2019年F1第11戦ドイツGPに、全日本スーパーフォーミュラ選手権およびスーパーGTのディフェンディングチャンピオンである山本尚貴がホッケンハイムを訪れている。金曜日の午後に会見が開かれ、ホンダの山本雅史F1マネージングディレクターが山本尚貴のドイツGP訪問の理由を語った。
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——今回、山本尚貴選手がドイツGPを訪れています。その目的を教えてください。
山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):以前から私がお伝えしてきたように、ホンダにとってF1はモータースポーツの中で最も重要で、皆さんも期待しているように、ホンダにとってもF1には日本人ドライバーがいてほしいと思っています。
山本尚貴がF1ドイツGPに登場、トロロッソ・ホンダとトラックウォーク。「F1の作業について学ぶための訪問」とチーム
ホンダはグローバル企業なので、何が何でも日本人ドライバーでなければダメだというようなこだわりは持っていませんが、やはり日本のモーターポーツ界発展のためには日本人ドライバーは必要だと考えています。
そんな中で、昨年、われわれとともに戦っている山本尚貴選手がスーパーフォーミュラとスーパーGTの2冠に輝きました。彼が抱いているF1への思いと、ホンダが描いている夢が合致しており、F1に乗るという数少ないチャンスを得るために、彼とともに動き出したという状況です。
——どんなチャンスを得ようとしているのですか?
山本MD:まだ明確には言えません。それはそのチャンスをつかむために、クリアしなければならないハードルがいくつかあって、それをクリアするためには言えない部分があるからです。
これからFIAとのミーティングも控えているし、ホンダとしては正式に決まるまでは差し控えたい。いまは一歩一歩準備していると理解していてください。
ただ、すでに山本尚貴選手がドイツGPに来ていることがいくつかのメディアに出ており、いろんな憶測が飛んでいるので、言える範囲で伝えたほうがいいと今日、このような会見の場を設定させてもらいました。
■山本尚貴が「F1に乗るための準備」をホンダがサポート
——山本尚貴選手がドイツGPに来た、そもそもの理由はなんですか。
山本MD:まだ彼はF1のヨーロッパラウンドを見たことがないので、F1のいろんなプロセスを見ることができるので、ホンダとしても、国内のレースに支障を来さない範囲で見に来たほうがいいと判断しました。
これはホンダだけでなく、レッドブル側も山本尚貴選手を評価していて、金曜日のフリー走行に乗る候補に入っていました。じつは、ここに来る前にマルコ(レッドブルのモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコ)と話し合って、山本尚貴選手をレッドブルにある普段はF1ドライバーしか乗らないドライビングシミュレーターに乗せました。
もちろん、これはF1に乗るための準備のひとつですが、結果的に乗れなかったとしても、こういう経験はドライバーとして役に立つはずだと思っています。それは日本でシミュレーターを持っているホンダにとっても財産となります。
今回シミュレーターに乗ったのも、ホンダとしても準備のために乗せたかったけれど、レッドブル側だって、だれでも乗っていいというわけではない。そのへんはしっかりと評価してもらっています。
——「F1に乗るための準備」というのは、具体的にはなんのことでしょうか。
山本MD:一番近いところでは、今年の日本GPの金曜日のフリー走行でF1マシンを走らせることです。ただ、最終的な夢はF1(のレギュラー)ドライバーになることです。だから、その夢を実現させるために、ホンダもサポートしていきたいと考えています。
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