日本人は手に入りにくい、限定モノに弱い。クルマも限定〇〇〇台の特別仕様車が設定されることがあるが、すぐに完売となり、その後高値で取引きされるケースが多い。
4月1日に行われた業者オークションでは限定200台で発売されたばかりのシビックタイプRリミテッドエディションが1621万5000円(税抜)で落札されたのが話題になった。
なんじゃこりゃ!? ホンダの四輪バギーがすげぇ!!! 日本で走れるの??
そこで、今回は暴騰する限定車をピックアップしてそのクルマの特徴と新車価格からの最大アップ率を紹介していきたい。
文/萩原文博、写真/ベストカーWeb トヨタ ホンダ スバル 三菱 ダイハツ 日産
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■スバル WRX STI EJ20ファイナルエディション 2019年11月/限定555台
■中古車価格帯:約590万~約858万円。最大アップ率は約176%
2019年度内に生産終了を予定していたEJ20型水平対向エンジンを搭載し、特別な装備を採用
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特別仕様車といっても大きく2つに分けられる。フルモデルチェンジやマイナーチェンジを控えて、人気装備を充実させつつ割安な価格で販売するタイプ。
そしてエンジンをチューニングしたり、走行性能を高める機能パーツをふんだんに導入したりすることで、カタログモデルでは味わえない、高いパフォーマンスを実現し高価格となるタイプだ。
当然ながら、価格が暴騰するのは後者だ。それは機能性パーツやチューニングを施せる数の限界があるため、台数が限定されるケースが多いからだ。
特にこういったハイパフォーマンスモデルの特別仕様車はスバル車が暴騰することが多くなっている。まず、そのスバル車の限定車からピックアップしてみよう。まずは2019年12月に生産終了したスバルWRX STIの最後の特別仕様車「EJ20Final Edition」だ。
このモデルは555台生産され、抽選販売された限定車で車両本体価格は485万1000円だった。2019年10月24日に発表され、同年11月11日に優先購入権の応募が締め切られたが、その数はなんと555台の約23.4倍となる、約1万3000件。その後、厳正なる抽選の末、555台が販売された。
平成を駆け抜けた名機EJ20型2L水平対向4気筒ターボエンジンのフィナーレに相応しいメニューが満載。特にエンジンはピストン&コンロッドそしてクランクシャフト。さらにクラッチカバーとフライホイールまでバランス取りされている。
ちょうどこのEJ20 Final Editionを試乗できたのだが、軽くレッドゾーンまで吹け上がるスムーズなエンジンフィールには度肝を抜かれたばかりだった。
もちろん、ブレンボ製ブレーキやウルトラスエード&本革を表皮に使用したレカロシートなどスペシャルパーツが満載。これが485万1000円ならば誰もが手に入れたくなるだろう。
現在、WRX STI EJ20 Final Editionの中古車は約8台流通していて、価格帯は約590万~約858万円。最も高いクルマは新車時価格より約176%アップとなっている。今後も高値安定傾向が続くと思うが、現在の流通台数より増えることも考えにくい。
■スバル WRX STI タイプRA-R 2018年7月/限定500台
■中古車価格帯:約598万~約695万円。最大アップ率は約139%
WRX STIタイプRA-R。ベースとなったSTIから約10kg、S208に比べ約30kgの軽量化をはたしている。ちなみにRA-Rの意はレコード・アテンプト(記録に挑戦する)・レーシングの略
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続いては、2018年7月に限定500台で販売されたスバル WRX STI タイプRA-Rだ。このタイプ RA-RはSTI創立30周年を記念してSTIと共同開発されたコンプリートカー。車両本体価格499万8240円、2018年7月19日~2018年12月17日の期間限定で販売された。
クルマの本質である「走る・曲がる・止まる」という性能を極限まで突き詰めたのが特徴。軽量化パーツの採用やパーツを簡素化することにより、ベース車両より約10kgの軽量化を実現。さらにエンジンはバランス取りを行い、最高出力329psを発生するEJ20型2L水平対向4気筒ターボエンジンを搭載。
