この記事をまとめると
■インドネシアのジャカルタで開催された「インドネシア国際オートショー2023」
かつてのホンダは凄かった! 踏めば脳天まで痺れる「エンジンのホンダ」を感じさせる名車5選
■ホンダは11代目となる新型アコードを発表していた
■ホンダ・アコードの歴代モデルを筆者の思い出とともに語る
ハッチバックから始まったアコードの歴史
8月10日から20日の会期で、インドネシアの首都ジャカルタ近郊で開催されていた、GIIAS2023(ガイキンド・インドネシア国際オートショー2023)へ取材に向かうと、ホンダが11代目となるホンダ・アコードを発表していた。
北米仕様のスペックでみると、全長約4970×全幅約1861×全高約1450mm、ホイールベース約2829mmとなり、かなりボディサイズは大きい。それでもアメリカ国内で乗る分にはそんなに持て余さないのだが、すでに10代目でも日本国内では持て余し気味だったので、11代目は日本市場には導入されないだろうと思っていると、なんと年明けには発売になるのではないかとの情報もある。
初代アコードデビューは1976年にまで遡る。初代はデビュー当初3ドアハッチバックのみであった。シビックハッチバックの兄貴格のような存在であり、北米市場を意識した北米地域においてはボディサイズが小さすぎるシビックより実用的なサイズのパーソナルカーをめざしたように見える。とはいっても全長は4メートルを少し出る程度、全幅は1620mmとなり、排気量は1.6リッターであった。
※写真は北米仕様
1977年に4ドアセダンの「サルーン」がデビューする。当時公団(いまのUR)の団地の1階に住んでいた筆者の階段の4階に住んでいたひとがシビックからアコードサルーンに乗り換えた。最上級のひとつ下の“EX”というグレードであったと覚えている。マルーンのボディカラーにベロア調のようなマルーンの豪華シートと、とにかくラグジュアリームードに溢れていた。そもそも当時はセダンが販売の主流であった北米市場を強く意識したモデルであったのは明らかであるが、サルーンの登場で日本国内でも良く売れるようになった。
1981年に2代目がデビュー。2代目のトピックはなんといっても日本車では初めて1982年アメリカ・オハイオ州の工場で現地生産をスタートさせたことだろう。個人的には1983年にマイナーチェンジを行った翌年に追加された、電子制御燃料噴射装置「PGM-FI」採用エンジンを搭載した“GTL-i”が追加されたことがなぜか強烈に印象に残っている。ブロンズガラスを採用するなど、それまでのアコードよりさらにラグジュアリームードを増したことが大きかったようだ。
そして歴代アコードのなかでもクルマ好きならば誰でも思い出深い3代目が1985年にデビューする。日本国内と海外の一部地域ではセダンでありながら、リトラクタブル式ヘッドライトを採用したことに当時クルマ好き少年だった筆者は衝撃を受けた。テレビCMで使っていた曲が森進一氏の唄う“サマータイム”だったことから、仲間内では「サマータイムアコード」と呼んでいた。
クルマ好き仲間のひとりの家がそのサマータイムアコードを購入した。最上級ではなく、1.8リッターデュアルキャブレターエンジンを搭載する“EXL-S”を購入した。セダンボディなのにCd(空気抵抗係数)0.32という数値を達成するフラッシュサーフェスボディ実現のためにも、アウターパネルとドアフレームを一体プレス成形した「プレスドア」を採用。
※写真は北米仕様
このプレスドア採用でボディ剛性を保っていたともいわれていたのだが、ドアがかなり重いのがとても印象的なモデルである。たまに仲間が乗ってきてドライブに出かけるのだが、当時のホンダ車らしい、見た目だけでなく技術的にもずば抜けて先進的で、とにかく当時元気のよかったホンダという会社のクルマというのがよく伝わってきていた。
3代目ではセダン以外にも3ドアハッチバックの「エアロデッキ」というモデルもラインアップされていたが、こちらはかなり存在感のある意欲的で個性的モなデルであった。エアロデッキとは異なり、リヤガラスがスラントした一般的なファストバックスタイルのハッチバックも海外市場では用意されていた。1987年には一部海外で販売されていた、一般的なヘッドライトタイプとなる「アコードCA」が追加発売され、1988年にはオハイオ工場製の2ドアクーペが左ハンドルのみで日本国内で輸入販売されている。
4代目からアコードといえばワゴンが人気に!
1989年には4代目がデビュー。1991年にはアメリカ工場製の「アコードワゴン」が日本国内で発売となる。かなり個人的な話なのだが、このアコードワゴンのメディア向け試乗会が筆者としては初めて「業界人」としてメディア試乗会にお邪魔させていただくようになったクルマであり、個人的にはかなり印象深いものとなっている。ワゴンがデビューすると世の中の話題の中心はワゴンとなっていった。前出のクルマ好き仲間の家でも、3代目セダンからアコードワゴンへ乗り換えている。
※写真は北米仕様
1989年に派生モデルとして、4ドアハードトップボディで直列5気筒エンジンを搭載する「アコード・インスパイア」もデビューした。当時はまさにバブル経済絶頂期。見た目の押しの強さもありアコード・インスパイアもよく売れていた。
1993年に5代目がシリーズ初の本格的3ナンバーワイドボディ車としてデビューする。1年遅れて引き続きアメリカ生産となるワゴンとクーペがデビューする。5代目では4代目以上にワゴンが販売のメインになっていったと個人的には認識している。クーペには左ハンドル仕様も輸入販売されており、アメリカ好きの筆者としては本格3ナンバーボディとなったこともあり、取材などで撮影車を借りる時もわざわざ左ハンドル仕様を借りていたのを覚えている。右ハンドル仕様も同様なのだが、スピードメーターにkm表示のほかに“MPH(マイル表示)”があったのがとにかくうれしかった。
1992年に5ナンバー仕様はアコード・インスパイアのまま、3ナンバー専用として「インスパイア」がデビューする。全幅を80mm拡大しているのだが、そのほとんどがドアの厚みに使われたのではないかと思うほど、当時のアメリカ車のようなドアの厚みに圧倒された。
6代目、7代目は失礼ながらかなり個人的には印象が薄くなっている。その理由は北米仕様と異なるモデルラインアップとなっていったことが大きい。「アコード=北米」という勝手な思い込みもあったので、日本や欧州を意識したアコードに興味を持つことはできなかったのである。
6代目の時期に北米仕様は1998年に「インスパイア(3代目)」という別車名でアメリカより輸入販売されていた。ただ、インスパイアでの北米アコードの販売もここまで、4代目インスパイアは北米ベースで日本風にアレンジされてしまった。
9代目からは日本仕様も北米仕様と共通となる。10代目でもその流れを汲んでいるが、北米ではガソリンエンジン車もあるのだが、日本国内にはハイブリッドユニット搭載車しかラインアップされていない。
日本ではすっかり“少量販売車”となってしまったアコードではあるが、中国や北米市場ではSUVが人気の高いなか、セダンとしてはいまも量販モデルとして健闘している。
11代目が日本市場でも引き続き販売されるのは、日本国内にもまだコアなアコードファンというのが残っていることの証ともいえるし、世界市場ではホンダの看板車種としていまもなお活躍している以上は日本市場で販売終了するわけにもいかないといのもあるかもしれない。
※写真は北米仕様
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