現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 名作カウンタックの進化形、初期型「ディアブロ」(1990)【ランボルギーニ ヒストリー】

ここから本文です

名作カウンタックの進化形、初期型「ディアブロ」(1990)【ランボルギーニ ヒストリー】

掲載 更新 1
名作カウンタックの進化形、初期型「ディアブロ」(1990)【ランボルギーニ ヒストリー】

Lamborghini Diablo

ランボルギーニ ディアブロ

ディアブロの進化と派生モデルを追う(1992-1999)【ランボルギーニ ヒストリー】

カウンタックの後継車として開発

新たにランボルギーニを手中に収めたクライスラーが何よりも優先したかったのは、12気筒ミッドシップのカウンタックをニューモデルへと進化させ、さらにプロダクションモデルのラインナップを整理することだった。カウンタックの最終進化型であるアニバーサリーは、確かに魅力的な商品ではあったが、社内のエンジニアリング・チームは、すでにカウンタックに代わる新型車の開発プロジェクトがP132の社内コードを掲げてミムランの直々の指示によって1985年にはスタート。カウンタックの先にあるべきものの姿を模索する動きが積極的になり始めていた。

最高速度の目標値は315km/h以上

カウンタックをフルモデルチェンジすること。これはカウンタック アニバーサリーの生産途中にミムランから新たにランボルギーニの経営権を譲り受けた、アメリカのクライスラーにとっても最優先すべき案件だった。ミムランはP132プロジェクトをスタートするにあたり、それを「十分な視界を確保した快適で安全な」、「カスタマーからの親近感が得られる」、そしてもちろん「カウンタック以上の運動性能を実現」するとともに「世界各国の排出ガス規制をクリアする」モデルにすることと命じていた。目標とした最高速度は実測値で315km/h以上。ジュリオ・アルフィエーリをチーフに、そしてルイジ・マルミローリという優秀な頭脳を擁していた当時のエンジニアリング・チームは、あたかも創業直後のダラーラとスタンツァーニのコンビが再びランボルギーニに復活したかのようだった。

デザインはカウンタックと同様、ガンディーニに

さまざまな検討を重ねた結果、エクステリアとインテリアのデザインはカウンタックと同様に、すでにベルトーネから独立して自身のデザインスタジオを興していたガンディーニに依頼。シャシーやパワートレーンの基本構造はカウンタックのそれを受け継ぐことが決定された。当時のランボルギーニには、新たなパワーユニットを開発する資金的な余裕はなく、P132においてもカウンタックと同様にパワーユニットを前後逆方向に後方のエンジンルームから搭載するという設計を継承するほかに選択肢はなかったのだ。ただし、P132では新たな試みが行われることも決定した。それはかつてスタンツァーニがチャレンジしようとした4WDモデルの設定。コンパクトなビスカスカップリングを用いることで、それを実現しようと試みたのだ。

1990年代、唯一の生産車

P132には「ディアブロ」というネーミングが与えられ、1990年に誕生した。この時点で8気筒モデルのジャルパは生産が終了しており、生産が細々と続いていたLM 002も1993年にはモデルラインナップから姿を消す。つまりディアブロは、1990年代のランボルギーニがほぼ唯一生産したモデルともいえる。それに対する期待度は、ランボルギーニはもちろん、クライスラーにとってもきわめて大きなものであったことは当然だろう。

V型12気筒エンジンはカウンタック アニバーサリー譲り

最初に登場したディアブロに搭載されたエンジンは、5702ccのV型12気筒DOHC48バルブで、これはカウンタック アニバーサリー用のものをベースに、ボア、ストロークの両方を拡大したものだ。カムシャフトはそれぞれに独立したチェーンで駆動され、さらにクランクシャフトへとつながるもう1本のチェーンが存在する。ブロックとヘッドは、いずれもアルミニウムとリチウムによる合金製。60度のバンク角は、かのビッザリーニによって設計された、350 GTV用のV型12気筒エンジンからはじまったランボルギーニ伝統の設定だ。

シザースドアも継承

ガンディーニによるデザインには、クライスラーの意向でいくつかの修正が加えられたが、それでもいかにもランボルギーニ製のスーパースポーツといったその姿は、現代の目で見ても大きな魅力を感じる。左右のドアはもちろんシザースドア。カウンタックに比べてキャビンの居住性が大幅に高まったこと、そしてフロントに備わるラゲッジルームの使い勝手もディアブロの魅力としては見逃せない部分といえる。

【SPECIFICATIONS】

ランボルギーニ ディアブロ

発表:1990年

エンジン:60度V型12気筒DOHC(4バルブ)

