この記事をまとめると
■かつてガソリンスタンドでガソリンタンクの水抜き剤をよく勧められた
ガソリンスタンドで聞かれる「水抜き剤入れますか」って本当に必要?
■では、ガソリンスタンドの地下タンクに水はたまらないのだろうか?
■調べてみると、定期的にしっかりとメンテナンスを行なっていた
年に1回以上の定期点検の実施が義務付けられている
かつてガソリンスタンドでよく勧められたガソリンタンクの水抜き剤。
「寒暖差などでガソリンタンク内が結露して、タンク内に水分がたまって、タンクや燃料パイプを腐食させるので、定期的に水抜き剤を」というのがセールストークだったが、クルマのガソリンタンクが結露するなら、ガソリンスタンドの地下タンクの水抜きのほうが重要なんじゃないの? と素朴な疑問が……。
調べてみると、ガソリンスタンドの地下タンクもきちんと定期的にメンテナンスをやっていた。
地下タンクであっても湿度の変化や寒暖差でタンク内が結露することはあるし、長期間使っているうちに底部にスラッジやノロと呼ばれる油の中の固形成分が沈殿することがあるからだ。
そこでガソリンスタンドの地下タンクや配管などは、消防法第14条の3の2により、原則として1年に1回以上の定期点検の実施が義務付けられていて、気密漏洩検査や清掃作業を行なっているとのこと。
清掃作業ではタンク内の油をポンプで吸い上げ、水分を除去して、スラッジをフィルターなどで濾して、きれいになった油をタンクに戻す作業を行なっている。
またガソリンスタンドは、年に1回の施設点検の義務があり、点検の記録、保存を怠ると罰則が科せられることになっている。
さらに7年に一度、計量器検定も実施。この検定を受けて、使用公差(±1.0%)に収まり合格した計量器以外は使用することが許されず、検定証印等の期間が経過したものも同様に使用できない。
ちなみに2010年6月の消防法改正で、40年以上前に設置された地下タンクは改修が義務化されている。今の地下タンクはFRP製の二重構造で、万が一、タンクが壊れても石油が地中に漏れないようになっているのが主流。
ひとつのタンクの容量は48キロリットルが一般的だ。その他、ガソリンスタンドの周囲には、火事になっても周囲に火が燃え移らないよう高さ2m以上の耐火構造、防火塀も用意されている。
というわけで、ガソリンスタンドの地下タンクは安全対策はもちろん、腐食防止や油・水の混油販売の防止、給油機械のトラブル防止対策が万全で、ユーザーにきれいな油を販売するため、各種制度が整っているので安心を。
なお、クルマの燃料タンクの水抜き剤は原則不要。いまのクルマの燃料タンクは樹脂製なので水分が混入したとしても錆びる心配もなく、燃料ポンプも燃料タンクの底面から燃料を吸い上げる仕組みになっているので、ガソリンより比重の重い水分だけがタンクの底に溜まってしまう心配はないからだ(ガソリン=油なので、通常は水と混じることはない)。
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