暑かった夏も終わり、季節は秋から冬へ。そろそろ冬タイヤのことが頭の片隅に浮かんでいるドライバーもいることだろう。ついこの間、冬タイヤから夏タイヤに交換した気がするが、季節が移ろうのは早いもの。
ベストカー本誌連載「クルマの達人」でもおなじみ、自動車評論家 国沢光宏氏。自らの愛車2台のタイヤで、ある実験をしてみたという。
検証・スタッドレス&オールシーズンタイヤを2シーズン履き続けてわかったこと【クルマの達人になる Vol.606】
2シーズンの長期にわたって試みられたこの実験。わかったことを綴ってもらった。
※本稿は2022年10月のものです
文/国沢光宏、写真/AdobeStock(メイン写真=VLRS@AdobeStock ※画像はイメージです)
初出/ベストカー2022年9月26日号
■2台の愛車×スタッドレス&オールシーズンタイヤで2シーズン過ごしてみた
自らの愛車2台にそれぞれスタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤを履き長期テスト中だという国沢氏(tkyszk@AdobeStock ※画像はイメージです)
私のボルボXC60は1年中スタッドレスタイヤを履いて2シーズン目になる。リーフe+もオールシーズンタイヤを履いて2年目。
なんでそんなことをしているかといえば、テストです。
本来ならXC60は夏タイヤにしてもいいのだけれど、オールシーズンタイヤとの比較の意味でスタッドレスタイヤだったりして。
夏を2回過ごした評価はどうかといえば、使い方とタイヤチョイスさえしっかりやれば充分使えますね、ということになる。以下ジックリ。
まずスタッドレスタイヤだけれど、XC60はクルマからすれば太めのサイズということもあり、スタッドレスタイヤ特有の“ぐにゃぐにゃ感”はほとんど感じない。
むしろ純正の夏タイヤだとゴツゴツした乗り心地が気になるのだけれど、「スタッドレスタイヤ+しっかり動くネオチューンのダンパー」でちょうどいい感じ。
スタッドレスタイヤにしてから舗装路ばかり2万km走っているものの、摩耗も気にならない。もはや夏タイヤに変える気がないほど快適。困ったモンだ。
リーフはオールシーズンタイヤなのだけれど、交換した時に選べたサイズの関係で、少し細めとなった。
標準だと215/50R17のところ、205/55R16。見た目も明らかに細い。これが失敗だったかもしれない。
考えてみたらオールシーズンタイヤは同じサイズでも標準タイヤより柔らかいし、グリップ力だって少し低くなる。
本来ならワンサイズ太くするべきだったんだと思う。加えてトルクのあるFFという点も厳しい。
アクセルを踏むと容易にホイールスピンしてしまい、ハンドリングはグニャグニャ感が出てしまった。細いサイズだと夏タイヤだったとして頼りない感じになるだろう。
タイヤサイズってそんなものです。ワンサイズ上の225/55R16とか2サイズ上の235/50R17にしておけばよかったんだと思う。
ただ細めを選んだため、転がり抵抗はあまり増えなかったらしく、電費は標準とあまり変わらず。冬場だけ考えるのなら、オールシーズンタイヤも悪くないかな、と考える。
まぁそれだとオールシーズンタイヤの意味ありませんね(笑)。
ということで、4WDなら標準のワンサイズ上くらいを選び、FFは2サイズ上くらいのタイヤを選んだらオールシーズンタイヤで納得のいく使い勝手になるんじゃなかろうか。
不思議なことにタイヤサイズを大きくするとカッコよく見える。細くしたら弱々しく見えてしまう。
クルマ好きなら2サイズ上を推奨しておく。車検はタイヤが10mm以上ハミ出さなければ問題なし。
もう1つ。年間走行距離が多いなら、やはり夏タイヤに交換することを推奨する。摩耗性能や燃費はオールシーズンタイヤより夏タイヤ優位。
大雑把な目安として年間走行距離1万km以内ならオールシーズンのままで。
1万km以上走るならオールシーズンタイヤじゃなく冬はスタッドレスタイヤを履く。
それが2シーズンに渡りオールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤを履き続けた大雑把な印象です。
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