ジャガー「XJ」の50周年を記念した「XJ50」に、XJ登場から51年目を迎えた2019年7月に試乗した。最高出力340psを発揮する3.0リッターV型6気筒ターボ・エンジンを搭載する、パワーとラグジュアリー性を兼ね備えたサルーンだ。
XJ50は「XJプレミアムラグジュアリー」をもとに仕立てられた記念車である。フロントとリアのバンパーは最上級グレード「XJオートバイオグラフィ」とおなじデザインを採用し、ホイールサイズは19インチから20インチへとアップしている。
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【主要諸元】全長×全幅×全高:5135mm×1455mm×1900mm、ホイールベース:3030mm、車両重量:1890kg、乗車定員:5名、エンジン:2994ccV型6気筒DOHCスーパーチャージド付き(340ps/6500rpm、450Nm/3500rpm)、トランスミッション:8AT、駆動方式:FR、タイヤサイズ:フロント245/40ZR20、リア275/35ZR20、価格:1321万円(OP含まず)。XJ50は、XJシリーズ登場から50周年を記念した限定モデル。タイヤサイズはフロント245/40ZR20、リア275/35ZR20。装着していたタイヤはダンロップの「SP SPORT MAXX GT」。インテリアも特別で、とくにシート表皮はプレミアムラグジュアリーがソフトグレインタイプの革張りであるのに対し、XJ50はダイヤモンドパターンのキルテッドタイプになる。
同時に、アルミニウム・パーツの表面を保護する加工(アノダイズ加工)を施したシフト・ダイアルやペダル類も、XJ50のための特別装備である。
さらにリア、サイドベント、センターアームレスト、イルミネーション付きトレッドプレートと各所に「XJ50」専用バッジが取り付けられており、50周年記念モデルであることを主張する。
上質なレザーをふんだんに使ったインテリア。インパネ上部にある、50周年記念モデルをしめす専用プレート。オーディオ・システムはMERIDIAN。スピーカー数は24個にも達する(出力は1300W)。あくまでドライバーズ・サルーン搭載する2994ccV型6気筒ターボ・エンジンは、低回転域から有効なトルクを発生するためにスーパーチャージャーを搭載し、最高出力は250kW(340馬力)、最大トルクは450Nmを発揮する。
全長5135mmもあり、車重も1.8tに達するボディを太いトルクで加速させるかんじは、コンパクト・カーやスポーツ・カーとは違う気持ちよさだ。アクセルペダルを踏み込んだとき、ごくわずかな時間だけ”タメ”のようなものがあり、そこから加速していく感覚は大型車独特であり、個人的に好きだ。
静止状態から100km/hまでに要する時間は5.9秒。搭載するエンジンは、2994ccV型6気筒DOHCスーパーチャージド付き(340ps/6500rpm、450Nm/3500rpm)。トランスミッションは電子制御式8AT。なお、シフト形状はジャガー特有のダイアル式。ボディはアルミニウムが多用され、「セグメントで最軽量」と、ジャガーはうたう。
1.8トンはけっして軽くないけれど、重量配分が適切なのか、ステアリング・ホイールを切ったとき、ノーズが気持ちよく内側に向き、外側の後輪がゆっくり沈みこむかんじは、スポーティですらある。
JC08モード燃費は7.6km/L。ステアリング・ホイールはパドルシフト付き。スポークにあるのは、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)やオーディオ用のスウィッチ。そもそもXJシリーズは、首相を含む英国の政治家や実業家がローバー「P5」に乗っていたのに対し、自分で運転するのを好む層に向け、企画されたクルマだ。以降、“ドライバーズ・サルーン”というコンセプトを守り続けてきたのが、すばらしい。
エンジン・フィールも、XJ50の魅力である。最大トルクは3600rpmの回転域で発生するが、1500rpmあたりから実用上十分なトルクが盛り上がってくる。中回転域を使うようにすると、アクセルペダルの微妙な踏み込みかげんで速度コントロールが存分に出来て、これもまた気持ちいい。
アルミパーツをふんだんに使った結果、車両重量は1890kgに抑えられている。メーターパネルはフルデジタルタイプ。メーターパネル内に、ナビゲーション・マップも表示出来る。次期モデルは大幅に変わる?いっぽう、乗り心地のよさも印象に残る。「軽い」というが、車重が1.8トンあるから、いわゆるバネ上が重く、いいかんじの重厚感である。また、路面の凹凸もきれいに吸収する。しっとりした乗り味は、XJ50の大きな魅力だ。
XJ50専用デザインの座り心地のいいシートに身をゆだね、高速道路を走っていると、かつてのXJサルーンを思わせる快適性に感心してしまう。
フロントシートは18ウェイ電動調整機構付き。ヒーター、ベンチレーション。マッサージ機能も備わる。ヒーター機能付きリアシートは固定式。リアシート専用のエアコン操作パネルと吹き出し口。10.2インチのリアシート用エンターテインメント・システム・モニターはオプション。フロント・リアともにガラス・ルーフになる(サンシェード付き)。なお、フロントは電動開閉機構付き(リアは固定式)。ラゲッジルーム容量は520リッター。なお、トランクリッドは電動開閉機構付き。現行モデルはフルモデルチェンジを受けたのが2009年である。安全運転支援システムやインフォテインメントシステムなどは、独・日の競合に追いついていない部分もある。
しかし、ドライビングの楽しさにフォーカスした場合、ライバルの多いセグメントに身を置きながら、独自の立ち位置をきちんと守っているように思う。
最小回転半径は5.8m。ちなみに次期XJについて、ジャガー・カーズはすでに一部内容を発表している。
それによると、「I-PACE」につぐ2番目のピュアEV(電気自動車)になるという。スタイリングを担当しているのはI-PACEを手がけたチームというから、デザインも大きく変わりそうだ。
エンジンは、3.0リッターV型6気筒のほか、5.0リッターV型8気筒スーパーチャージド付きも選べる。つまり、内燃機関を搭載するXJの歴史が終わり、新しい章に入るのだ。XJ50に乗ってみて、エンジンとサスペンション・システムのコンビネーションのよさに感心したので、少々感傷的になってしまった。
試乗したXJ50の価格は、もとになったXJプレミアムラグジュアリー(1253万円)に対し、1321万円。安くはない買い物だけれど、XJ50は、ぜいたくな作りの高級サルーンだから納得の価格設定である。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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