ボルボ V90 プラグインハイブリッド 「新世代ボルボの大型ステーションワゴン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
4
燃費
3
価格
4

新世代ボルボの大型ステーションワゴン

2022.1.17

年式
2017年2月〜モデル
総評
記号性の高いデザインと明るく上品なインテリア、そして広々としたキャビン。これらはすべて高い領域でユーザーを満足させてくれる。ただ、日本の都市部ではサイズから持て余すことが多い。その場合はV60を選択すれば良い。V90の良さそのままにダウンサイジングできるからだ。
満足している点
ボディサイズからくる走行性能のゆとりが挙げられる。5人乗車であっても窮屈さがなく、どのパワートレーンを選んでの力強いのでストレスなし。また、往年のボルボテイスト現代に採り入れた車外デザインも魅力。インテリアでは北欧家具のような安堵感が得られる。カラーリングや素材にもこだわりがあり、自分好みの設定で作り上げていくことができる。
不満な点
クルマとしての完成度は高いが、競合他車と比べると実用燃費数値が若干劣る。また、プラグインハイブリッドでは走行性能こそ大満足だが、実質的なEV走行距離が30㎞台と少なく、2100kgを超える車両重量のため、都市部などでは立体駐車場が利用できない場合もある。
デザイン

4

ボルボ自らプレミアムセグメントとするV90。セダンボディはS90を名乗る。ボルボのなかで大きなボディサイズを誇るモデル。弟分のV60と相似形のデザインと思いきや、じつはリヤゲートの角度はV90のほうが寝ていていスタイル中心に形作られていることがわかる。
走行性能

4

一時はディーゼルモデルも用意されたが、現在は①ガソリンターボ+マイルドハイブリッド、②ガソリンターボ+スーパーチャージャー+マイルドハイブリッド、③ガソリンターボ+スーパーチャージャー+プラグインハイブリッドの3種類。エンジンはいずれも直列4気筒2.0l。駆動方式は①がFFで他が4WD方式となる。総合的に走行性能に優れるのは②だ。
乗り心地

3

SPAという中〜大型セグメントの乗用車からSUVまで対応するプラットフォームを採用。V90ではステーションワゴンであることから乗用車向けとして設計され、乗り心地を優先しつつ、走行性能を高められた。相対的にワイドトレッドであることから直進、カーブとも安定性に優れ、また前世代ボルボの弱点とされていた後席での乗り心地も劇的に向上した。
積載性

4

ボディサイズが大きいことからラゲッジルームは床面積が広い。また、ボルボ伝統のスクエアな収納スペースが確保されその意味でも使いやすい。また、奥行きが確保されているので幅のある長尺物もすんなりと積み込める。加えて、前席のセンターコンソールも容量が大きく使いやすい。
燃費

3

48Vマイルドハイブリッドの搭載タイミングで、2.0lエンジンにも大幅な手が入れられた。マイルドハイブリッド化と合わせると従来型から10%程度、燃費数値は向上した。市街地では8〜11㎞/l、高速道路では12〜13㎞/l程度まで足を伸ばす。プラグインハイブリッドの場合は、そこからさらに10%程度、数値が向上する。
価格

4

ターボでFFのB5 Momentumが694万円で、トップモデルのRecharge Plug-in hybrid T8 AWD Inscriptionが1024万円。国内導入のボルボは基本、ボトムグレードで十分な装備だ。上位モデルは主に走行性能の向上に振られており、その意味では目的に応じたグレード選びができる。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
ボルボ V90 プラグインハイブリッド 新型・現行モデル

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