2019年6月9日、F1カナダGPでレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが5位入賞、予選5番手のピエール・ガスリーは8位入賞を果たした。予選の結果からすると少々意外だが、どんなレースとなったのだろう。
表彰台を狙えたはずのレッドブルだったがうまく噛み合わず
フェルスタッペンにとって予選での不運は大きかった。赤旗の影響を受けてQ2敗退となり、理想的なタイヤ戦略やレースマネージメントを実践できなかったが、それでもその中でベストな結果を得たと言っていいだろう。
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他のドライバーのペナルティなどで9番グリッドに昇格したフェルスタッペンは、自由なタイヤ戦略ができる利点を生かしてハードタイヤでレースをスタートした。7周目にソフトタイヤで走行するランド・ノリス(マクラーレン・ルノー)をパスし、他車のピットストップで6番手まで順位をあげると、第1スティントを長くとって我慢。残念ながらセーフティカー導入などの事態にはならなかったが、48周目にミディアムタイヤに交換して7番手でコースに復帰すると、すぐにルノー2台を抜いて5番手に上がり、トップ2の後ろのポジションでフィニッシュした。
レース後、フェルスタッペンは「今日のレースは計算通りに進められた一戦になりました。アクシデントに巻き込まれることもなくコントロールして走ることができたし、後半もあれ以上はできることがなかった。トラフィックを避けるために最初のスティントは長くとりましたが、それもうまくいったと思いますし、ピットイン後はすぐにルノーをオーバーテイクできました。その後は自分の走行に集中しレースを進めることができましたが、トップ争いに食い込めるほどの速さはありませんでした。今日は5位というのが現実的に可能なベストだったと思います。この週末は、僕たちのレースウイークとは言えないものでしたが、その中で最善の結果になったと思います」と振り返った。
大きなアクシデントもなく、フェラーリとメルセデスが隙のないレースを展開したカナダGPにあっては、これが最良の結果と言えそうだ。
一方、チームメイトのピエール・ガスリーは期待が大きかっただけに不満の残るレースとなった。
決勝5番グリッドからユーズドのソフトタイヤでスタートしたガスリーは、7周目に早めにハードタイヤに交換して残り63周を走り切る戦略に出たが、タイヤ交換後にハードタイヤで走り続けるランス・ストロールを抜けなかったことが響いて、チームメイトにまたもや敗れて8位でフィニッシュした。表彰台も見えていただけに残念だった。
タイヤ交換後に、前を走るマシンに接近して、前車の排気などが混ざる高温の空気を受けることによるブレーキの加熱や吸気温度の上昇に苦しみ、ペースが上がらないストロールを抜けなかったようだ。その後は、最後までタイヤを持たせるため我慢の走りを強いられた。
レース後、ガスリーは「マシンの手応えがよかっただけに今日の結果は残念でした。もっと戦えるポテンシャルはあったはずです。トラフィックに苦しみ、(熱により高温になる)ブレーキをいたわらなければなりませんでしたが、今日の結果以上の位置を望んでいました」と悔しさを滲ませた。
ホンダの田辺豊治 F1テクニカルディレクターは「残念ながら表彰台を争うことはできませんでしたが、ホンダのパワーユニットを搭載する4台中3台がポイントを獲得できました。難しいレースでしたが、さらに競争力を高めていきます」とコメントしている。
F1第7戦カナダGP決勝 結果
優勝 44 Lハミ.ルトン(メルセデスAMG) 70周
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) +3.658s
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ) +4.696s
4位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) +51.043s
5位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) +57.655s
6位 3 D.リカルド (ルノー) +1L
7位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー) +1L
8位 10 P.ガスリー (レッドブル・ホンダ) +1L
9位 18 L.ストロール (レーシングポイント・メルセデス) +1L
10位 26 D.クビアト (トロロッソ・ホンダ) +1L
リタイア 23 A.アルボン (トロロッソ・ホンダ)
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