新型フィットは肌触りの良いクルマ！ 1.3Lガソリンエンジン車の公道試乗で実感した

“心地よい”を基準に開発されたコンパクトカー

2020年2月14日にフルモデルチェンジした4代目ホンダ「フィット」に公道で試乗することができました。そのプロフィールから説明すると、グランドコンセプトは「用の美・スモール」。わかりやすい言葉で言い換えれば“心地よい”ことを基準に開発されたコンパクトカーです。ハードウェア的にいえば、基本となるプラットフォームはキャリーオーバーで、1.3Lガソリンエンジン＋CVTのパワートレインも従来モデルのブラッシュアップ版。一方、ハイブリッドは「e:HEV」と名付けられた2モータータイプで電気駆動を基本としたもの。こちらは1.5Lエンジンと組み合わされています。

グレード展開はユニークなもので、従来は装備差によって値段も異なり、エントリーグレード、売れ筋グレード、上級グレードという風に区別ができましたが、新型フィットでは「ベーシック（BASIC）」「ホーム（HOME）」「ネス（NESS）」「クロスター（CROSSTAR）」「リュクス（LUXE）」と5つのテイストがラインナップされ、それぞれに1.3Lガソリンエンジン車と1.5Lハイブリッド車が設定されるという構成になっています。

SUVテイストでフロントグリルを与えられたクロスターは最低地上高を160mm他グレードより上げ、3ナンバーボディとなっています。その他グレードは基本的にグリルレスの表情は共通、愛嬌のあるヘッドライトのデザインもあって、いずれも親しみやすい雰囲気をかもし出しています。

陽射しを浴びてソファーでリラックスするような…

今回、試乗したのはカジュアルスポーツ・テイストのネス。パワートレインは1.3Lガソリンエンジンの前輪駆動モデルです。乗り込んで最初に気付くのは、とにかく静粛性に優れていること。ドアを閉めた瞬間、スッと周囲のノイズが消えるのが実感できます。そのまま目を前にやるとフラットなダッシュボードや細身のAピラーによる広い視界に驚かされます。

こうした特徴は走り出すと、さらに際立ちます。基本設計は先代からのキャリーオーバーというパワートレインですが、そもそもCVTなので急加速時以外はエンジン回転も低く、走行中の車内もコンパクトカーと思えないほど静か。さらに視界も広いので、心地よく走ることができるのです。たとえるなら、ガラス越しに春の陽射しを浴びてソファーでリラックスしているような気分という感じでしょうか。

新開発のハンドルやシフトレバーも操作感がいい

新デザインの2本スポークステアリングホイールは見た目とは裏腹に剛性感が高く、適度にクルマとつながっている感触が味わえます。心地よさを追求したというシフトレバーも新設計で、こちらも従来モデルとは段違いの扱いやすさ。とくにエンジンブレーキを強めるSレンジからDレンジに戻すとき、自然な操作感なのはうれしいポイントで、従来のホンダ車ではSレンジからDレンジにチェンジする際に勢いあまってNレンジまで行ってしまうこともあったのですが、新型フィットはとくに気にすることなくシフトチェンジできます。このシフトレバーはハイブリッドにも採用されています。

心地よさを目指したからといって走りがダルというわけでもありません。ハンドリングの剛性感に効く、サスペンション取り付け部やねじり剛性を高めるダッシュパネルの板厚アップ（0.8t→1.2t）などの成果もあって、ステアリング操作に対してリニアにクルマが動いてくれます。スポーティ過ぎず、心地よい乗り味とハンドリングを両立させたものです。荒れた路面での微振動やギャップでの大入力もサスペンションが受け止めて、ショックをいなしていることが確認できました。

スペックを追いかけるのを止め、心地よさを指標に開発された新型フィット。海外では「ジャズ（JAZZ）」とう名前で売られるグローバルモデルではありますが、日本市場も意識した開発が進められたとのこと。名前の通り、日本の市街地にフィットする新しいコンパクトカーの誕生です。

文・写真：山本晋也（自動車コミュニケータ・コラムニスト）

Comments

ヤリスの公道試乗記事がない
もっといえば車の記事もない
ひも付きヒョーロンカも記事書けないほど良くないのか
ＣＭばかり目につくが

結局はシティーコミューターだからこの程度でも十分すぎる。