グランドツーリングの再定義
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
【画像】スカイ・スフィア・コンセプト【アウディの現行EVと写真で比較】 全114枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
アウディは、未来の電動スポーツカーを示唆するスカイ・スフィア・コンセプトを発表した。
カリフォルニア州ペブルビーチで開催されたモントレー・カー・ウィークで公開されたスカイ・スフィアは、アウディが今後発表する3つの「スフィア」コンセプトのうちの1台目だ。
A8の後継モデルを予告するグランド・スフィアは9月のミュンヘンモーターショーで、アーバン・スフィアは2022年に登場する予定だ。今回公開されたスカイ・スフィアは、EVの2ドア・コンバーチブルで、レベル4の自動運転システムをベースに開発された。
コンセプトの開発を主導したのは、マリブにあるアウディのデザインスタジオの責任者であるガエル・ブジンだ。同氏は、このコンセプトが「グランドツーリングの再定義」のためにデザインされたと述べている。
ホイールベースの可変機構を採用しており、ボディを延長・縮小することで、高級グランドツアラーとスポーツカーという2つのドライビング・エクスペリエンスを提供する。
伸縮機構を備えたボディ
デザイン作業の大部分はデジタルで行われた。
スカイ・スフィアは完全EVとして設計されているが、伝統的なグランドツーリングカーを彷彿とさせる長いボンネットを持っている。これについてブジンは、「クラシックな威厳を加えるため」と述べている。
「電動パワートレインは自由度が高いので、いろいろなことに挑戦できますが、今回はあえてそうしませんでした」
スカイ・スフィアのサイズとプロポーションの主なベースとなったのは、アウトウニオンが1930年代後半に生産していたホルヒ853だ。
レトロ感を残しつながらもデザインは先進的で、アウディの次世代デザイン言語「プログレッシブ・ラグジュアリー」を忠実に再現している。
シングルフレームグリルを引き続き採用し、その表面にはウィンカーなどを表示できる白色LEDが備わっている。また、リアにもLEDパネルが配置されている。
従来の「エンジンルーム」には、充電器やコンバーターなどの電気駆動部品が収納され、トランクにはゴルフバッグが2個入るように設計されている。オーバーハングが短く、4輪は可能な限りボディの四隅に配置されている。
全長は、ボディを伸ばした状態で5190mm。23インチの大型ホイールを装着し、重量は約1800kgとされている。
スポーツモードでは、ホイールベースを4940mmに短縮し、地上高を10mm下げることで、より魅力的なドライビング・エクスペリエンスを提供する。ボディの伸縮は、Aピラーより前の部分で行う仕組み。
アールデコ調のインテリア
アウディは自動運転車の可能性を示すために、インテリアデザインを重要視している。スカイ・スフィアの場合、自動運転モードでは快適性に重点を置き、必要に応じてドライバーに走る楽しさを提供できるようなインテリアを実現しているという。ブジンは、これまでのオープンカーでは実現できなかった空間感覚を目指したと述べている。
インテリアデザインは、1930年代のアールデコ調の建築物からインスピレーションを得ている。シートには持続可能な方法で生産されたマイクロファイバーを使用し、飛行機のファーストクラスに匹敵する快適性を実現。
自動運転モードでは、ステアリングホイールとペダルがダッシュボードに収納される。インテリアトリムには、ユーカリの木とレザーを使用している。
ダッシュボードには、幅1415mm、高さ180mmの近未来的なタッチパネルが採用されている。スポーツモードを選択すると、メーターパネルは運転に適した表示に切り替わる。
テクノロジーとパワートレーン
スカイ・スフィアのプラットフォームは、現行の市販車向けのものとは異なるとされているが、フォルクスワーゲン・グループが近々発表するSSPの有用性を一部アピールする狙いがあると考えられる。
パワートレインとしては、最高出力633psの電気モーターをリアアクスルに搭載し、後輪を駆動する。最大トルクは76kg-mで、0-100km/h加速を4.0秒で達成すると謳われている。
バッテリーモジュールは、重心を最適化するためにほとんどがキャビンの後方に配置されているが、シートの間のセンタートンネルにも一部が置かれている。アウディによると、バッテリー容量は80kWhを超える「見込み」で、WLTPサイクルでの理論上の航続距離は500kmになるという。
前後アクスルにはダブルウィッシュボーンを採用し、ステア・バイ・ワイヤーシステムにより、さまざまな設定を簡単にプログラムすることができる。
3つの独立したエアチャンバーを持つ最新のアダプティブ・エアサスペンションにより、スポーツモードと自動運転モードで求められる多様なハンドリングを実現している。
将来の電動グランドツアラー
アウディは、現時点ではスカイ・スフィアの生産計画はないとしながらも、「数年後には、単なる乗り物を超えた視野を広げる体験のプラットフォームになる」と述べている。
アウディはこれまでにも、モントレー・カー・ウィークを利用して、2018年に公開された「AI:Race」(別名:PB 18 eトロン)などのコンセプトを披露し、ハイパフォーマンスカーのR8の後継モデルとなる可能性を示唆してきた。
スカイ・スフィアは単なるコンセプトであるが、フォルクスワーゲン・グループが開発しているSSPを採用すれば、同様のグランドツアラーを実現することができるだろう。一方のグランド・スフィアはA8の後継モデルを、アーバン・スフィアは新型SUVを予告するものと思われる。
Q&A デザイン責任者に聞く
スカイ・スフィアのデザインを担当したデザインスタジオの責任者、ガエル・ブジンに話を聞いた。
――スカイ・スフィアに求められた要件はどのようなものでしたか?