総排気量:5707cc

圧縮比:10.0

最高出力:361kW(492ps)/6800rpm

トランスミッション:5速MT

駆動方式:RWD

車両重量:1490kg

最高速度:295km/h

解説/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

こんな記事も読まれています

ラルグスの軽自動車向け車高調キット「SpecK」にホンダ『トゥデイ』用登場
ラルグスの軽自動車向け車高調キット「SpecK」にホンダ『トゥデイ』用登場
レスポンス
追加メーターは雰囲気作りのアイテムじゃない! 純正の警告灯じゃ足りない「エンジンブロー」を防ぐ大切な役割とは
追加メーターは雰囲気作りのアイテムじゃない! 純正の警告灯じゃ足りない「エンジンブロー」を防ぐ大切な役割とは
WEB CARTOP
ダイハツ「斬新オシャレ軽トラ」がスゴい! “丸目”レトロデザイン×屋根なし仕様!? めちゃカワイイ「バスケット」とは
ダイハツ「斬新オシャレ軽トラ」がスゴい! “丸目”レトロデザイン×屋根なし仕様!? めちゃカワイイ「バスケット」とは
くるまのニュース
自動車レースはゴルフのように男女別にすべきか。“変革期”の今だからこそ聞く、女性モータースポーツ界の目的地
自動車レースはゴルフのように男女別にすべきか。“変革期”の今だからこそ聞く、女性モータースポーツ界の目的地
motorsport.com 日本版
圏央道に「インターもう1つ!」千葉県&成田空港が要望 “アクアライン直結”目指す新IC構想とは
圏央道に「インターもう1つ!」千葉県&成田空港が要望 “アクアライン直結”目指す新IC構想とは
乗りものニュース
ホンダが「アウトドアにちょうどいい」小型ミニバン初公開! アクティブなルックスの「フリードクロスター」は“SUVのようなゴツさ”が魅力的
ホンダが「アウトドアにちょうどいい」小型ミニバン初公開! アクティブなルックスの「フリードクロスター」は“SUVのようなゴツさ”が魅力的
VAGUE
マツダが“赤い”新型「和製スポーツカー」実車展示! “市販化”進むロータリーマシン!  RX500&RX-EVOLVとの関係は? 白もある「アイコニックSP」とは
マツダが“赤い”新型「和製スポーツカー」実車展示! “市販化”進むロータリーマシン! RX500&RX-EVOLVとの関係は? 白もある「アイコニックSP」とは
くるまのニュース
初めてバイクを買う人必見!新車と中古車のメリット・デメリット
初めてバイクを買う人必見!新車と中古車のメリット・デメリット
バイクのニュース
【ホンダ フリード 新型】「フリードらしいデザイン」とは? 新型で実現したデザイナーたちの挑戦
【ホンダ フリード 新型】「フリードらしいデザイン」とは? 新型で実現したデザイナーたちの挑戦
レスポンス
835馬力、新型V12気筒エンジンを発表! アストンマーティンはV12を捨てずに継続して開発することを決定しました
835馬力、新型V12気筒エンジンを発表! アストンマーティンはV12を捨てずに継続して開発することを決定しました
Auto Messe Web
「DGR東京イーストライド」が5月19日に迫っている!クラシック&ヴィンテージスタイルで走り、前立腺がん研究などに貢献!  
「DGR東京イーストライド」が5月19日に迫っている!クラシック&ヴィンテージスタイルで走り、前立腺がん研究などに貢献!  
モーサイ
青島文化教材社からヤマハVmax(1985~)、1/12スケール完成品モデル3色が8月より発売予定
青島文化教材社からヤマハVmax(1985~)、1/12スケール完成品モデル3色が8月より発売予定
モーサイ
暗い車内でもよく見える! LEDライト付きベビーミラー「K-MIRA09」
暗い車内でもよく見える! LEDライト付きベビーミラー「K-MIRA09」
月刊自家用車WEB
この椅子めっちゃラク! あぐらがかけるキングサイズのアウトドアチェア【車に積みたいアウトドアアイテム】
この椅子めっちゃラク! あぐらがかけるキングサイズのアウトドアチェア【車に積みたいアウトドアアイテム】
月刊自家用車WEB
ジープ「ラングラー」6年ぶり改良 フロントデザイン変更 799万円のエントリーグレード追加
ジープ「ラングラー」6年ぶり改良 フロントデザイン変更 799万円のエントリーグレード追加
日刊自動車新聞
ステランティス DS4 にひなげしの花をイメージしたChat GPT搭載の特別仕様車「DS 4 RIVOLI BlueHDi Coquelicot Edition」を発売
ステランティス DS4 にひなげしの花をイメージしたChat GPT搭載の特別仕様車「DS 4 RIVOLI BlueHDi Coquelicot Edition」を発売
Auto Prove
50号車フェラーリが最速も最低重量違反で予選失格。5号車ポルシェが繰り上がりポール獲得|WEC第3戦スパ6時間
50号車フェラーリが最速も最低重量違反で予選失格。5号車ポルシェが繰り上がりポール獲得|WEC第3戦スパ6時間
motorsport.com 日本版
日産「新型コンパクトSUV」まもなく登場!? トヨタ「ヤリスクロス」サイズの「斬新モデル」! 「新ジューク」日本再上陸の可能性とは
日産「新型コンパクトSUV」まもなく登場!? トヨタ「ヤリスクロス」サイズの「斬新モデル」! 「新ジューク」日本再上陸の可能性とは
くるまのニュース

みんなのコメント

1件
  • ガキの頃からの憧れの車。仕事の関係で一度だけ運転させてもらった事があるけど、やたらアクセルが重かったのと、バックするときに自然とカウンタックリバースをやっていたのを覚えてる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2250.04150.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2769.03800.0万円

中古車を検索
ディアブロの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2250.04150.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2769.03800.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村