インタークーラーの冷却効果を最大限発揮するために剛性を上げたパフォーマンスシュラウドや専用開発されたショックアブソーバーを採用。
さらにトレッドのアウト側とイン側の異なるコンパウンドの組み合わせによってドライ&ウェットどちらでも強力なグリップを発揮するミシュラン製パイロット スポーツ 4Sを採用するなど半端ないこだわりようだ。
現在、スバルWRX STI タイプRA-Rの中古車は2020年にはほとんど見かけなかったが、最近になって流通するようになり、現在は4台流通している。
中古車の価格帯は約598万~約695万円で、アップ率は約139%とEJ Final Editionと比べると低くなっているが、クルマとしてはこちらのタイプRA-Rのほうがレアと言えるだろう。
■スバル WRX STI S208 2017年10月/限定450台
■中古車価格帯:約443万~約880万円。最も高値のS208 NBR CHALLENGE PACKAGEの最大アップ率は約124%
WRX STI 特別仕様車 「S208」。メッシュタイプのフロントグリルや大型のフロントアンダースポイラーを装着
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そして、スバル WRX STIからもう1台ピックアップしたのが、2017年10月に限定450台で販売されたS208だ。
SシリーズはスバルとSTIが共同でエンジンや足回りを専用開発し、外装・内装にも専用装備を追加した、スバルハイパフォーマンスカーのトップエンドモデルで、スバル車の限定車の中でも安定した人気を保っている。
S208はSシリーズ史上最高の性能と質感を実現した究極のドライビングカーを実現するため、エンジンは専用チューニングを施し、最高出力は329psまで向上。
フレキシブルタワーバーをはじめ、STIのシャシーパーツ類に加えて、可変減衰力サスペンションや19インチ鍛造アルミホイール、STI製レカロバケットシートなどスペシャルパーツを満載。
さらに、限定350台でドライカーボンルーフやドライカーボンリアスポイラーを装着したNBR CHALLENGE PACKAGEも用意されていた。新車時価格は626万4000円~710万6400円で、現在、S208の中古車は9台流通していて、そのうち4台がNBR CHALLENGE PACKAGEとなっている。
価格帯は約443万~約880万円で、最も高値となっているS208 NBR CHALLENGE PACKAGEのアップ率は約124%と今回紹介したWRX STIの特別仕様車の中ではアップ率は低めだ。
■三菱 ランサーエボリューション ファイナルエディション 2015年4月/限定1000台
■中古車価格帯:約458万~約700万円。最大アップ率は約163%
ランサーエボリューションX GSRの5速MT車をベースに特別仕様を施した「ファイナルエディション」
ランサーエボリューション ファイナルエディションの中古車情報はこちら!
スバル WRX STIの限定車を取り上げたので、ライバルであった三菱 ランサーエボリューションXの限定車を紹介したい。ピックアップしたのは、2015年4月から限定1000台で予約開始した特別仕様車の「ランサーエボリューション ファイナルエディション」だ。
ちなみにランサーエボリューションはこのモデルを最後に約23年の幕を下ろした。専用装備として、まずエンジンでは、新たにナトリウム封入エキゾーストバルブを採用し、最高出力313psまで向上するとともに、中高速域で伸びのある出力特性としている。
またサスペンションにはビルシュタイン社製単筒式ショックアブソーバー、アイバッハ社製コイルスプリングなどのハイパフォーマンスパッケージを標準装備している。
外観ではフロントグリルモールをダーククロムメッキとして、リアトランクには「Final Edition」のエンブレム、フロアコンソールにはシリアルナンバープレートを採用。さらに、レカロ社製レザーコンビネーションシートなど盛りだくさんにもかかわらず、新車時価格は429万8400円だった。
現在、ランサーエボリューションファイナルエディションの中古車は約16台と豊富で、価格帯は約458万~約700万円。最大のアップ率は約163%とかなりアップしている。
■ホンダ シビックMUGEN RR 2007年9月/限定300台
■中古車価格帯:約1200万~約1399万円。最大アップ率は293%
