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もはや先進国ではオラオラ顔はウケない! どころか新興国でも飽き気味!? いまこそ「エスティマ」の復活が必要じゃないか?

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もはや先進国ではオラオラ顔はウケない! どころか新興国でも飽き気味!? いまこそ「エスティマ」の復活が必要じゃないか?

 この記事をまとめると

■次期アルファードは予約を受け付ける仮予約の受付を中止しているとか

恐るべき弱肉強食の世界! バカ売れジャンルがゆえに厳しい競争で「消えた」ミニバンたち

■アルファードのようなオラオラ顔は新興国市場で好まれ、先進国ではエッジの効いたデザインがウケている

■トヨタはオラオラ一辺倒ではなく、いまこそエスティマのようなミニバンもラインアップすべきではないか

 次期アルファードは発表前からすでに仮予約受注を停止!?

 2022年11月16日の新型プリウスワールドプレミア以降、ネットメディアだけでなく巷の“クルマ好き”の間でも新型プリウスの話題で持ち切りといっても過言ではないだろう。新型プリウスがワールドデビューを果たしたいま、次なる注目の新型車は次期アルファードとなっていくに違いない。

 新型プリウスでは、ワールドデビューのはるか前から購入希望者の“予約発注のための予約(つまり仮予約?)”のようなものが全国各地で殺到しており、2022年12月24日の正式予約発注受け付け開始直後に、すでに初期ロット(初期配車分)が埋まり長期の納車待ちどころか、正式発売を待たずに新規受注を停止しているところもあるといった話まで出てきている。

 聞いた限りでは、次期アルファードでも状況は同じなようだ。すでに多数の予約発注するための“仮予約”というようなものが積みあがっているようであり(あまりにも多くなってしまい混乱をきたしのか定かではないが、いまは仮予約受け付けを停止しているとの情報も得ている)、早くて正式予約受注受け付け開始、遅くとも正式発売のタイミングで長期の納車待ちになるのではないかと考えている(長期の納車待ちだけで収まればいいが、早々に新規受注停止といったことにも十分なりかねないだろうと見ている)。

 アルファードというクルマそのものが好まれるということもあるが、現行モデルでは、海外での日本から輸出された中古車の人気が高く、鉄板ともいえる圧倒的に高いリセールバリューにより、輸入高級車並みに投機目的対象のような視線でアルファードを購入し乗る人も増えていた。

 ネットメディアでもたびたび報道されているが、そもそもアルファードのような押しの強い顔つきが大好きな中国では、アルファードをオマージュしたかのような高級商務車(アルファードのようなミニバンはこう呼ばれている)を、中国メーカーの多くがラインアップしている。

 ただし、アルファードのような、俗っぽい言い方をすれば“オラオラ顔”を好むのは新興国市場に限られるという話もある。事実、海外で評判がいいとはいえ、アルファードは北米や欧州には輸出されていないし、そのような地域ではオラオラスタイルのモデルを好む人は少数派ともされている。欧米や韓国車、そして海外専売される日本車などではエッジのきいているデザインのモデルが多いが、このエッジのきいたモデルとアルファードのようなオラオラ系とは似て非なるところがあると筆者は考える。

 日本のことを昨今では“中進国”と呼ぶことが目立ってきている。先進国にもなりきれず、新興国と先進国の中間ぐらいに文化や政治レベルなどが位置するという意味である。新興国並みにアルファードをはじめ、軽自動車のスーパーハイト系のカスタム系などが広く好まれる傾向を見ると、“中進国”というのも納得である。

 しかし、いまでは日本よりも先進的といわれ、政治や経済などで日ごろから日本と切磋琢磨している韓国では、オラオラ系というよりは欧米先進国でも広く受け入れられるエッジのきいたモデルが、韓国メーカーでは広くラインアップされている。

 “新興国でしか”あるいは“先進国でしか”ウケないといったモデルは少ないし、そもそも日本車では多い新興国向け専用車といったものも少ない。一時は欧米市場で好まれるようなモデルばかり注力し、韓国では「韓国国内を無視しているようでやりすぎではないか」とブーイングが出ることもあったが、いまはその路線も韓国国内で定着しているのか、より先鋭化しているように見える。

 いまこそ先進国でウケるエッジの効いたスタイルのモデルが望まれる

 その韓国のヒョンデ自動車でラインアップされているミニバン「スターリア」はアルファードと真逆をいくスマートな未来志向の内外装となり、アルファードが大好きなタイ市場でも、アルファードを所有する富裕層がスターリアを増車して所有するなど、都市部を中心に勢いのある売れ方をしている。ちなみに韓国では幼稚園の送迎バス仕様まで用意されている。

 さらに、先ほどカタールで開催され世界を熱狂させた、サッカーのワールドカップでは、ヒョンデ車は公式車両として大活躍したのだが、スターリアも当然オフィシャルカーとして供給されており、関係者を乗せて砂漠のなかを爆走するシーンなどが映し出されていた。

 また、こちらは新興国向けとなるが、スターリアミニともいえる「スターゲイザー」を、2022年末にインドネシア市場に続いてタイ市場でも発表した。インドネシアより成熟した自動車市場となるのがタイ。ダイナミックシールドフェイスを採用して東南アジアを中心に大ヒットしている三菱エクスパンダーも、当然タイ国内では人気モデルだが、このエクスパンダーとカテゴリーがガチでぶつかるだけに、今後のタイ市場での動向は非常に興味深い。

 筆者はあえてトヨタ・エスティマの復活を提案したい。アルファードにいまのような勢いがなかったころは、いまではオラオラモデル大好きな代表ともいえる中国をはじめ、中国と同じような趣向性も感じる中東あたりでも広くエスティマが重宝され人気も高かった。そもそも初代エスティマは対米輸出戦略車として開発されたと筆者は理解している。

 成熟したクルマ市場を形成する日本でオラオラ系モデルがウケるのは、消費者の趣向性がそうなっているともいえるので、今後も一定の支持を受け続けるだろうが、自動車市場だけでなく国としてもまだまだ成長していく東南アジア諸国などでは、都市部のクルマユーザーだけを見れば、すでに高い販売シェアを誇る既存ブランド(すなわち日系ブランドになるのだが)に飽き始めている様子を筆者は感じている。

 ヒョンデや中国系ブランドの存在が目立ってきたのも、単に日本車の苦手とするBEV(バッテリー電気自動車)をラインアップするだけでなく、いままでにないワクワクするものがリリースされ、それに興味を示しているようにも見える。これはアメリカや中国でも新興BEVベンチャーに若い世代ほど魅力を感じるのと同じような現象と考える。アルファードに代表される、ほぼオラオラ一辺倒ないまの日本のミニバンとは異なる方向性を見せる意味でも、エスティマの復活は有効ではないかと考える。

 日本の自動車市場の成長はすでに鈍化傾向が見えて久しいが、まだまだ伸びしろのある新興国をメインに世界市場に新型エスティマを投入し、そのおこぼれではないが日本でも少量販売してみるというのはいかがだろうか。さすがに日本でも、「ミニバン欲しいけどオラオラしすぎるモデルばかりだからなあ」と二の足を踏んでいる層はいるはずである。

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