「(アウディから)特に要求はなく、レベル4自動運転車のビジョンを自由に表現することができました。PB 18 eトロンは、スーパーカーの未来を示す非常に特殊な体験をさせてくれたという意味で、少しインスピレーションを受けました。スカイ・スフィアでは、グランドツアラーの未来を探ってみたいと思ったんです」
――なぜグランドツアラーなのでしょうか?
「グランドツアラーは、最高のラグジュアリー、最高のパフォーマンス、そして最も美しいスタイリングといった、クルマに求められる最高のものを提供することを目指しています」
「しかし、それらを1台のクルマにまとめるにはどうすればよいのでしょうか。グランドツアラーは往々にして妥協を余儀なくされますが、わたし達はEVの可能性を示したかったのです」
――これはTTの後継モデルになるのでしょうか?
「それは賛辞として受け止めましょう。TTはアイコンですから、スカイ・スフィアもそうなることを願っています。しかし、あくまでもコンセプトであり、TTよりもはるかに大きいものです」
――新しいハイエンドの顧客を獲得する狙いもありますか?
「わたし達は常に新しいお客様に目を向けていますが、スカイ・スフィアは既存のお客様にもアピールできるものです。30年代や50年代に主流だったクルマを、よりグラマラスに、よりロマンティックに使っていただくという、忘れ去られた体験を提供します。多くのお客様の心に響くでしょう」
最近のアウディのコンセプトカー
●2017年「Aicon」
2025年からの展開が計画されている自動運転車ファミリーの先駆けとなったAiconは、ラウンジ風のインテリアを採用し、遠隔操作で駐車可能で、理論上の航続距離は800kmに達する。
●2019年「AI:ME」
AI:MEは、スフィア・コンセプトと同様に、自動運転技術がクルマのデザインにどのような変化をもたらすかを検証したものだ。その中でも、AI:MEは都市部での共有モビリティに焦点を当てている。既存のA3とほぼ同じサイズを持ち、操縦性と室内空間を優先した。
●2018年「PB 18 eトロン」
PB 18は、正真正銘の電動スーパーカーの生産モデルに最も近いものだった。現行のV10エンジンを搭載したR8をはるかにしのぐ775psを発揮すると言われていたが、いまだに市販化の知らせは届かない。
●2021年「A6 eトロン」
A6 eトロンは、その名が示すように、現在のA6に相当するEVとして2023年に生産される予定だ。自動運転はあまり重視されないが、効率性と室内の広さに重点が置かれている。
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みんなのコメント
アットウテキダー 『何故俺だけ高級車が買えないんだ』
アットウテキダー 『幸せそうなジジイを見るとうんこ妄想だ書くしかなかった』
アットウテキダー 『幸せそうな高級車オーナーがコメントしていると貧乏な自分が見窄らしくなる』
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『俺はくそみたいな人生。幸せそうな人生を送る高級車オーナー見ると荒らしてやりたいと思うようになった』と話しているといい、一方的に高級車オーナーへのゆがんだ感情を募らせていったとみられる。
^^