シビック タイプRをベースにエンジンおよびシャシーなどに性能向上のチューニングを施した「シビックMUGEN RR(ダブル・アール)」。無限初のコンプリートカーとなる
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そして、ホンダ シビックタイプRだ。2020年10月に行ったマイナーチェンジの際に国内200台限定でシビックタイプRリミテッドエディションが販売された。
すでに現行型シビックタイプRの生産は終了しているので、このリミテッドエディションがファイナルモデルということになる。4月1日に行われた業者オークションに出品され、1621万5000円で落札されたことも業者間で話題となっているようだ。
さすがにまだこのシビックタイプRリミテッドエディションの中古車は流通していないので、現在シビックタイプRの中古車で最高値を付けている特別仕様車を取り上げてみたい。
それは2007年9月に限定300台で販売されたホンダ シビックMUGEN RRだ。ホンダのワークスチューニングブランドであるMUGENが初めて手がけたコンプリートカーで、1台1台手作業で架装されたモデルだ。
外観はカーボンコンポジットやアルミニウムといった素材を投入し、空力性能と軽量化を追求。ベース車に対して15kg以上の軽量化を達成した。
インテリアは、レカロと共同開発した専用セミバケットシートをフロントに採用。また、ショートストローク化されたシフトと相まって操作ポジションの最適化を実現している。
エンジンは、吸排気系をチューニングし、+15psを実現。サスペンションは、減衰力5段階調整式ダンパーを採用した専用サスペンションの採用で、高いパフォーマンスと快適な乗り心地を両立している。
シビックMUGEN RRの新車時価格は477万5000円だったが、現在中古車は2台流通していて、価格は約1200万~約1399万円。アップ率は最大293%と暴騰といえる上げ幅を記録している。
■トヨタ マークX GRMN 2019年1月/限定350台
■中古車価格帯:約530万~約698万円。最大アップ率は約136%
マークX「GRMN」は、TOYOTA GAZOO Racingが手がけるスポーツカーシリーズ「GR」の頂点に立つ数量限定モデル。2015年に限定100台で発売した。2019年に発売したのは、この2代目
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トヨタでも高騰する限定車が多く見られる。まずは2019年12月に生産終了となったマークX。マークXの限定車で価格が高騰しているのが、2019年1月に350台限定で販売されたマークX GRMNだ。
マークX GRMNは2015年に限定100台で販売されており、今回が2回目となる。現在はこの2代目のマークX GRMNしか流通していない。
2019年1月に販売されたマークX GRMNは350RDSをベースに6速MTを組み合わせている。ボディには全252カ所にもおよぶスポット溶接打点の追加し、ボディ剛性を向上。
さらに新開発のアブソーバーを用いた専用のサスペンションやEPS(電動パワーステアリング)のチューニングと併せ、意のまま、思いのままとなるレスポンスを実感できるクルマに仕立てている。
外観では、フロントバンパーなど光輝部品加飾のダーク化、19インチBBS製鍛造アルミホイール&前後異サイズタイヤといった専用装備を装着。
新車時価格513万円で販売されたマークX GRMNだが、現在約16台の中古車が流通していて、価格帯は約530万~約698万円。最大アップ率は約136%となっている。6気筒エンジン+MTのFRセダンはもう登場する可能性はかなり低い。
■トヨタ 86 14R-60 2014年10月/限定100台
■中古車価格帯:約348万~約680万円。最大アップ率は約108%
トヨタ86 14R-60。フロントエアロバンパー&カナード、フロントオーバーフェンダーなどを装着
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続いては先日、新型モデルが公開されたトヨタ 86。86は様々な特別仕様車を販売しているが、今回取り上げるのは2014年10月に限定100台で販売された14R-60。このモデルはTRDが手がけたコンプリートモデルで、サーキットで鍛えられた異次元の限界性能を感じることができる。というコンセプトで開発された。
