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ロータス ケータハム モーガン… 英国ライトウェイトスポーツ列伝

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ロータス ケータハム モーガン… 英国ライトウェイトスポーツ列伝

 ライトウェイトスポーツ。「軽くて」「小さく」「速く」、そして「愉しい」。そんなドライビングプレジャーあふれるクルマたちを指す言葉だ。

 日本ではマツダ ロードスターなどを語る時にセットで持ち出されるようなキーワードだが、これに触れるならばイギリスを避けては通れない。なぜなら、イギリスにはロータス、マーコス、ジネッタ…などなど、伝統あるライトウェイトスポーツブランド、そしてモデルが目白押しだからだ。

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 ただ現在、その英国にもEVの風は例外なく吹き荒れていて、老舗ロータスは「最後のガソリン車」としてエミーラを発表した。

 本企画ではエミーラ発表の報を軸に、英国ライトウェイトスポーツの系譜について振り返ってみたい。

●トピック
・ロータス最後の「ガソリンエンジン」スポーツ「エミーラ」登場
・英国ライトウェイトスポーツメーカーの足跡
・なぜ英国ではライトウェイトスポーツが多く生まれたのか?
・ロータスエリーゼってもう買えないの??

※本稿は2021年7月のものです
文/岡本幸一郎、ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年8月26日号

【画像ギャラリー】総勢6台! 日本で新車で購入できる英国生まれライトウェイトスポーツを一挙紹介!!

■スポーツカーメーカー、ロータス最後の「ガソリンエンジン」スポーツ「エミーラ」登場!

 ロータスは2021年7月7日、メーカー史上最後となるガソリンエンジン搭載スポーツカーである「エミーラ」を発表した。

 「エミーラ」という車名の意味は、古代言語で「司令官」もしくは「リーダー」という意味の言葉であり、その車名や意味から、ロータスがEV化する前にガソリンエンジンのスポーツカーとして世界をリードするという意味が込められている。

3.5L V6スーパーチャージャーおよび2L直4ターボの2種類のエンジンを用意。主要諸元は全長4412×全幅1895×全高1225mm、ホイールベース:2575mm、車重:1405kg(目標値)

 デザインはEVプロトであるエヴァイヤの特徴をふんだんに取り込んだもので、流線的で人目を惹くエクステリアにまとめ上げられている。

 気になるエンジンだが、エキシージとエヴォーラで搭載された3.5L V型6気筒エンジンに、2022年以降のモデルではロータス史上初のAMGの2L直列4気筒「i4」を追加するとアナウンスされた。

最高速は290km/hに達するとされ、0-100km/hは4.5秒以下を記録

 トランスミッションはV6仕様のみATとMTが選択可能で、直4仕様はDCTのみとなる。最高出力は365psから405psとされる。

 車重は目標値として1405kgと発表された。コンセプトとして、日常使いができるスポーツカーを目指したという。ただスパルタンではない、快適性なども高次元で両立させたモデルとなっている。

最新ADASなども装備された先進的なデザインのコックピット

■英国が誇るライトウェイトスポーツメーカーの足跡

 英国には大手自動車メーカー以外にも、独自のライトウェイトスポーツカーを作るさまざまな規模のメーカーが存在していた。

 時代の荒波にもまれ、惜しくも姿を消したメーカーもあるが、どのメーカーもファンの記憶に深く刻まれる名車を生み出してきた。若かりし頃に、憧れた、またはその走りに魅了されていた、という読者も多いのではないだろうか。

 今回は、そんなライトウェイトスポーツカーを生み出し、歴史に名を刻んだ英国の代表的な7メーカーについて、足跡を振り返ってみたい。

●ロータス

 売れ残った中古のオースチンの改造から始まったロータスの歴史は、奇才コーリン・チャップマンの、「ひたすら軽く、ハンドリングに優れるスポーツカーを」という自身の理想を追求した歴史でもある。

 レーシングカーの開発から販売を手がけるかたわら、セブンなど市販車も販売を試みるなかで、1962年発表のエランで大きな成功を収める。

日本でも人気の高いエリーゼ、エキシージ、エヴォーラといったモデルを生み出したロータス

 さらに同じ時期にフォード・コーティナのチューニングでも名声を得る。F1でもタイトルを獲得するなど、市販車ではヨーロッパでも成功を収め、1970年代もエリート、エスプリが人気を博す。

 1982年にチャップマンが急逝するとロータスは低迷するが、1996年登場のエリーゼで復活をとげ、ライトウェイトスポーツカーメーカーであり続けている。

ロータス初のMR車、ヨーロッパ

●ケータハム

 1959年にケータハムの地で開業したロータスディーラーが始まり。創業者のグラハム・ニアーンが自らロータス車を駆りモータースポーツに参戦したことでC・チャップマンとの親交が深まった縁から、1968年には「公道を走れるフォーミュラカー」として人気を博したセブンの独占販売権を取得。

 さらに1973年にロータスがセブンの生産終了を決めるや、ケータハムがその製造販売を引き継ぐことになった。21世紀に入り、投資家集団による買収劇などを経験したのち、今年4月に日本のVTホールディングスの子会社となった。

1960年代にはF1に出場していたセブン。公道を走るレーシングカーだ

●MG

 1920年代半ばに創業した「モーリス・ガレージ」が始まり。当初は大手メーカーであるモーリスのスポーツ部門的位置づけで、レース、ラリーなどで名を残す。

 市販車では1955年のMGAでその名を一躍世界に知らしめ、英国スポーツカーのブームが起こったほどの成功を収め、続く1962年のMGBも19年の現役を務め52万台超が販売された長寿ヒット作となる。

