スタンス系の外観からは想像もつかない超本気メイキング
美しさと速さを兼ね備えたグリップ仕様のRPS13
「全盛期の湾岸を戦い抜いたZ32」最高速は200マイルオーバー! 新車から育て上げた600馬力のフルチューンスペック
ロケットバニーのボディキットに、ド派手なピンクのカラーリングで存在感を放つ180SX。そのルックスはショーカー、もしくはドリ車というイメージを抱いてしまうが、実際は富士スピードウェイの7時間耐久レース用に製作されたグリップ仕様なのである。
ちなみに、製作時に想定されたライバルは参戦数の多いポルシェだという。
エンジンはS14に搭載される可変バルタイ(NVCS)付きのSR20DETをベースに、F1タービンとして知られるIHIのRX6タービンなどでポテンシャルを高めた400ps仕様。
ストレートが長くスピードレンジの高い富士スピードウェイでは、エンジン出力がタイムに直結する要素だ。もちろん、耐久レースということで、十分なマージンを持ってセッティングされている。インタークーラーは中置きレイアウトでレスポンスを重視。
足回りは、KWのレーシングコンペティション車高調を軸にセットアップ。幅広いセッティング幅を持つレース用の別タンク式キットだ。
なお、フロントはアームおよびナックル、リヤはメンバーごとS14のものを流用。剛性アップやジオメトリーの改善、トレッドの拡大などそのメリットは大きい。富士スピードウェイに的を絞り、キャスター角を大きく取るアライメントにしているとのこと。
ボディは全てのパーツを取り外したフルストリップ状態から製作。室内は溶接留めのロールケージでボディ補強を行なった上で、ボディ同色にペイント。惚れ惚れするほど美しい仕上がりを誇る。
応力が集中するフロントのストラットタワー周りも、スポット増しや補強バーの追加で剛性アップを図っている。
室内はダッシュボード以外の内装パーツを撤去し、アンダーコートも剥がされたスパルタン仕様だ。タコメーター脇にセットされた周回ラップ確認用のP-LAPは、サーキットアタック仕様の証。ミッションは強度に優れるニスモの6速クロスを導入している。
リヤバンパーレスはロケットバニーの様式美。スタイルを重視し、あえてGTウイングは装着せずダックテール仕様としている。その分、フロントのアンダーボードとリヤのデュフューザーでダウンフォースを多く稼ぎ出せるようセッティング。
リヤのキーシリンダーにはバックカメラが装着され、走行中はモニターでリヤを確認している。
ひと目見ただけでは、流行りのスタイリングを纏ったショーカー。だが、実際にはサーキット仕様として組み上げられた純然たるモータースポーツ仕様というこの180SX。あまりの美しさに走るのを躊躇してしまいそうだが、オーナーは今後も耐久レース仕様としてこのマシンを煮詰めていくというから楽しみだ。
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