■多発する「4輪車×バイク」の右直事故
昔と比べれば、交通事故や事故死者数は減少傾向にありますが、今でも減らせないのが負傷者数であり、その原因には右直事故が関係していいます。その右直事故を防げるかもしれない機能が新型ヤリスに搭載されているといいますが、どのような機能なのでしょうか。
駐車場で隣のクルマがドアパンチ! 傷は確認できないけど、警察を呼んでもいいの?
警察庁の発表によると、近年の日本国内の交通事故発生件数は、2004年(平成16年)の95万2720件をピークに減少傾向にあります。
交通事故による死者数も、1970年(昭和45年)の1万6765人に最多を記録した後は減少し、同様に事故死傷者数も70万人超だった1970年代以降、減少しています。
この理由はいくつか考えられていますが、クルマそのものの安全性能向上や、交通状況の整備、警察による取り締まり強化、国民の年齢構成の変化などが複雑に絡み合っているようです。
そして、公益財団法人交通事故分析センター(ITARDA)によれば、2019年の交通事故件数は38万1237件(前年比マイナス11.5%)で、事故による死者数も3215人(前年比マイナス9.0%)でした。
負傷者の数も46万1775人(前年比マイナス12.2%)と減少してはいます。が、しかし、ピーク時に比べて死者数は2割ほどまで下がっているのに対し、負傷者は4割ほどまでしか減少していないのが現状です。
つまり、交通事故死者数は減っているが、事故によるケガ人はあまり減っていません。これは、クルマの安全機能が向上したおかげで重大な死傷事故は減ったものの、「ついうっかり」が原因の小さな事故は減っていないということが、分かります。
ITARDAの分析で重大な事故として挙げているのは、「2輪車と4輪車の死傷事故」で、この事故の死傷者が、交通事故全体の死傷者の3分の1を占めているようです。
軽いケガ人も重傷者もどちらも多いのが「2輪車と4輪車の事故」の特徴で、2輪車は事故の被害者となる場合が多く、軽い接触事故でも重大な結果を招いているとしています。
また、4輪車同士の事故では追突事故や出会い頭事故が多い一方で、2輪車事故では出会い頭事故、右折×直進時事故が多くなっています。
これら事故の第2当事者の比率を見てみると、出会い頭事故で72%、右折時事故では87%となっており、これらの事故では、2輪車が被害者となる場合が多いようです。
具体的な事故例では、「コンビニの駐車場や小さな路地から出る車両と、道路通行中の来る車両との“出会い頭”の衝突」と「交差点などにおける右折四輪車と直進バイクの右直衝突事故」などが挙げられます。
では、2輪車×4輪車で多い右折時事故はどんな原因で起きているのでしょうか。
ITARDAの分析によると、全体の8割強が「発見の遅れ」であるうえ、その約7割が「安全確認不十分」であることが分かっています。
安全確認はおこなったものの、発見が遅れたということは、2輪車は「見落とされ」やすいといえるでしょう。このことからも、バイクに乗るライダーは4輪車から“見落とされている”かもしれないと考えて、防衛運転に徹することが重要なのです。
右折するクルマが直進してくるバイクと事故を起こす例は、原付1種など小さなバイクが多いとされます。乗用車がバイクを「見落とす」理由は、「想像していたよりも速くバイクがやってきた」というものが挙げられます。
原付バイクの制限速度は30km/hですが、交差点通過の際のバイクのライダーの心理には、「なるべく交差点で止まりたくない」という気持ちが先行し、加速させて通過する傾向が強まるといいます。2輪車は止まっているときがもっとも不安定であり、それを嫌うライダー心理の表れです。
また、「右折車線で前のクルマが右折通過したので、前のクルマについて行った」結果の事故も多いといいます。
さらに、右折しようとする4輪車が注意すべきは、対向する反対車線の大型車が渋滞などで停止し、右折を促すなどして通過しようとして、4輪車をすり抜けてくるバイクと衝突する、いわゆるサンキュー事故です。ここでも直進してくるバイクを見落とす「発見の遅れ」が発生しているのです。
以上のような交差点通過の右直事故を未然に防ぐ「見落とし、発見の遅れ」ための運転支援システムがヤリスなどに採用されている新しい「プリクラッシュ・セーフティシステム」で、同様の機能としてボルボの「インターセクション・サポート」などがあります。
■トヨタ初の安全機能とはどんなもの?
今回、ヤリスに採用されたプリクラッシュ・セーフティシステムは、交差点右折時に直進してくる対向車および右左折時に対向方向から横断してくる歩行者をミリ波レーダーと単眼カメラで検出。ブザーと表示で衝突の可能性を知らせ、その後プリクラッシュブレーキを作動。衝突回避または被害軽減をサポートする機能です。
これは、交差点を右折する場面で自車の進路を予測して、それと対向車の動線が交錯し、システムが危険と判断するとその度合いに応じて、警告音を発し、ドライバーが反応しない場合には衝突被害軽減ブレーキを作動させます。
また、右左折時に対面する横断歩道など通過する歩行者を察知して、前記と同じ回避行動を取ります。対象の認識機能とトラッキング精度を高め、自車と相手の行動予測精度を高めたことで実現しました。
右直事故防止ブレーキについて、トヨタの販売店スタッフは以下のように話します。
「クルマの安全装備は、あらゆる事故を防止するために開発されたものがほとんどですが、この装備は特定の事故防止に特化しています。つまり、それだけ多発している事故ということです。
右直事故に対して完全に『安心』できる装備ではなく、あくまで万が一の見落としを助けてくれる『補助』的な装備と考え、安全運転の心がけは忘れないでください」
※ ※ ※
1980年代から、各メーカーはクルマの安全性能向上の取り組みを強化してきました。エアバックや衝突被害軽減ブレーキシステムといった分かりやすい安全機能のほかにも、事故を起こした場合にボディが潰れることで衝撃を吸収し、乗っている人間への衝撃を和らげる車体構造など、昔と同じ状況で事故を起こしたとしても運転者や同乗者への衝撃を低減させる取り組みが奏功したといえます。
加えて、国土交通省と自動車事故対策機構は、安全なクルマが製造され、選ばれることを目的に、「自動車アセスメント(JNCAP=Japan New Car Assessment Program)」を1995年から実施。
クルマの安全性について、さまざまな試験をおこない、その結果を公表することで、クルマ選びの判断材料とすることが狙いで、試験項目は年を追うごとに追加・強化されています。
しかし、安全機能は進化・向上したとはいえ、まだまだ万能ではないので、過信しないように気をつけましょう。
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みんなのコメント
と思って走ってもらわないとね。
でないと、命がいくつ有っても足らない。