■ハイブリッド車でもなぜ「普通のシフトレバー」を採用?
ホンダ「フリード」が8年ぶりにフルモデルチェンジし、2024年6月に新型モデルが発売されました。
フリードは、「ちょうどいい」をコンセプトとしたコンパクトミニバンで、扱いやすい5ナンバーサイズのボディや3列シートの装備、クルマの「取り回し・使いやすさ・ユーティリティ・多人数乗車」を叶えたクルマです。
【画像】「えっ…!」これがホンダ車の「最新シフト」です! 画像を見る
ちょうどいいサイズのクルマであり、老若男女問わず「乗りやすいクルマ」として人気があります。
3代目となる新型フリードは、歴代モデルが培ってきたクルマの機能を大幅にバージョンアップ。快適な車内空間と圧倒的な走行性能・低燃費を実現しました。
グレードは、上質でシンプルな「AIR(エアー)」と、クロスオーバースタイルの「CROSSTAR(クロスター)」が展開され、どちらも3列シート車を用意。クロスターには2列シート車も設定されます。
内装は、水平基調でノイズレスな視界とすることで、運転のしやすさはもちろん、乗員全員が疲れを感じない車内空間を目指しました。
シートアレンジはさらに使いやすくなり、車内のウォークスルーがしやすくなったほか、3列目シートは座り心地の良さを維持しながらシートの軽量化と構造部の薄型化をおこない、女性でも跳ね上げしやすいように工夫しています。
特に注目するポイントは、先代モデルまではなかった「リアクーラー」の追加です。
フリードは、コンパクトミニバンですが車内空間が広いのが特徴。そのため、フロントクーラーだけでは、夏場の猛暑では後部座席まで冷えるのに時間がかかっており、新型モデルではこの課題を解決しました。
パワートレインは、1.5リッターエンジンを搭載するハイブリッド車に2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」をフリードとして初搭載。2モーター内蔵CVTと組み合わせてスムーズな走りと優れた環境性能を実現します。
ガソリン車は、1.5リッターエンジンとCVTを採用し、運転しやすく軽快な走りを可能にしました。
駆動方式は、ハイブリッド車・ガソリン車ともに2WDと4WDが選べ、4WDは雨天時や雪上走行時などに安心感をもたらす「リアルタイム4WD」を採用しています。
運転支援システム「ホンダセンシング」は、従来よりも検知性能や制御を高度化した新システムを採用するなど、安全性も高めました。
全方位で進化した新型フリードですが、実際にクルマに触れてみると気づくことがあります。それは、シフトレバーの使いやすさです。
近年のホンダ車は、e:HEV車のシフトレバーを廃止。「ステップワゴン」や「シビック」「ZR-V」「オデッセイ」「アコード」などのe:HEV車では、先進的なボタン式シフト「エレクトリックギアセレクター」が採用されました。
「エレクトリックギアセレクター」は、従来のシフトレバーとは異なり「P・N・Dは押す、Rは引く」という、人間の感覚にマッチした操作感のギアセレクターです。
一方で新型フリードのe:HEVモデルではエレクトリックギアセレクターが設定されず、通常のレバー式のシフトを採用しています。
ボタン式のエレクトリックギアセレクターを採用しなかった理由について、ホンダの開発者は次のようにいいます。
「フリードを選んでいただくお客さまは、若い方から高齢の方まで幅広い人がいらっしゃるので、操作を間違わないように、通常のシフトレバーを採用しました。
同じ考え方から、『フィット』や『ヴェゼル』といったBセグメントのモデルはe:HEV車であっても通常のシフトレバーを搭載しています」
従来モデルから変わらず、新型フリードにレバー式シフトが採用されたことについて、ネットではさまざまな意見が見受けられます。
「シフトレバーの継続、大賛成です」「レバー式の方が慣れているから間違いは少ないし、素早い操作も出来る」「なんだかんだでシフトレバーですね」といったように、以前のようなシフトレバーでも問題ないといった声が多かったです。
また、「他の車種もシフトレバーで良いと思う」「多くの人が誤操作をしないことを大前提として開発してほしい」「エアコンなんかも走行中にも操作しやすい物理的なボタン式が良いと思っています」など、誰にとっても操作が分かりやすいクルマを開発すべきといった意見もありました。
一方で、「ボタンシフトのCR-Vに乗っていますが便利じゃないです」「ボタンシフトのオデッセイに乗っているけど、駐車時にDポジションのままエンジンオフすると自動でPと電子ブレーキが掛かるのは便利です」など、実際にボタン式シフトのクルマに乗っている人からは、メリットとデメリットの両方の意見が寄せられました。
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