これ、いいじゃない! という話題とともに大ヒット中の軽SUV、タフト。135万円3000円からと、価格も魅力的。が、待てよ。
同じダイハツのSUVならワンクラス上のロッキーも気になる。こちらも価格は約170万円からあるしなあ。……どちらを「愛車」にすればカーライフが幸せになるのか!?
ついに登場GRヤリス!!! 買いか待ちか その魅力と“難点”を聞く
“幸せ誘い人”、おなじみの自動車評論家 清水草一氏に判定してもらおう!
【画像ギャラリー】迷っている人はじっくり見比べてほしい! ダイハツ ロッキー&タフトをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年8月のものです
評価・文:清水草一/写真:ベストカー編集部/撮影:平野 陽
初出:『ベストカー』 2020年9月10日号
■ダイハツ渾身のSUVモデル。「買い」は軽か、コンパクトか?
ダイハツの新プラットフォーム、DNGAはスゲエ! DNGAで作られたクルマは、これまでのダイハツ車とはモノが違う! それがタントとロッキーとタフト!
今回は、そのうちの2台、ロッキーとタフトを比較試乗して、幸せになれるのはどっちか真剣に考えてみた。まずはデザインを比べてみよう!
ロッキー Gグレード(左・2WD/価格200万2000円)とタフト Gグレード(2WD・NA/価格148万5000円)を試乗比較!
■Check01 デザインはどうだ?
ロッキーはRAV4系列の角ばったデザインの小型SUV。全体的に可もなく不可もなく、落ち着いた安心感のあるデザインだ。控えめだけど、直線基調でそれなりの存在感もある。
ダイハツ ロッキーG(2WD)主要諸元……全長3995×全幅1695×全高1620mm/ホイールベース:2525mm/車両重量:980kg/最低地上高:185mm/エンジン:直3ターボ、996cc/最高出力98ps/最大トルク14.3kgm/WLTCモード燃費:18.6km/L
主なグレードと価格(全2WD)……L=170万5000円、X=184万8000円、G=200万2000円
一方のタフトは、小さいながらに自己主張が遥かに強烈! 真横から見るとよくわかるけど、タテヨコの直線と斜めの直線に丸2つでできあがり! みたいな超シンプルな構成で、見れば見るほど引き込まれる。
これはまさに“道具”! いや、兵器のデザインだ。軍用車だ! ハマーだ! ハマーH “5”くらいだ!
ダイハツ タフトGターボ(2WD)主要諸元……全長3395×全幅1475×全高1630mm/ホイールベース:2460mm/車両重量:840kg/最低地上高:190mm/エンジン:直3ターボ、658cc/最高出力64ps/最大トルク10.2kgm/WLTCモード燃費:20.2km/L
主なグレードと価格(全2WD)…X=135万3000円、G=148万5000円、Gターボ=160万6000円
誰にでも受け入れられるロッキーに対して、タフトのデザインはとんがってる! とんがってるけど誰にも嫌われない! なぜって超シンプルだから! よって、デザイン対決はタフトの圧勝である。
■Check02 使い勝手や実用性、クルマの出来はどう?
ロッキーはインテリアが少々安っぽい。一方、タフトは、素材的にはロッキーと互角ながら、よりシンプルでセンスがいいんだよね。居心地がいいのはタフトのほう!
基本骨格はともにDNGAだけにしっかりしてる。ロッキーはこのクラスの小型車なりの広さで、装備にも不満はナシ
タフトは後席スライド機構を省略したことで、ほかの軽に比べてもハンデを負っている
でも、ガラスルーフは特にいいとは思いませんでした。なぜ標準装備にしたんだろ。そのぶん安くしてくれたらよかったのに。
使い勝手は、サイズがグンと大きいロッキーがリード。なにせ軽はラゲッジが狭い。しかもタフトは後席がスライドしないので、ラゲッジはほんの物入れ程度。少し大きい荷物を積む時は、後席の背もたれを倒さないとイカン。
ロッキー。ひとクラス上だけに後席の広さは勝る。こちらもスライドはしない
ロッキーは後席は広いのにラゲッジも広い。これが強みだ
タフト。前席をシートポジションにしても後席は広い(ただしスライドしない)。
ラゲッジは底が深い構造になっている
ただ、それでもいいと思うのですよ。いっつも4人フル乗車するわけじゃないんだから。クルマは広けりゃいいってもんじゃない。個人的な意見でした。
タフト標準装備のガラスルーフ。気持ちいい~ でも標準装備にする必要はあるの?
■Check03 走りや乗り心地はどうだ?
さて、いよいよ走りでございますね。ロッキーは、タフトから乗り替えるとよくわかるけど、さすが登録車なんだよね。トレッドの差がモロに安定感に現れる。
ロッキーはDNGAを生かしてしなやかな乗り味を実現している。タフトはボディは超しっかりなんだけど、足回りがちょいついてきていない感アリ
1Lターボはトルクフルで出力も自然。非常によくまとまってる! 文句はない! けど感動するほどじゃない。
一方、タフトはさすがDNGA。ボディの堅牢感は軽自動車随一。まるでドイツ車だ! タフトはドイツ戦車だ! さすがにタイガー戦車とは申しませんが、軽戦車だ!
エンジンもいい! ターボはビックリするほどパワフルで、はっきりいって速すぎる! CVTのセッティングなのか、アクセルを踏んでから一拍おいてグーンと伸びるので、つい加速しすぎてしまう!
トルクフルで安定した走りを見せるロッキーだが、タフトの俊敏なターボに「驚いた!」という清水氏。NAの走りも気に入っていた
それを見越してアクセルを踏まないといけません。NAだとすべてがちょうどいい! しかも回転フィールが実にいい。「コォォォォ~」というメカノイズが心地イイ! 男3名乗車でもラクラク走る!
ターボとNAどっちがいいか迷うところだけど、価格差は装備も含めると約7万円しかないので、なら速すぎるくらい速いターボを選んで、快速軽戦車に仕立てたい。
ただ足回りは、タントで感じた「路面をつかんで離さない接地性のよさ」が、いまひとつ弱かった。やっぱ最低地上高の高いSUVだからかなぁ。そこは残念。
■最後に価格やコスパはどうだ?
タフトの売れ筋、GターボのFFが約160万円。これは意外なほどお安いんじゃないですか? 一方、ロッキーのG(FF)は、約200万円。その差は約40万円。
ロッキーもタフトも充分お買い得だけれど、強烈な個性を持つタフトがこのお値段で買えるのは、インパクトに対するコスパが高い! その点ロッキーは、そこそこの良品が安く買えるという感覚。タフトのほうがコスパはいい
■結論 タフトのカーライフが幸せになれそう!
全体としてはロッキーのほうが余裕はあるけど、タフトはデザインやインテリアで圧勝している。40万円の価格差と維持費の差も考えたら、タフトのほうがシアワセになれると決定させていただきます!
もちろん人それぞれですが、クルマ好きならタフトのほうがシアワセになれると思いまちゅ! やっぱクルマは存在感がないとネ! タフトにはそれがある! 決して単なるハスラーのフォロワーじゃない!
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