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恒例の1000kmチャレンジで明らかになった充電性能! 長距離走行が多いひとにはメルセデス・ベンツEQEはアリなEVだった

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恒例の1000kmチャレンジで明らかになった充電性能! 長距離走行が多いひとにはメルセデス・ベンツEQEはアリなEVだった

メルセデスのビジネスサルーン「EQE」の性能をチェック

メルセデスのビジネスサルーンであるEQE 350+で恒例の1000kmチャレンジを行いました。メルセデスの最新EVがどれほどの性能を実現することができたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。

満充電なら500kmは固そう!メルセデス・ベンツEQE 350+ THE EV TIMES流・電費ガチ計測

まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。

*走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ 加古川北IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県)

*走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ ・追い越しなど含めて、制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEQE 350+・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離よりも1.18%短く表示されているため、オドメーター上で988kmの段階でゴール)

1)海老名SA下り→湾岸長島PA(150kW級急速充電器)

・走行距離:299.6km ・消費電力量:100%→47% ・平均電費:6.3km/kWh(159Wh/km) ・外気温:32.5℃~29℃ ・充電セッション:47%→78%(19分)

まず注目していただきたいのが、EQEの充電残量の予測です。海老名SA出発時では、湾岸長島PA到着時にSOC63%と予測されていたものの、実際の湾岸長島PA到着時にはSOC47%。

というのも、

・制限速度を最大でも10%ほどプラス走行を許容 ・120km/h制限の区間が大部分を占めているという点

この2点を含めると、充電残量予測との乖離が発生してしまうわけです。他方で、新東名を使用すれば、120km/h制限区間はもともと決まっていることから、もう少し残量予測の正確性は改良して欲しいところです。

とはいえ、制限車速120km/hをフルで走って、300km走行してもなお、SOCが50%弱残っているということは、まず関西へは無充電で走破可能となります。さすがはドイツ車、高速域での電費性能が優れている様子が見て取れます。

2)湾岸長島PA下り→加古川北IC(折り返し)→湾岸長島PA上り(150kW級急速充電器)

・走行距離:411km ・消費電力量:78%→5% ・平均電費:6.2km/kWh(161Wh/km) ・外気温:29℃~27℃ ・充電セッション:5%→23%(14分)

すでに折り返し地点を超えました。1000kmチャレンジの最長区間での平均電費は161Wh/kmと、2360kgの中大型セダンと考えると、想定よりもはるかに電費がいいと感じます。411kmを充電残量73%で走り切ってしまうEQE、やはりアウトバーン育ちは伊達じゃないです。

他方で、充電セッションで問題が発生しました。充電開始4分程度で充電が突如停止。その後、充電を再開させると、なぜか充電出力が85kW程度と、もともと出ていた115kW程度という出力から低下。よって次の150kW級急速充電器がある浜松SAに到着するギリギリで充電を打ち切り、浜松でフル充電を試みることにしました。

3)湾岸長島PA→浜松SA(150kW級急速充電器)

・走行距離:109km ・消費電力量:23%→3% ・平均電費:6.1km/kWh(164Wh/km) ・外気温:27.5℃~28.5℃ ・充電セッション:3%→31%(16分)

最後の充電スポット予定は浜松SA上りです。150kW級急速充電器を使用して海老名SAまでの充電を入れ切るつもりでした。ところが、途中でEQCが隣で充電をスタート。このABB製の150kW級急速充電器は二台同時充電が可能なものの、二台同時充電の場合、最大電流値が200Aに制限されます。つまり、EQEの場合、最大でも70kW程度しか発揮できなくなります。よって、充電セッションを切り上げて、最後の150kW級急速充電器が存在する駿河湾沼津SAまで向かうことにしました。

チャデモ規格を採用するEVとしては最速クラス

4)浜松SA→駿河湾沼津SA(150kW級急速充電器)

・走行距離:113km ・消費電力量:31%→7% ・平均電費:5.1km/kWh(196Wh/km) ・外気温:28.5℃~29℃ ・充電セッション:7%→17%(10分)

本当の最後の充電スポットに到着です。120km/h制限区間のみのため、流石に電費は悪化しています。しかしながら大問題が発生。充電出力が80kW程度しか発揮できず、期待どおりの115kW程度は発揮できませんでした。理由はまったくの謎ですが、結果的に浜松SAで入れ切ってしまったほうがよかったことになり、これによってタイムロスが発生。

5)駿河湾沼津SA→海老名SA(ゴール)

・走行距離:75km ・消費電力量:17%→4% ・平均電費:6.4km/kWh(156Wh/km) ・外気温:29℃~34.5℃

海老名SA直前で走行距離1000kmを達成しました。海老名SAには充電残量4%で到着。この海老名SA到着時点での充電残量が少なければ少ないほど、最後の充電時間を短縮することができるわけですので、綿密な充電残量コントロールが求められるわけです。

その意味においてはまずまずの充電残量コントロールを達成できたといえそうです。

トータルの所要時間は10時間3分と、私がこれまで行ってきた1000kmチャレンジの検証のなかではテスラ以外で最速クラスのタイムを叩き出すことに成功しました。また、最後のタイムロスがなければ、おそらく史上初、CHAdeMO規格採用のEVで10時間切りを実現していたはずです。

確かに充電セッションにおけるいくつかの謎は残ってしまったものの、やはり今回の1000kmチャレンジを通して明らかになったのが、何といっても電費性能の高さです。電費性能が優れていることによって、その分だけ充電時間を短縮することにもつながり、結果的に1000kmチャレンジのタイム短縮につながるためです。高速道路を頻繁に使用するような方にとっては、EQEは極めて相性のよいEVといえるのかもしれません。

いずれにしても、メルセデスのEVセダンであるEQEは、チャデモ規格を採用するEVとしては最速クラスのタイムを実現しており、150kW級急速充電器の恩恵を受けることができるという意味で、最新EVとしても十分の性能を発揮していると感じます。とくに東京~大阪間を充電なしで走破可能というポテンシャルは、EVとしての実用性に懸念を持つユーザーの多くを納得させるのではないかと思います。内燃機関モデルのEクラスからの乗り換えという意味でも、選択肢の一つに浮上した方も多いのではないでしょうか。

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