■最新「アイコニックSP」にも通じる「RYUGA」のデザインとは
マツダは2007年1月の「北米国際自動車ショー(デトロイトオートショー)」で、あたらしいマツダデザインを表現したコンセプトカー「RYUGA(流雅・りゅうが)」を発表しました。
現在の「魂動(こどう)デザイン」に繋がる画期的なコンセプトカーについて、あらためて振り返ってみましょう。
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2023年10月から開催された「ジャパンモビリティショー」には、出展メーカー各社から多くのコンセプトカーが出展されました。
その中でも記憶に残っているのが、マツダ「アイコニックSP」ではないでしょうか。
アイコニックSPは2ローター式のロータリーエンジンを搭載したレンジエクステンダー方式のPHEV(プラグインハイブリッド)で、2012年に生産を終了した「RX-8」以降、11年ぶりの2ローター式のロータリーエンジンが復活したとして、非常に印象深い一台となりました。
さらにユニークなのはボディデザインです。
現在のマツダは、2010年に発表された“魂動(こどう)-Soul of Motion”をデザインテーマに全車がスタイリングされています。
もちろんアイコニックSPも次世代の魂動デザインが採用されていますが、全体的に不自然な凹凸のないソリッドなスタイリングをとっています。
現在の魂動デザインは「引き算の美学」がテーマとなっています。
初期の魂動デザインを採用した2012年登場の初代「CX-5」と、2017年発売の現行型(2代目)CX-5を比べると、引き算の美学がよく見て取れます。
その最進化版と言えるアイコニックSPの造形もまた目を引きました。
縦・横・上から見ても“流れる”ような面が印象的です。
この“流れる”ようなデザインは、実は今に始まったことではありません。
18年前の2006年に開催された「ロサンゼルスオートショー」で発表されたコンセプトカーがまさに「NAGARE(流)」という名で、流麗な面を意識した造形を採用しました。
そして、翌年2007年に開催された北米国際自動車ショーには、「NAGAREデザイン」を採用した新コンセプトカー「流雅(RYUGA)」が出展されました。
RYUGAのボディサイズは全長4280mm×全幅1900mm×全高1260mmというもの。平面面積はコンパクトSUVなみですが、全高はかなり低く抑えられているため、SUVともスポーツクーペともとれない独特のスタイルをしています。
車内は4人乗り。前後ドアを統合したカルウイングドアを採用しているため、インパクトもありながら全席へのアクセスも容易な機能性を持っています。
メーターパネルやセンターコンソールは、現在見ても未来的なデザインでU字型のハンドルが印象的。まるでスーパーカーのような造形美が見て取れます。
■形を変え分散しつつも「RYUGA」は生きている
NAGAREデザインを採用したRYUGAのコンセプトが実車に落とし込まれたのは3代目「プレマシー」(2010年)ですが、その後続くモデルはなく、マツダのデザインコンセプトは「魂動(こどう)デザイン」へ移行しています。
しかしRYUGAが挑戦した仕組みは、魂動デザインのマツダ車にもしっかりと落とし込まれていました。
前後席へのアクセスが容易なガルウイングドアは、そのままではありませんが、「観音開きドア」として2019年登場のクロスオーバーSUV「MX-30」が受け継いでいるといえます。
全高の低いクーペのようなスタイリングもMX-30に生かされているといえますが、現在のSUVはクロスオーバースタイルをとるよりも、全高を抑えたクーペスタイルをとるモデルが増えてきています。
またRYUGAが搭載しているエンジンも、そのエッセンスが現在に生きています。
RYUGAはガソリン・メタノール・エタノールの混合燃料で走行可能な「MZRエンジン」を搭載していましたが、マツダは2024年現在、「スーパー耐久シリーズ」に廃食油をベースとしたディーゼル燃料、カーボンニュートラルのガソリン代替燃料を使用する市販車ベースのレーシングカーを走らせています。
カタチは変えつつも、RYUGAが示した未来の姿が2024年現在にも流れているといえます。
※ ※ ※
「RX-8」の販売終了とともに失われた名機「13B型」以来、11年ぶりに復活した2ローター式のロータリーエンジンを搭載したアイコニックSPは、このまま実車化されないにしても、コンセプトが将来どう生かされていくか、長い目で見ていくのも楽しいかもしれません。
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みんなのコメント
無責任にも程が有るやろ…