小さな断片から自動車史の広大な世界を管見するこのコーナー、今回はパリでその才能が見出されて、世界的な自動車画家となった吉田秀樹画伯の日本での個展が開催される機会に、彼との思い出を綴ってみようと思う。
深淵なる表面、吉田秀樹の世界へ
プジョー402/道具的意味合いの強いクルマに感性的なカタログという組み合わせ【自動車型録美術館】第26回
初めて吉田秀樹画伯の存在を知ったのは、雑誌で紹介されたフランスのフェラーリ愛好家たちの記事だった。
フェラーリ250GTOやTdFなどのオーナーたちが週末に集まってコテージで過ごしたり、ドライビングを楽しんだりしているライフ・スタイルで、そのソサエティのなかに吉田さんもいた。日本の現状とはかけ離れた、夢のような情景だったから、とても遠い世界の人として吉田さんは現れたのであった。
1986年ごろから日本でも吉田さんの個展が東京や京都で開催されるようになり、初めて見る原画にあらためて感動を覚えた。清らかで瑞々しく、過剰なものがなくミニマムであり、クルマの表面を描いているのにもかかわらず深みがあり、静謐で凛として張り詰めた作品は、それまで見慣れた自動車のイラストとは次元の違う、芸術家による本当の絵画作品であった。
最初にリトグラフを手に入れた時の感激は忘れられない。その頃は、ジャッキー・イクスが富士スピードウェイのWECのレースで来日するたびに訪れていたミニカーショップ・コジマのご主人が吉田さんの大ファンとして日本での展覧会を応援されており、小嶋さんの紹介で、吉田さんにお目にかかる機会を得た。
中村デザイナーの指摘のように、そのデッサン力と構成力の高みは、こういうミニマムな表現でこそ明らかにされる。海外のヒストリックカーイベントで参加者への記念品として吉田さんの版画が配布されているのを見て、コッパディ小海でも依頼した。
だんだんと親しく交友させていただくようになり、吉田さんも私が携わるコッパディ小海に出場されたこともあったが、それ以上に私がヨーロッパに滞在したおりにお世話になることが多かった。ル・マンに出場したフェラーリばかりを集めていた最高のフェラーリ・コレクターだった故ピエール・バルディノンさんをご紹介いただき、その友人だけに見せるコレクションや私設サーキットを訪問させていただいたり、フランスのいろんなイベントにも同行させていただいた。
モンレリーのサーキットも吉田さんの友人たちと一緒に走ったし、モナコ・ヒストリックやル・マン・クラシックにも、その第1回目に招待されたのは、吉田さんの交友関係あってのことだった。様々なヒストリックカーを観ることができたが、それ以上に吉田さんと一緒にいるということで、書物でしか知らなかった歴史的人物から親しく言葉をかけていただき、感激もひとしおだった。吉田さんのおかげで、ヨーロッパのヒストリックカー社交界への扉を開いていただいたようなものだ。
楽しい思い出はつきないが、フェラーリの50周年記念イベントに250GTルッソで一緒に出場した時に、ローマ市街を見下ろすテラスでジョン・サーティースら歴代のスクーデリア・フェラーリのレーサーたちと共に夕刻のアペリティフの時を過ごしたことは永遠に忘れられない。
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