この記事をまとめると
■鬱陶しい梅雨シーズンを乗り越えるためにチェックしておきたい項目をピックアップ
雨だっ! ワイパーを……って全然拭けないじゃん! 出先でパニクらないよう梅雨入り前に必ず「ワイパーチェック」を実施すべし!!
■雨で視界が塞がれないようにワイパーやウインドウなどはとくに念入りにチェックしておきたい
■タイヤやエアコンやバッテリーなども点検しておけば心強い
雨で視界が塞がれるのは絶対に避けたい
いよいよ、日本では1年中でもっとも鬱陶しい梅雨シーズンだ。雨はもちろん、初夏の暑さと湿度も全開。クルマにとっても過酷な時期といえる。
そこで、本格的な梅雨に入る前に、愛車にぜひとも施しておきたいチェック項目を挙げたい。
●ワイパー
雨の日の視界を確保してくれるのがワイパーだ。豪雨の場合、ハイスピードで作動させないと視界が確保できないこともある。そこで、事故回避、命を守るためにも、ワイパーの作動状態をあらかじめチェックしておきたい(雨の日でない場合はウインドウに大量の水をかけてチェック)。
ワイパーにガタはないか、ムラなくしっかりと水滴を拭き上げてくれているか。もし、ガタ、異音、拭きムラがあるようなら、即、交換である。ワイパーゴムの交換は半年~1年に1度、ワイパー本体(ゴム+ブレード)は1~2年に1回交換が目安となる。ちなみに、リヤウインドウにリヤワイパーが付いているクルマなら、同時にチェックすることをお忘れなく。
●タイヤ
雨天の交通事故は晴天の5倍といわれている。その要因のひとつが、クルマと路面を唯一、接しているタイヤである。ドライ路面より濡れたウエット路面のほうが、当たり前だが制動距離は長くなり、それも事故につながる。
チェック項目はふたつ。まずは溝。そして空気圧。空気圧はガソリンスタンドなどで自身でもチェックでき、適正空気圧かどうかを確認する。溝のほうは素人ではなかなか判断が難しいのだが、すり減って見えるようだと危ない。ここはタイヤのプロや販売店でチェックしてもらうと安心だ。
ただし、タイヤの溝がある程度残っていても、危ない場合もある。それはタイヤの寿命。タイヤの寿命は一般的に製造から4~5年。4年を超えるとゴムが硬化し始め、ヒビ割れができたり、グリップ性能が落ちてくるのである。
ここで注意したいのは、寿命4~5年というのは、新車が走り出したときではなく製造したときから、という意味であること。タイヤのサイドウォールに製造年月が刻印されているので、そこを参考にしてほしい。例えば、2020年10月に新車下ろしした輸入車の例では、タイヤの製造年月は「4319」と刻印されていたりする。これは19年の43週を意味し、つまりすでに1年前に製造されたタイヤを履いていた、ということになる(国産車のだとそこまで前に製造されたタイヤということはないが……)。
すでに4~5年履いたタイヤなら、これを機に、履き替えると梅雨のウエット路面も安心だ。なお、タイヤのウエットグリップ性能は優秀なほうからa-dで評価されていて、履き替えるならそれを目安にするといい(カタログ、HPにタイヤごとに記載されている)。
視界の確保だけでなくエアコンやバッテリーの状態も要チェック
●ウインドウ
雨の日の安全視界をワイパーとともに確保してくれるのがウインドウだ。しかし、そこに油分、ワックス成分などが付着していると、ワイパーを使ったときのギラギラ視界=油膜、シリコン被膜の原因になる。せっかくワイパーを取り換えたのに、ウインドウ面がそうだとクリアな安全視界は確保できない。
そこで、梅雨入り前の(入ってからでも遅くない!!)ウインドウクリーニングである。ウインドウ面にウロコ状のシミがついてしまっている場合は、筆者が実際に買って使った使用感でいえば、ソフト99の「ウォータースポット強力除去 ガラスリフレッシュ」やプロスタッフの「キイロビンGOLD」あたりを使うと、1度では無理にしても、かなりスッキリと視界が復元する。施行後、なんだか世の中が明るくなって見えるなんてこともあるかもだ。
●エアコン
梅雨どきはムシ暑さと車内除湿対策のためにもエアコン(コンプレッサーによるクーラー機能)の使用は不可欠。そこで、家庭用エアコンのシーズン前の試運転同様、エアコンの利きをチェックしたい。
そして、湿気の多い時期にはとくに臭いが気になるものだが、もし臭いが気になるならエアコンのフィルターを交換したい。
フィルターそのものは廉価で、一般的な輸入車を含め、自身でも交換可。そもそもエアコンフィルターは車内のクリーンな空気を維持し、カビ菌による健康被害を避けるためにも1年に1度は交換すべきパーツなのである。交換すると、エアコン作動時の車内環境が激変することもある。
●バッテリー
日本自動車連盟(JAF)のデータによれば、ロードサービスが出動する1位の理由が「バッテリー上がり(過放電バッテリー)」。季節柄、ワイパー、エアコンの使用頻度が激増する梅雨どきや真夏は、バッテリーが疲労する。
ガソリンスタンドや販売店でバッテリーの状態をチェックして備えたい。
●ウインドウウォッシャー液
ウインドウをクリーニングしてワイパーも交換した……では、じつは完ぺきではない。その状態ですでに雨が降っていて、ワイパーを作動させるなら問題ないのだが、ワイパーのあるウインドウ面がひどく汚れた状態で走っていて、突然の雨……といったシチュエーションでワイパーだけを作動させると、ガラス面の汚れ、鳥のフン、砂(塩分交じりの砂が付着する海岸沿いのドライブではとくに要注意)が研磨剤となって、ワイパーゴムとガラス面の両方にキズをつけてしまう。
そんなとき、役立つのがウインドウウォッシャー液だ。その成分は界面活性剤やメタノール、防錆剤などが含まれ、油分汚れなど水だけでは落ちない汚れの洗浄に効果があり、凍結防止や乾燥の早さにも貢献。これをウインドウに吹きかけてからワイパーを作動させると安心というわけだ(作動はセットになっているケースがほとんど)。
ちなみに「水を入れておけばいいじゃん」と考えるのは間違い(緊急時を除く)。界面活性剤が入っていないため、汚れを落とす効果がなく(ワイパーゴムとガラス面にダメージを与える可能性)、さらに長期の防腐性能もなく、ウインドウウォッシャータンク、ホース内で水が腐り、カビや藻の発生を招きかねない。
また、水道水に含まれる塩素がウインドウウォッシャーノズルなどを詰まらせる原因にもなるから使用しないほうがよい。そもそもウインドウウォッシャー液はベーシックなものならごく廉価。ここはケチらずにいこう!
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