ヤリスクロス、ロッキー・ライズ、ハリアー、RAV4と、SUVのサイクルが一巡し、新たな時代へ足を踏み入れたことを感じさせる。
4月にはホンダ ヴェゼルの販売も開始され、2021年はこのあともランクル、エクストレイル、アウトランダーと、注目、そしてメーカーにとって「計算」のできるモデルの登場が目白押しだ。
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一昔まえから考えればここまでのSUV隆盛には隔世の感があるが、まさにその黎明期から時間をかけて浸透していったからこそ、SUVはここまで受け入れられているのだ、という声もある。
元ホンダ・新車開発者への取材なども交え、SUVのこれまでとこれからを追った。
※本稿は2021年3月のものに適宜修正を加えています
文/ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年4月26日号
【画像ギャラリー】黎明期から四半世紀…SUVはどう変わった? 取り上げた旧世代モデルと最新型・最終形を比較!
■いま「第2世代SUV」がアツい!!!
今まさにクロスオーバーSUVの人気が急上昇している。
例えば今年2月の販売台数を見てもヤリスクロスが9490台、ハリアーが8006台、ライズが7900台、キックスが5069台と、登録車のトップ20に5モデルのSUVが名を連ねている。
しかも、ヤリスクロスとハリアーは、コンパクトカーの売れ筋モデルフィットを抑えているのだからその売れっぷりがわかろうというものだ。
2021年2月の国内販売台数
ホンダ ヴェゼルの姿が販売上位に見えないが、すでに4月22日のモデルチェンジに向けて新型が公開されており、モデルチェンジ後の大躍進が期待される。
現在の国産クロスオーバーSUVは1994年にデビューした初代RAV4、それに続く初代CR-V(1995年デビュー)、初代フォレスター(1997年デビュー)からつながる系譜だ。
それ以前は「四駆といえばヘビーデューティ」という時代。
ランクル、サファリ、パジェロの時代にはSUVという言葉はまだなく、「クロカン四駆」などと呼ばれていた。
トヨタ ランドクルーザー
日産 サファリ
三菱 パジェロ。「SUV」という言葉がまだまだ聞かれなかった1980年代以前はいわば「SUV前史」。この時代はガッチリしたフレーム構造のランクル、サファリ、パジェロなどの「クロスカントリー4WD」しかなかった時代だった
クロカン四駆とクロスオーバーSUVの過渡期には「ライトクロカン」などという呼ばれ方の時期もあった。
スズキ エスクード…全長3560mm、全幅1635mmで1.6Lエンジンを搭載するエスクードがデビューしたのが1988年5月。フレーム構造ながらフロントストラットサスで、ライトクロカンテイスト(※写真は5ドアのノマド)
初代RAV4が登場する以前には、スズキ エスクードがライトクロカンのパイオニアで、ラダーフレームの頑強なシャシーを持ちながらもフロントサスはヘビークロカンでは当然とされたリジッドではなくストラットを採用。
その後の、RAV4、CR-Vなど乗用車のモノコックを使ったクロスオーバーSUV登場への基盤となった。
トヨタ 初代RAV4…現在の「クロスオーバーSUV」につながる最初の一台は、1994年デビューの初代RAV4だ
SUVがセダンに代わるファミリーカーとして認知されたのは1997年デビューの初代ハリアーだろう。
■元ホンダの新車開発者 繁浩太郎氏が語るSUV興隆の理由とこれから
元ホンダの新車開発者、繁浩太郎氏は現在のSUV人気を「人間の本能に根差している」と説明する。
つまり、運転しているドライバーのみならず、助手席に座る人にとっても、高い視点から見下ろすことが、本能的に心地いいのだという。
ホンダ 初代CR-V…1995年10月にはシビックのシャシーを活かした初代CR-Vがデビュー
お城の天守閣も高い場所だし、タワマンも高層階が高価格帯で人気がある。人間は本能的に他人より高所から見下ろしたいというのだ。
以前のクロカン4WDは車高が高いと操安性に不安があったが、ここ最近のクロスオーバーSUVは大きなタイヤに高い車高でも普通の乗用車感覚で走ることができる。
スバル 初代フォレスター…1997年2月にはインプレッサをベースとしたフォレスターが登場。スバルらしいフルタイム4WDだ
メーカー側の技術進化もクロスオーバーSUVを一般化させる大きな原動力になったのは間違いない、と繁氏は言う。
初代CR-Vを世に出す前、ホンダ社内では、モノコックで乗用車の足回りのこのようなモデルをアメリカで販売したら、岩場走って足が壊れたというクレームで大変なことになる、という慎重論が大半だったと繁氏は言う。
1990年代前半は、まだ「四駆=ヘビーデューティ」の認識だったのだ。
トヨタ 初代ハリアー…1997年12月に登場した初代ハリアーによって、ミッドサイズSUVの地位は確立した
さらに繁氏は、
「20年以上の時間をかけてメーカーがさまざまなSUVを投入していったことで、ユーザー側もクロカン4WDとクロスオーバーSUVの違いを明確に認識したということでしょう。
岩場に行くならランドクルーザーやランドローバーを選ぶ。ハリアーやCR-Vなら雪道やちょっとした未舗装路まで。
それすら行かないのなら、FFでもOKとユーザーが理解して、セダンがミニバンに移行したように、さらに新たなファミリーカーとしてSUVのよさに気がついたというのが、今のSUV人気の理由でしょう」
と分析する。
SUV新時代を迎え、今後ますますSUVは車種ラインナップを増やし、人気をさらに高めていくにちがいない。
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みんなのコメント
現在のSUVはファッション的な意味合いが強くて、オフロード走る人は皆無だと言ってもいいでしょう。
運転視界は良いですが、タイヤ周り等そろそろ食傷気味です。
発売当初のオデッセイやスバルレガシーみたいな余裕のある車に乗りたい。