MGの発祥年については諸説がある。写真は、1995年に登場したMGF

 1993年には世界限定2000台のRV8で話題となり、1995年にはローバーが開発したミドシップ2シーターオープンのMGFを発売するなどしたが、21世紀に入ってほどなく業界再編の波に飲まれ、辛うじて名が残っている状況だ。

●トライアンフ

 現在は二輪メーカーとしてその名を残すが、1921年に進出した四輪でも、当初は高級車に特化した後スポーツカーでジャガーのライバルとしてしのぎを削った。

 1953年より始めたTRシリーズが有名でTR2からTR8まで進化し1981年まで生産した。一方で1960年代には戦闘機の名を冠したスピットファイアのような名作を送り出す。

 ブリティッシュレイランドのなかでも特別扱いされていたが末期は尻すぼみで、1981年にホンダ車をライセンス生産したアクレイムを送り出し、それが1984年にローバーに引き継がれると、トライアンフの四輪車は終焉を迎えた。現在商標を所有するBMW傘下での復活の噂が絶えない。

代表的2シータースポーツカーであるTRシリーズの7代目となるTR7。それまでの丸目デザインからがらりと変わった

●オースチン

 1952年に発足したBMCのなかで主導的立場にあり、二度の大戦時には兵器から飛行機までも製造したオースチンが、当時エンジニア兼デザイナーとして活躍していたドナルド・ヒーリーとの間で契約をかわし、20年という期限つきで誕生した。

 合意期限の1972年までスポーツカーを生産することを取り決め、同門のMGとのバッジエンジニアリングを含め、排気量の大きいクラスを主に受け持った。

モーリスとオースチンの2つのブランドから販売されたミニ。革命的と言われ大ヒットした

 その大半が輸出された北米ではテールドロップの美しいカーヴィースタイルが人々を魅了し、「アメリカの恋人」とまで呼ばれた。一方、下のクラスでは「フロッグアイ」や「カニ目」と呼ばれたスプライトが人気を博した。

「カニ目」で親しまれるヒーレー スプライト

●モーガン

 イギリスで数多生まれたブランドのなかでも異色の存在であり、今でもモーガン一族による経営を続ける純血のスポーツカーメーカーである。

 1909年にH・F・S・モーガンが3ホイーラーのスポーツカーを製作したのがはじまり。その後、1936年に4輪の4/4を発表。以降、ローバー製V8エンジンを搭載したプラス8などをラインナップしつつ、現在までほぼスタイルを変えず製造を続けてきた。

 2000年にはBMW製V8を搭載したエアロシリーズ。さらに2011年には現代風にリメイクした3ホイーラーを発表するなど新しいアプローチも見られる。

モーガンのクルマ作りの特徴として、木製フレームを用いる独自の手法が挙げられる。写真は3ホイーラー

●TVR

 1947年に創業。社名は創業者トレバー・ウィルキンソンの名前「TREVOR」の子音3文字にちなむ。

 「スポーツカーは大馬力で軽量であればそれでよい」をモットーに、鋼管チューブラーフレームに軽いFRPボディを被せた軽量でハイパワーなFR車を手がけてきた。

 当初は受注生産で、経営陣や販売も不安定だったが、1986年発表のSシリーズが中興の祖に。以降、3代目グリフィス、キミーラ、サーブラウ、タスカン、タモーラなどを矢継ぎ早に送り出し、英国最大の独立したスポーツカーメーカーとなる。

 独特のデザインはもとより、1990年代には自社開発のV8エンジンを搭載したことも話題となったが、2006年に経営破綻。ところが2017年に新型車を発表した。

FRレイアウトを採用した2シーターオープンスポーツのグリフィス(2代目)

■なぜ英国ではライトウェイトスポーツが多く生まれたのか?

 欧米ではいわゆるキットカーを楽しめる環境が整っている国がいくつもあるが、なかでもイギリスは群を抜いてその数が多い。

 背景には課税の高い完成車に対し、分解された自動車は部品扱いと同等の低い課税ですむなど法規的なハードルが低いことや、イギリス人が気質としてこうしたクルマを好むことが主な理由として考えられる。

 今でもF1チームの多くが本拠地を置くほどで、世界のモータースポーツの中心でもあるイギリスでは、早くから一般人もモータースポーツへの参加が盛んだった。いわゆる“お国柄”というわけだ。

ミニ・クーパーは1960年代にラリーで活躍。小型・軽量なボディで暴れまわった

 自身が駆る車両を調達するため、人々は個人的な趣味の延長のようなガレージから立派な工場を持つ専門メーカーまで、「バックヤードビルダー」と呼ばれる業者を頼った。

 さらには、それを受けてFRPや金属パネルをはじめ、大がかりな鋼管スペースフレームやカーボンモノコックの製作までにも対応できる専門の業者がいくつも生まれた。

モーガン社のフラッグシップマシン、エアロ8ベースに開発したGT3マシン

 イギリスでは、より多くの人々にとって“クルマ道楽”を始めやすい環境が整っているというのはうらやましいかぎり。

 こうした一連のことは自動車の「文化」として根付いており、過去だけでなく現在でも同様の小規模メーカーが続々と誕生しているのだ。

【番外コラム】ロータスエリーゼってもう買えないの?

 現在ロータスの公式HPを見ると、エリーゼの新規注文をすべて締め切っている。もうエリーゼは新車で狙えないのか? 問い合わせたところ、「日本国内は全部売り切ってしまい、在庫もない」とのこと。もしエリーゼを買うなら、中古を狙うしかなさそうだ。

エリーゼの新車はキャンセル待ち。もしくは中古を狙うしかない

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