Zは小さい頃から憧れの存在。乗っておきたいクルマの代表だった
スーパーカーブーム世代の筆者にとってフェアレディZは唯一、小さい頃から憧れることのできた国産車だった。免許を取る前から中古のS130Zを探していたほどだ。その時は買えなかったけれど、1990年代になってクルマメディアの業界に入ってからは、Z32の美しいスタイルに惹かれ、Z33の大復活劇に感動し、アフォーダブルなスポーツGTカーへの回帰を目指したZ34に舌を巻いた。なかでもZ34ニスモの完成度の高さといったら最高だった。RZ34ニスモにも大いに期待したい。
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フリーランスになってから、ようやくZオーナーになるという夢を叶えることができた。最初はS30の240ZGで、とある中古車店で朽ち果てていた個体を購入し、フルレストアした。まだまだ乗れたノーマルZを一台潰して240ZGを復活させたのだ。けれどもあまりにレストアにこだわってしまい、まるで新車のように。何から何までピカピカ。乗るどころか登録さえ惜しくなってしまった。しばらくショールームに飾らせてもらっていたが、そのまま博物館へと旅立っていった。
ところが、どうしても240ZGには乗っておきたかった。売ったお金の一部を使って、ナンバー付きの個体を改めて買い直したものだ。20年くらいまえの話だけれど、まだまだ旧車も安かった。
Z32も2シーターNAと2by2ターボを一台ずつ所有(ともに中古)した。とくに後者は見た目はフルノーマルながら中身は湾岸族級のチューニングカーで危ないくらいに速かった。S30とZ32は、歴代Zのなかで最もカッコいいモデルだと思う。
とはいえ、免許を取った頃に憧れたS130やZ31も未だに見かけると欲しくなってしまう。ノスタルジーというやつは、だから始末に負えない。
【プロフィール】
西川淳(にしかわじゅん)/奈良県生まれ。クルマを歴史、文化面から技術面まで俯瞰して眺めることを理想とする自動車ライター。大学では精密機械工学部を専攻。輸入車やクラシックカーなど趣味の領域が得意ジャンル。AJAJ会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
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