日本の自動車業界にとって年明けの一大イベントと言えば東京オートサロンだ。ここではカスタマイズカーはもちろんだが、近年は新車表が行われたりもする。しかし、もう一つ最近ニューモデルのお披露目の場となっているのがアメリカラスベガスで開催される電子機器の見本市であるCES(セス)だ。
文:西川彰吾╱写真:ベストカー編集部
背面タイヤじゃないの!? 電気版Gクラスの工夫が衝撃!! 次のホンダ高級サルーンも鬼ヤバなデキだぜ
■そもそもCESとは?
冒頭で電子機器の見本市と紹介したが、そもそもCESとは何なのか?CESはコンシューマー・エレクトロニクス・ショーの略で、年に1度1月に開催される。今年は1月9日から12日までの期間で開催された。
初開催は1967年と歴史が長く、当初は家電を含む電子機器の見本市であった。時代を振り返るとビデオテープやCD、DVDなどがこの場で発表されたりした。しかし、最近は電動化やコネクテッドサービスの普及などにより、自動車メーカーもCESを重要な技術アピールの場として捉えていて、毎年各社がコンセプトモデルや最新技術を発表する場になっている。
ではここからは今年のCESで話題となった自動車たちを簡単にだが振り返っていこう。
■ホンダ0シリーズ
低いフロントノーズからスポーツモデルのような躍動感を感じる
日本メーカーで大きな話題を生んでいたのがホンダだ。以前から紹介されていたソニーとホンダの共同開発車両である「AFEELA(アフィーラ)」もより進化したプロトタイプが発表されていたが、話題の中心となったのは「ホンダ0シリーズ」だ。
0シリーズは2050年を目標とした自社製品のカーボンニュートラル化や2040年までを目標とした全車種EVもしくはFCEV化を象徴するモデルとされている。
今回発表されたのは「SALOON(サルーン)」と「SPACE-HUB(スペース ハブ)」という2台のコンセプトモデル。
「SALOON(サルーン)」はホンダ0シリーズのフラッグシップコンセプトモデルだ。前衛的なデザインが特徴的だが、これはEV専用アーキテクチャを採用したことにより実現できたデザインで、ホンダが長年大切にしているスペースを有効活用するM・M思想をEVでも取り入れた結果だ。
直感的な操作が可能なUI、視界の爽快感といった最新アイテムと、ステアバイワイヤの採用や進化した姿勢制御などが組み合わさり、ドライバーの感性に共鳴するドライビング体験の提供を目指したモデルだ。
「SPACE-HUB(スペース ハブ)」は「人々の暮らしの拡張」を提供することをテーマに開発したモビリティ。ユーザーの「やりたい」に則剤に応えるフレキシブルな空間を備えたモデルで、広々とした空間と見晴らしのいい視界を実現している。
新幹線の回転シートのように向き合って座ることが出来るシートと、フラットな面積の大きなフロアは次世代のBEVならではのインテリアと言える。
■メルセデスはあの名車のEVモデル!?!?
伝統のデザインを継承しながら新しい魅力を取り入れた
CESに力を入れている大手自動車メーカーと言えばメルセデスベンツだ。今回は伝統のGクラスのEVプロトタイプを初公開。伝統のラダーフレームにバッテリーを内蔵し、それぞれの車輪用に4つのモーターを装備。大トルクを生かしたドーナツターンを披露したデモンストレーションも行われた。
また、メルセデスの車載インフォテインメントシステムであるMBUXの新たなバーチャルアシスタントシステムが発表されたり、航続距離が750km以上とされるBEVのコンセプトモデル「コンセプトCLA」が発表されるなど様々なニュースを届けていた。
他にも様々な自動車…もとい最新モビリティのトピックスに溢れていたCES。モビリティの未来を占う上で見逃すことのできないショーとなっているのだ。
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