日本一売れているN-BOXだけじゃない!? ホンダの「Nシリーズ」が累計販売300万台達成!! ホンダが軽で一躍市民権を得た理由とは?
N-BOXを筆頭とするホンダの軽自動車モデル群「Nシリーズ」が、2021年6月末時点で累計販売台数300万台を達成した。初代N-BOXの誕生から9年6か月(115か月目)での記録達成というから実に月平均で2万6000台超を売り続けたことになる。新車販売が落ち込むなか、異例のハイペースといえるだろう。
電動化でタコメーター激減?? 車の性能示すメーターは生き残れるのか
かつて、ダイハツ・スズキの2強に押され、どこかパッとしない印象もあったホンダの軽はなぜこれほどまでにユーザーの支持を得るようになったのか? 背景には単なる性能の良さ以外の側面もあった。
文/竹岡圭
写真/編集部、HONDA
【画像ギャラリー】未掲載写真33枚! ホンダ軽自動車「Nシリーズ」の内外装をチェックする
軽=ガマンのイメージをじわり払拭 N-BOX前夜の軽自動
1998年の軽自動車新規格以降、各自動車メーカーから個性あふれるデザイン、新装備が誕生した。写真は、2002年に登場した3代目ムーヴカスタム。若者向けの先進的なデザインが特徴的だった
ひと昔前までは軽自動車はガマン車と言われていたこと、覚えていらっしゃいますか? ホンの十数年前までの軽自動車は、本当は大きなクルマが買いたいのに、仕方なくガマンする(涙)という、オマケ的残念カテゴリーだったんです。
ところが! 1998年の軽自動車新規格化によりボディサイズが大きくなったため、スペース的にも広くなり、64馬力の自主規制はあるものの、パワー的にも問題はなく、高速道路の速度制限も普通乗用車と同等に。なのに通行料金はもちろん税金だって安い。安全テストだって普通乗用車と同じものが適用されクリアしている。
さらに、規格のなかで各社が切磋琢磨して競争しているから、チャレンジングな新装備が登場したり、デザインだってオシャレ度が高い。装備だって、ひとクラス上のいわゆるリッターカー的なものより豪華になってきて……。
となったら、そりゃ売れますよね。軽自動車の販売比率はこのところ、新車販売台数の4割を超えるまでとなり、いまや軽自動車は「このクルマが良い!」と指名買いされるクルマとなって、すっかり市民権を得ています。
初代N-BOXが登場した2011年は、さすがに4割には到達していませんでしたが、市民権を得だしていたのは間違いありません。
広さ重視の“生活感”を払拭したN-BOX
2011年に登場した初代N-BOX。広々とした車内、乗降性の良さ、低燃費などで市民権を獲得するキッカケをつくった(全長3395×全幅1475×全高1780mm)
ちなみに、その頃の世間の人気カテゴリーと言えばミニバン一択。休日のショッピングセンターに行けば、ズラリと箱型クルマが並んでいる状況。高速道路を背の低いクルマで走ると、山に囲まれているようでまったく前が見えない…。なんていう状況に陥ったりもしたものです。
初代N-BOXが誕生した2011年頃の人気カテゴリーはミニバン一択だった。その影響で、軽自動車にも室内の広さを求められるようになり、スーパーハイトワゴンの需要が高まっていった
そうして普段から、スペースユーティリティ性能の高いクルマに乗っている影響なのでしょう、軽自動車にもモアスペースが求められ、徐々にスーパーハイトワゴンの需要が高まっていきました。
なので、その頃のスーパーハイトワゴンと言えば、小型ミニバン的な性格が強く、つまりファミリー感が強い=生活感が強く感じられたんですよね。
となると「あの広さと両側スライドドアのパッケージングは魅力だけれど、ちょっとねぇ、自分のクルマとしては選びにくいんだよねぇ~」なんていう声が出てくるわけですよ。それを払拭したのがN-BOXだったんです。
初代N-BOXは、従来の軽自動車と異なる絶妙なデザインにより、「生活感が強い」というイメージを払拭させた。身近なアイテムとして認識され、アウトドアシーンにも似合うクルマに仕上がった
あえてスッキリした箱型、しかも重箱の隅をつついて尖らせたんじゃないの? と、思えるくらいの真四角型。でもいわゆるワンボックスタイプの配達型軽自動車とは違う、絶妙なデザイン性が、道具感を強めると同時に生活感を払拭。
身近なアイテムとして認識されるのに役立ったのではと思います。そのおかげでサーフィンとかキャンプ等といった、オシャレなアウトドアシーンも似合うクルマに仕上がっちゃったんですよね。
あれ? この感じなんだかステップワゴンの位置づけと似ている気がする……。要するにホンダはこういうのが得意なのかもしれませんね。
MINIにも似た手法でNシリーズのイメージ戦略を推し進めたホンダ
仕事道具として割り切っているN-VANには、車中泊、アウトドアを楽しめる要素を盛り込むことで、趣味にも活躍する軽自動車を誕生させた(全長3395×全幅1475×全高1945mm)
N-BOXの場合は、さらにそこから先の展開がありました。例えばアメリカで流行したチョッパールーフを取り入れたN-BOXスラッシュは、インテリアにもテーマ性を持たせて世界観を演出したり、さらに道具として割り切ったN-VANでは、車中泊しやすいようなアイテムを盛り込んだり。
残念ながらN-BOXスラッシュは、現在のラインアップからはなくなっちゃいましたがユニークな存在でした。
はたまた、もう少し全高抑えスイングドアを採用したN-WGNや、往年のN360を彷彿とさせるデザインと、ワイメイクレースまでシリーズ戦で開催し、モータースポーツに通じるまでの運動性能の高さをアピールしたN-ONEまでありますからね。
でですね、このおかげで例えばN-ONEと同じ「N」という名前がついているんだから、N-BOXだってきっと走りがイイはずだ! というイメージ戦略にもなっていくわけなのです。
N360を見て心ときめかせた大人たちが「Nコロはよく走るクルマだったから、きっとこれもそうに違いない」と、夢を抱くんですよ。つまり、上手にブランド作りに成功したのだと思うのです。
ホンダのNシリーズのブランドイメージ戦略は成功し、2021年6月末時点で累計販売台数300万台を達成した。N-BOXは、現行型にフルモデルチェンジしてもなお、人気をキープし続けている
この軽自動車はすべて「N」シリーズというアピール手法、世界中で大ヒットし、いまだに人気の高いMINIと似てますよね。
小さいのから大きいのまですべてMINIとして、共通世界観を印象づけていて、最初のうちは「こんなに大きいのMINIじゃない!」なんて言っていた人たちまで巻き込んで、日本市場ではいまいちばん売れてるのがMINIクロスオーバーだったりしますからね。ブランド作り大成功というわけです。
そうして大ヒットを遂げたNシリーズですが、そのおかげで、軽自動車を生活必需品アイテムから、生活を彩り楽しむアイテムへと昇華させたという功績は、軽自動車界全体においても大きな好影響をもたらしたと思います。
そう、軽自動車ってとっても興味深く、面白いカテゴリー。日本の宝だと思います。
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みんなのコメント
N-BOXしかホンダユーザーは興味を持たない、
N-BOXでは利益にならない、
N-BOXの中古車だけが増加する。
これがN-BOX地獄である。
こうなってしまったら他社と競合する普通車が出ても
大して関心がないのは、
フィットの販売台数を見れば一目瞭然。
決してフィットのデザインだけのせいなんて
そんな生易しい問題ではなく、本当の理由は
N-BOXがホンダのコンパクトカーの顧客を
ドカ食いしているのが止まらないからだ。