「高級」と名乗るには・・・?
ヒット作となった旧型アルファードが、高価格にもかかわらず若年層にも人気があったため、若年層をターゲットとしてアルファード
2008.5.15
- 総評
- 「高級」と名乗るには・・・?
ヒット作となった旧型アルファードが、高価格にもかかわらず若年層にも人気があったため、若年層をターゲットとしてアルファードを分離独立してできたのがこの車ということのようです。
CMのイメージではアルファードよりもかなり若向けの印象ですが、実車を見ると、あくまでも保守本流のアルファードに多少アグレッシブに見える味をつけた車であると感じます。
CMでは「POWER LUXURY」「その高級車は、強い」と高級をアピールしていますが、実車に触れてみると「高級」をアピールするにはちょっと違和感がある車です。
確かに大型で高価格な車ではありますが、内装の造りや動力性能、細部の詰めなど高級車を名乗るには厳しいように思います。
以下詳細な印象を述べていきます。
- 満足している点
- ・サイズを感じさせない取り回しのよさ
全長4,850㎜×全幅1,830㎜という大柄なボディですが、街中では車の直前の感覚がややつかみづらいものの、全体的な取り回しには不安を感じることがありません。カタログ数値での最小回転半径は5.7mですが、それを感じさせないぐらい小回りもききます。
また試乗車はバックモニターは装備されていなかったのですが、直線的なスタイルで見切りがよく、またサイドミラーが見やすいので車両感覚が掴みやすく、車の直後の死角にさえ注意すれば駐車スペースにきちんと収めるのに苦労しません。
・室内空間のアレンジが多彩
セカンド・サードシートとも前後スライド量が長く、足元空間を優先したり、荷室を大きくしたりと、大型ミニバンならではの室内空間のアレンジが多彩です。
またノア/ヴォクシーから採用された、サードシートが軽い力で跳ね上げる機構も備わっており、使い勝手の向上にも配慮されていると感じました。
- 不満な点
- ・ややもっさりした動力性能
街中での試乗であまり飛ばさず、前が空いたところで少し踏んでみた程度だったのですが、いかにも約2トンの車重を感じる、ややもっさりした走りです。率直に言って「これ本当に280PSもあるの?」という印象ですし、3.5Lでこの走りだと、2.4Lはパワーアップしたとはいえ、走りには期待できないように思います。(後日2.4Lにも乗ってみます。)
・少しショックを感じるオートマチック
ミニバンにもかかわらず、6速オートマチックということに驚いたのですが、ややシフトショックを感じることがあります。もうちょっと洗練させてほしいものです。
・意外と安っぽい内装
トヨタの車らしく、ぱっと目についたところはいかにも高級風で、一般の人が見ると「ああ、いい車だな」と感じられるように作られています。
しかしよく見ると前席中央にある物入れのフタがペラッとしたプラスチックそのものだったり、シフトレバー下足元の物入れがガタついていたりと、高級を謳う車とは思えない安っぽい部分が散見されます。自ら「高級車」と名乗るなら、もう少しコストをかけても上質な仕上げを期待したいところです。
・周囲を威嚇するようなデザイン
デザインについては個人の主観なのでとやかく言いたくないのですが、この車の特にフロントはまるで周囲を威嚇しているような恐ろしげな顔です。高速道路で前の車を煽り立てて追い散らすような走り方をするこの車が、今から目に浮かぶようです。
環境問題や原油高など車に対する風当たりが強い中、もう少し環境に優しく周囲と調和するようなデザインのほうがいいのでは?
・詰めが甘い装備
一例を挙げると、
○セカンドシートウォークインにメモリーがなく不便。
○HIDライトはロービームのみでハイビームはHIDではない。
○両側パワースライドドアが全車標準ではない。
○パワーバックドア・バックドアイージークローザーがオプションでも選べないグレードが多い。
…など、高級を謳う車としては装備の詰めの甘さが目立ちます。
特にパワーバックドア・バックドアイージークローザーがないことにより、力を入れてバックドアを閉めなければならなず、ドアを閉めた時に「バチャーン!」という安っぽい音がして興ざめです。
また、ハイビームのHIDなどは110万円のスズキスイフトでも選べますが・・・
- デザイン
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