極めてシリアスな印象だった。ある程度のミスを許容する、一般的な量産車しか運転したことのない人にとって、挑戦的な体験であることは間違いない。限定生産で高価なクルマだから、希望に応じて特性を調整してくれるはずだが。

モータースポーツ黄金期の重要なマシン

もし筆者が購入できる立場にあったら、マクラーレンのような高性能モデル以上に、頻繁に乗って堪能するだろう。より小柄で、より鋭敏。価格は間違いなく高いが、駐車場を選ぶ必要性も低い。全幅は狭く、裏道でのすれ違いで肝を冷やすこともない。

着座位置は充分に低い。設計の古いクルマらしく、ピラーが細く前方視界は良好。4000rpm以上のエンジンの雄叫びは、難聴になるかもしれないが、病みつきになる。ドグミッションを操ることも、1つの経験として楽しめる。

「何より、このクルマは効果的に作られているんです。確かに気持ちいいですし、衝撃的でもあります。でも、すごく効果的なんですよ」。開発技術者を率いる、ディレクターのデビッド・ラップワース氏が笑顔で教えてくれた。

オリジナルは、スーパーカー級の性能を小さな2ドアモデルでも実現できることを証明した、記念すべきクルマだ。明確な目的を掲げて、モータースポーツ黄金期に誕生した重要なマシンが、プロドライブによって見事に復刻された。

プロドライブP25(英国仕様)のスペック

英国価格:55万2000ポンド(約9660万円)
全長:4365mm(インプレッサ 22B STi)
全幅:1770mm(インプレッサ 22B STi)
全高:1390mm(インプレッサ 22B STi)
最高速度:241km/h
0-100km/h加速:3.5秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1200kg(予想)
パワートレイン:水平対向4気筒2457ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:405ps以上
最大トルク:60.9kg-m以上
ギアボックス:6速シーケンシャル

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