クルマの電動化の先駆者、プリウス
他に先駆けて、クルマの電動化を推し進めてきたモデルがある。トヨタ・プリウスだ。
【画像】英国で買えないのが無念 新型トヨタ・プリウス 英国での競合クラスのモデルと比較 全91枚
初代の登場から26年が経ち、既に4世代を過去のものとし、500万台以上がラインオフしている。エネルギー効率に優れるハイブリッド・パワートレインを搭載し、トヨタ自ら21世紀のクルマと高らかに宣言してきた。
それから四半世紀が経ち、世界中の人はトヨタの方針へ賛同するようになった。自動車メーカーの多くが、排気ガス低減へ繋がる、電動化技術を導入した量産車を提供している。限りなくゼロへ近づけるという、目標を掲げて。
バッテリーEVは選択肢が増えているが、すべてのユーザーで受け入れ態勢が整っているわけではない。充電設備の普及は途上にある。内燃エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドは、走行時のCO2を減らす手段として、当面は活躍することになる。
ちなみにトヨタによれば、プリウスの登場によって、8200万トン以上のCO2排出量削減に繋がったとか。そんな先駆者的な存在が、5世代目へモデルチェンジした。
低く滑らかなスタイリングは、インターネット上でも話題になっている。英国での販売も成功しそうに思えるが、残念ながら、正式に導入される予定はない。
事実、英国人はこれまでもプリウスを購入してこなかった。2022年の新型発表時、2021年に売れた4代目プリウスが、英国では563台に留まったことをトヨタはその理由にしていた。対して、クロスオーバーのC-HRは1万8000台近くが売れたという。
スポーティで洗練されたスタイリング
確かに、自身のクルマでライドシェアを提供する、ウーバー・ドライバーによるプリウスの評判はあまり良くない。また、ハリウッドスターがイメージアップに使うクルマ、という印象で見られてきた事実もあるだろう。
スタイリングも、感じ方に個人差があるとはいえ、高く褒められるものではなかっただろう。4代目までは、トヨタの良くない方のイメージを背負っていたように思う。
だが5代目は、スポーティで洗練された雰囲気を放っている。サイドシルエットは特に好印象。4代目を横に持ってきても、大きなテールゲートを備え、ウェッジシェイプであることを除いて、世代違いの同じモデルだとは感じにくいはず。魅力的といっていい。
プロポーションは、先代から大きく変化している。全高は50mmも低くなり、全長は46mm短くなっている。一方で、ホイールベースは50mm長くなり、全幅は22mm広げられた。
アルミホイールは、試乗車の場合19インチ。フロントのヘッドライトがスリムに伸び、テールライトも水平に長く、実際以上にロー&ワイドに見える。
一新したスタイリングと同様に、パワートレインも新しくなった。2.0L 4気筒ガソリンエンジンに電気モーターが組み合わされた、従来的なスプリット式ハイブリッドも市場によっては用意される。だが欧州では、プラグイン・ハイブリッドのみの提供となる。
巧妙なHVの制御 運転を楽しめるシャシー
4気筒エンジンに2基の電気モーターが組み合わされ、システム総合での最高出力は223ps。駆動用バッテリーは13.6kWhの容量があり、最長72kmまでエンジンを回さずに走行できる。
ハイブリッドの制御も非常に巧妙。駆動用バッテリーだけで充分な距離を走れるうえに、通常は内燃エンジンと協働し、電気エネルギーを効率的に消費していく。普通に運転している限り、駆動用バッテリーが完全に空になることはない。
充電量が乏しくなると、4気筒エンジンが少し不機嫌そうなノイズを放ち始める。特に鋭い加速を求めると、上質さへ明確に陰りが出る。とはいえ、これはプリウス以外のプラグイン・ハイブリッドでも同様だ。
むしろ、車重がかさみボディが大きくなりがちなバッテリーEVと異なり、プリウスの走り味は軽快で新鮮。トヨタのTNGAプラットフォームを基礎骨格とし、カローラなどと同じく操縦性に優れる。従来から剛性が高められ、安定性も向上したとか。
タイトなボディが表現するように、ギュッと引き締まった身のこなしで、機敏で意欲的に旋回していく。トヨタbZ4Xと同じ、リムの太いステアリングホイールは手のひらへフィットし、反応は正確でダイレクトだ。
キツめのカーブでも、気持ちよく駆け抜けられる。アンダーステアも驚くほど抑えられている。
普段使いの範囲でも、運転を楽しめる。乗り心地は速度域を問わずしなやかで、全体的な操縦性の良さを、しっかり担保している。プリウスへこんな表現をするとは、想像していなかった。
英国では購入できない事実が残念
インテリアには、スタイリングから受けるほどのダイナミックさはないだろう。それでも、エアコンの操作系には実際に押せるハードスイッチが残されており、使いやすい。
ダッシュボードの中央には、ワイドなインフォテインメント用タッチモニターが立ち上がっている。表示は鮮明で、グラフィックも悪くない。
ドライバーの正面には小さなメーター用モニターが据えられるが、ダッシュボードの奥に位置するため見やすい。運転中の目線へ自然に収まり、ヘッドアップディスプレイを不要に感じさせる。
低く滑らかなサイドシルエットのおかげで、リアシートの空間は多少犠牲になっている。サイドウインドウも小さく、多少の圧迫感はあるものの、包まれ感が心地良いと
思う人もいるだろう。
ボディ側のドアハンドルは、先代のC-HRのように、リアピラーの付け根にある。車内側は一般的なドアパネルの位置にあり、乗り降りする時に少し戸惑うかもしれない。
高い完成度にある5代目プリウスを、英国では購入できないという事実が、筆者は残念でならない。確かに、4代目の売れ行きは低調だったかもしれない。だが、新世代で状況は変わるのではないだろうか。ぜひトヨタには、導入を再度検討して欲しいものだ。
トヨタ・プリウス PHEV(欧州仕様)のスペック
英国価格:−ポンド
全長:4599mm
全幅:1782mm
全高:1420mm
最高速度:177km/h
0-100km/h加速:6.8秒
燃費:143km/L
CO2排出量:16g/km
車両重量:1545kg
パワートレイン:直列4気筒1987cc自然吸気+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:13.6kWh
最高出力:223ps(システム総合)
最大トルク:19.3kg-m/5200rpm(内燃エンジン)
ギアボックス:e-CVT/前輪駆動
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