エンジン本体はノーマルだが、吸排気性能の適正化を行っている。さらにクラッチの強化や機械式LSDの装着により、エンジンの出力を余すことなく路面に伝えられるようになっている。
さらに、車高調整式サスペンションやボディ剛性を向上させるフロントパフォーマンスロッドやリアブレースなどを装着している。ボディには空力性能を向上させるアイテムを纏い、その姿はレーシングカーのような雰囲気に仕上げられている。
新車時価格は630万円の14R-60だが、現在中古車は7台流通していて、最大のアップ率は約108%となっている。
■トヨタ GRスープラRZ マットストームグレーメタリック 2019年5月/限定24台
■中古車価格帯:約1000万~約1025万円、最大アップ率は約142%
スープラのRZに設定された、ボディカラーにマットストームグレーメタリックを採用した限定車
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トヨタ車最後に紹介するのはGRスープラ。2019年5月に販売開始したGRスープラだが、この時に限定24台で専用ボディカラーのマットストームグレーメタリックのRZが車両本体価格722万円で販売された。
現在このマットストームグレーメタリックのスープラRZの中古車は2台流通していて、価格帯は約1000万~約1025万円で、最大アップ率は約142%と暴騰している。ボディカラーだけながら、限定24台というレアなところが値上がりの要因か。
■ダイハツ コペンクーペ 2018年12月/限定200台
■中古車価格帯:約250万~約285万円。最大アップ率は約114%
東京オートサロン2016に出展したコンセプトカーを200台限定で市販化したのがコペンクーペだ
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軽オープンカーのダイハツ コペンにも特別仕様車が存在する。それが2018年12月に限定200台で発売されたコペンクーペだ。コペンクーペは丸目ヘッドライトを装着したコペンセロをベースにCFRP製のハードルーフを装着したモデル。
このハードルーフは開閉式のガラスハッチから荷物の出し入れが可能という利便性だけでなく、コーナリング時に安定性を高めるフロントスーパーLSDを装着するなどクーペらしく走行性能も向上させている。
コペンクーペは248万4000円~250万5600円で販売されたが、現在、中古車は約6台流通していて、価格帯は約250万~約285万円。最大アップ率は約114%となっている。
■日産 スカイラインGT-R Mスペックニュル、VスペックIIニュル/限定1000台
■中古車価格帯:3480万~3580万円。最大アップ率は約587%
スカイラインGT-R Mスペックニュル。ニュルブルクリンク24時間耐久レースや国内のスーパー耐久レースなどのベースエンジンに使われているN1仕様エンジンをベースにしている
スカイラインGT-R VスペックIIニュル。Mスペックと同じエンジンを搭載するが、足まわりなどの設定が異なっている
スカイラインGT-R Mスペックニュル、VスペックIIニュルの中古車情報はこちら!
そして、トリを務めるのは日産 R34型スカイラインGT-Rだ。2002年1月にファイナルバージョンとして1000台限定で販売された「Mスペックニュル」と「VスペックII ニュル」だ。
このモデルはエンジンのバランス取りや300kmメーター、特別塗装色ミレニアムジェイドを採用したモデルだ。新車時価格はVスペックIIニュルが610万円、Mスペックニュルが630万円だった。
現在、VスペックIIニュルの中古車が2台流通していて、価格帯は3480万~3580万円。最大アップ率は約587%となっている。Mスペックニュルは2台流通しているがASKで価格は明かされていない。
以前、R34GT-Rの開発担当だった渡邉衡三さんにインタビューした際に、この価格高騰について尋ねてみると「クルマを愛してもらえるのは嬉しいことですが、本当に欲しい人の元に届かないというのは悲しいことでもありますね」と話してくれた。
人気モデルで稀少ということで価格が高騰してしまうのは市場原理で仕方ないことだが、なんらかの対策も必要な時を迎えているのかもしれない。
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まるで大間のマグロの初セリで、すしざんまいが朝高値で買うような価格ですね。
この落札額だと売値は1800万円ですか?誰が買うの?
買えない物のことを書かれてもつまらん。