2024年度CEV補助金の詳細が発表された
令和5年度補正予算で策定されている、電気自動車向けの購入補助金の詳細や具体的な補助金額が判明しました。日本メーカーのEVについてはこれまでどおりの金額が維持されたものの、中国BYDのEVについては、その半分も割り当てられないという、中国製EV排除の動きをとってきたという最新動向について、解説します。
「軽EV」が市民権を獲得か。日産「サクラ」の販売台数が発売1年で5万台を達成。補助金が販売を後押し
まず、EV補助金については、安倍政権時代までは最大40万円程度の金額であったものの、カーボンニュートラルを宣言した菅政権下において、その1台あたりの補助金額が最大80万円に倍増されたことで、がぜん注目が集まっている状況です。
そして、そのような背景において今回判明したのが、充電インフラに対する整備費用を含めた、その令和5年度補正予算で策定された1291億円もの予算において、とくにEV購入補助金における、具体的な補助金額の算定基準、EVそれぞれの補助金額の内訳です。
まずは、その補助金額の算定基準のなかで、とくに注目するべきポイントをピックアップします。
初めに、今回のEV補助金の評価基準の概要については、EV自体の航続距離や電費性能、および外部給電機能を有しているかであったり、さらには型式登録されているかという観点だけではなく、追加で自動車メーカー側の取り組みとして、充電インフラを充実させているかであったり、修理メンテナンスのアフターサービス体制の充実度合い、バッテリーのリユースリサイクルに取り組んでいるかなど、さまざまな項目を総合的に勘案した上で、合計200点満点で採点。
その得点に応じて、例えば130点以上を獲得すれば、満額の85万円を獲得可能となります。
車両性能の向上という観点では、型式指定されているEVの場合は、航続距離に160を引いた後、0.4をかけながら、さらに電費をかけ算するという計算式を適用することで、その得点に応じて最大40ポイントが加算されます。
また、これも最大40ポイントが配点されている充電インフラ普及にどれだけ貢献しているのかという観点では、急速充電器のみが要件の対象となります。
充電インフラ普及に関しては、公共性が担保されてる場合のみがその要件の対象となると思われていたものの、それ以外にも、2023年のEV・PHEVの販売台数あたりどれほどの急速充電器を整備したかという評価軸も存在。この場合は、公共性が担保されていない急速充電器も評価の対象となることから、テスラやフォルクスワーゲングループについても、スーパーチャージャーやPCAが評価の対象となるわけです。
この点は、実際のユーザーの利便性を担保しているという点を正当に評価する上でも、公平な評価基準であるといえるでしょう。
そして、整備体制という観点についても、最大40ポイントと配点割合が高く、主に整備拠点数が評価対象となるものの、モバイルサービスであったり、無料レッカーサービスなども評価対象となります。よって、いわゆるディーラーネットワークを有していないテスラなどについても、一定程度評価される仕組みとはなっているわけです。
いずれにしても、この3つの評価軸だけで最大120ポイントが割り当てられており、それ以外の整備人材の育成、サイバーセキュリティへの対応、ライフサイクル全体での持続可能性の確保および外部給電機能の有無については、それぞれ20ポイントが割り当てられ、合計200ポイントとなる計算です。
インフラ整備の貢献度で中・韓メーカーの補助金は大幅減額
それでは具体的に、車種別の補助金額の内訳について、とくに注目するべきEVについてをピックアップしたいと思います。
