トヨタ オリジン 「販売台数約1000台の激レアセダン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
5
燃費
3
価格
2

販売台数約1000台の激レアセダン

2021.9.30

年式
2000年11月〜モデル
総評
スタイルに惚れたら買い。これだけインパクトのあるクラシックデザインのクルマを、しっかりメンテすれば普通に乗れる状態で手に入れられるのは素晴らしいことだ。上質さにこだわったレザーやウォールナットの本杢目など、上質なインテリアも魅力。
満足している点
オリジナリティあふれるデザインに、観音開き採用などの特別仕立てで限定1000台。しかも生産は熟練の職人による手作業が多い。つまりかなり特別なモデルということだ。クラシックカーのような雰囲気だけど、クラシックカーほどメンテナンスや維持にコストと手間がかからないのもうれしいところ。
不満な点
年式の割に中古車価格が割高……というのはさておき、そろそろ修理時の部品供給の心配をしなければいけない。クルマとして考えた場合は、ATが4速ということ、カーナビなどが古いが最新のユニットには交換できないことなどが難点になる。
デザイン

5

発売したのが2000年11月とは思えないほどクラシカルなスタイルは、1955年に発売された初代「クラウン」がモチーフ。レトロ感あふれる顔つきをはじめ、大きく湾曲したリヤウインドウなど、こだわりが貫かれている。ほとんどの人がこのクラシックでオリジナリティあふれるデザインが気に入って購入しているだろう。
走行性能

4

メカニズムは2000年当時の高級セダン「プログレ」がベース。215psを発生する排気量3.0Lの6気筒エンジンを搭載するなど、見た目からは想像できない俊足ぶりだ。コーナリング性能などは今どきの水準としては特筆すべきほど優れているわけではないが、前後ともにダブルウイッシュボーンサスペンションを組み込むなど、メカニズムも凝っている。
乗り心地

5

乗り心地の良さはちょっとした自慢だ。この時代のトヨタ車は一般的にソフトなサスペンションを組み合わせることが多く、オリジンは(ベース車のプログレも含めて)プレミアムモデルだけにダンパーの動きもスムーズ。加えて15インチとエアボリュームが十分のタイヤを組み合わせ、ゆったりとした極上の乗り味を堪能できる。
積載性

5

基本設計を5ナンバーサイズとしたセダンがベースと考えれば、「狭い」と言われることの多いトランクルームも常識の範囲内といっていい。奥行きは90cmほどある。ただ、ホイールハウスの張り出しが大きく感じられる。そのぶん最大幅は広めだが。
燃費

3

トルクフルなエンジンのおかげであまり回転を上げずに済むこともあって、燃費は総合で9〜10km/Lほどを期待できる。ただし街中を走る際には燃費の落ち込みも少なくないし、使用燃料がハイオクなのでガソリン代の負担もやや多め。いずれにせよ、年代的に一昔前のクルマなのでトランスミッションが4速ATなのが辛い。
価格

2

当時の新車価格はなんと700万円。その金額を出せば当時のセルシオ(2代目)のベーシックグレードとほぼ同額と考えればかなり高額だ。しかし限定1000台でハンドメイドの部分も多い特注車と考えれば納得できる。発売から20年が経過した現在の中古相場は、200万円から500万円程。特別なモデルゆえ中古車でも高額となっている。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
トヨタ オリジン 新型・現行モデル

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