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ファイナルシーズンの現行ゴルフに登場した「 GTI TCR」は走って楽しい最速ロードバージョン

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ファイナルシーズンの現行ゴルフに登場した「 GTI TCR」は走って楽しい最速ロードバージョン

いままさに、ファイナルシーズンを迎えようとしている現行型ゴルフ。スポーツ性能をより鮮明に引き上げたモデル「ゴルフGTI TCR」は実に好印象であった。(Motor Magazine 2019年4月号より)

パワーソースはGTIより受け継いだ2L直4ターボ
フォルクスワーゲンゴルフの中で、GTIは特別な存在である。1976年に登場した初代ゴルフGTIはわずか110ps、最高速度も182km/hであったが、フロントグリルの赤いラインやリアウインドウまわりのブラックテーピング、チェックのスポーツシートなどは当時のヤングドライバーにとって憧れのアイコンであった。

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実はこのGTIは当初5000台、一代限りの生産予定であったが人気は高まるばかりで、最終的にはシリーズ化されて現在までに7世代、年間で230万台もの台数に達している。

そして8世代目のゴルフが間もなく登場するというタイミングでスペシャルモデル“ゴルフGTI TCR”がデビューした。この現行型GTIの最終バージョンともいえるモデルは、ここ数年来フォルクスワーゲンが参戦しているFIAワールドツーリングカーカップレースにちなんだものである。

GTI TCRのエクステリアは、基本的にはゴルフGTIである。フロントスポイラーがシャープになり、よりスポーティで存在感のあるデザインのリアディフューザー、さらにワイドになったサイドシル、スモークブラックのリアライト、専用デザインのインチアルミホイールとTCRスポイラーなどの他に、フロントドアを開けると路面にTCRのロゴが照射される機構を備える︒

一方、コクピットは標準モデルと同じアクティブインフォディスプレイだが、スポーツシート表皮には新しいマイクロファイバー素材が採用されている。ハンドルは通気性とグリップを高めるために細かな孔の開いたレザー製で、センター位置に赤いマークが入る。シートやシフトノブ、アームレストなどインテリアの各部は、GTIの伝統に従って赤いステッチで仕上げられている。

パワートレーンはGTIから受け継いだ2L直4ターボを搭載。最高出力は290ps、最大トルクは380Nmで、そこに7速DCT(DSG)が組み合わされる。

過激さを狙わないのは信条。鍛えられ熟成された走り
まずは一般道へ乗り出したが、そのパワーは数字以上に印象的であった。アクセルペダルのわずかな踏み込みでも、文字どおり胸のすくような加速を開始する。

0→100km/h加速は5.6秒で、310ps仕様だったクラブスポーツより0.2秒も速い。ソフトウエアがアップデートされた最新の7速DCTで各ギアのシフトタイムが向上された結果である。最高速度は250km/hでリミッターが作動するが、3200ユーロ(約45万円)で用意される19インチホイールと後輪用スポーツダンパーのオプションを装着すると、新たなリミッターで260km/hにまで引き上げられる。

このTCRにはエコ、ノーマル、スポーツそしてインディビジュアルと4つのドライビングモードが用意されるが、一般道ではエコあるいはノーマルで快適なツーリンを楽しむことができた。

今回の試乗会ではアルガルヴェサーキットでのスポーツ走行も含まれていた。およそ4.7km、18のコーナーからなるコースに持ち込んでみると、パワフルなFFモデルだけにタイトコーナーでのトラクション性能が懸念されたが、実際には電子制御油圧式フロントデファレンシャルロック機構が効果的に働き、コーナーからの立ち上がりもスムーズで、オンザレール感覚でクリアできた。

またドリルドディスクを採用するブレーキシステムの耐フェード性も高く、5周の走行中にフルブレーキングを連続しても、制動能力の変化はまったくなかった。

最初は、もっと過激なオンロードレーサーかと思ったが、実際は熟成されたゴルフGTIというのがTCRの印象である。実用性を失わないのがゴルフGTIの哲学であり、それが広い支持を受け、長寿の秘訣なのかもしれない。(文:アレキサンダー・オーステルン)

■ゴルフGTI TCR主要諸元
●全長×全幅×全高=4268×1790×1477mm
●車両重量=1485g
●エンジン= 直4DOHCターボ
●排気量=1984cc
●最高出力=290ps/5400-6400rpm
●最大トルク=380Nm/1950-5300rpm
●駆動方式=FF
●トランスミッション=7速DCT(DSG)

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