・トヨタbZ4X:85万円(満額) ・レクサスRZ Version L:85万円(満額) ・日産アリア:85万円(満額) ・日産リーフ(40/60kWh):85万円(満額) ・スバル・ソルテラ:65万円(bZ4Xの兄弟車でも20万円の差) ・アウディQ4 e-tron:65万円(独自の充電ネットワークPCAの整備のおかげ?) ・フォルクスワーゲンID.4 Pro:65万円(独自の充電ネットワークPCAの整備のおかげ?) ・BMW iX1:65万円(販売店の充電器が公共性を担保しているため?) ・ボルボEX30:45万円(充電インフラ整備への貢献が少ない?) ・ロールスロイス・スペクター:52万円(超高級車に52万円は……) ・テスラ・モデル3 RWD/パフォーマンス:65万円(スーパーチャージャー、モバイルサービスが評価?) ・テスラ・モデル3ロングレンジ:85万円(前年度比20万円増額) ・テスラ・モデルY(全グレード):65万円(前年度比変化なし) ・ヒョンデIONIQ5:35万~45万円(前年度比15~25万円減額) ・ヒョンデKONA:35万~45万円(前年度比15~25万円減額) ・BYD Atto 3:35万円(前年度比50万円減額) ・BYDドルフィン(Standard/Long Range):35万円(前年度比30万円減額)
それでは、この新たな補助金の基準に関する個人的な見解ですが、第一に、この基準に関しては、新規プレイヤーの参入を阻害する恐れがあると感じます。
今後、海外のEVメーカーが参入してきた際に、仮に中長期の目線で整備拠点や充電ネットワークなどの整備を行おうとしても、最初の1年目からすでに日本でEVを発売するメーカーと補助金の面で大きな差がついてしまうことから、実質的に補助金による参入障壁となり得るわけです。自由競争こそが健全な市場発展には不可欠であることから、新規参入プレイヤーに対しては、ある程度猶予を与えるような基準があってもいいのではないかとは感じます。
ただし、経産省側のロジックで行けば、逆に早くから日本国内のEV普及に貢献したメーカーを優遇するべきと考えているとすれば、道理が通っているわけです。今後、日本の乗用車市場に参入するメーカーといっても、中国メーカーくらいしか存在しないのであれば、そこは思い切って参入障壁を作るというのも、世論をなだめるという観点で致し方ない判断なのかもしれません。
そして、それ以上に気になる点というのが、車両性能に関する計算式は把握可能なものの、たとえば充電インフラの拡充であれば、どれほど設置していればどれほど得点できるのかという明確な計算式が不明であるという点です。
もしかしたら、この詳細な計算式であったり、車種別の得点の内訳などについては、今後公開されるかもしれませんが、公開されない場合、それこそ日産アリアとトヨタbZ4Xは同じく85万円を適用しているものの、両社の充電器設置数は大きな乖離が存在します。
EV充電検索アプリであるGoGoEVによれば、トヨタは40kW級急速充電器を330カ所、90kWに限定すると全国にたったの13カ所しか設置していません。他方で日産については、40kW以上であれば1818カ所、90kW以上でも251カ所と、圧倒的な差が存在します。
しかも、その設置期間もトヨタは最近になって充電器の設置を徐々に進めているものの、日産はそれこそEV黎明期から設置を進めています。すでに充電器の耐用年数を迎えて、新たな充電器へと更新した場所も多いという、充電インフラ拡充への貢献度という観点で、雲泥の差がついているわけです。
もし仮に、この充電インフラの貢献度という項目で、日産とトヨタが同一得点であるのだとすると、不公平に感じるはずです。これでは、トヨタありきな基準と勘ぐられても致し方ないわけですから、いずれにしても、そのような誤解を解消するためにも、各車種ごとの得点も同時に公開するべきなのではないかと感じます。
このようにして、2024年4月1日から登録されるEVについては、新たなEV補助金の基準が適用されることになり、とくに日産やトヨタといった日本メーカー製のEVの多くについては、85万円という満額が適用されることになったものの、海外メーカー製のEVについて、とくにヒョンデについては最大でも45万円、BYDについては35万円しか適用することができなくなってしまったわけです。
これまで補助金を含めたトータルのコスパの高さに魅力を感じて、ヒョンデやBYDのEVの購入を検討していたユーザーからすれば、これは、購入白紙も余儀なくされるはずです。
今回発表された補助金額も参考にした上で、2024年度はEV購入検討することをお勧めします。
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