トヨタ クラウン(セダン) 「目新しさはないが、安定感はある」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

瓜生洋明
瓜生洋明(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
3
燃費
3
価格
4

目新しさはないが、安定感はある

2024.5.7

年式
2023年11月〜モデル
総評
クラウンシリーズのなかではもっとも保守的なモデルと言えるが、それはつまり、全方位的に優れたパフォーマンスを持つモデルであることを意味している。「クラウン」という名前を冠していなくとも、購入する価値があると言えるだろう。一方、歴代のクラウンと比べると、良くも悪くも違いを感じる部分が少なくない。そういう意味では、これまでクラウンに乗っていたユーザーよりも、初めてクラウンを手にするユーザーのほうが感動は大きいと言えるかもしれない。
満足している点
既存の技術やノウハウを集結させたという意味で、このクラスにおける最高のショーファーモデルのひとつと言えるだろう。機能や装備についてはもちろん、走行性能や乗り心地の良さについても申し分のないレベルだ。ボディサイズや価格といった面がハードルにならないのであれば、このモデルを選んで失敗することはまずないだろう。
不満な点
表面的に見れば「最もクラウンらしいモデル」であるが、革新性に欠けるという点においては「最もクラウンらしくないモデル」とも言える。このクラスのモデルは、単にハードウェアが優れているだけでは物足りない。そういう意味では、やはり「最もクラウンらしくないモデル」なのかもしれない。
デザイン

4

現在のクラウンは、このクラウン セダンだけを残して、あとはSUVを中心としたモデル群へと生まれ変わった。ただ、クラウン セダンがかつてのクラウンの面影を残しているかというとそうではない。たとえば、「セダン」とは言うものの厳密には「ファストバック」であるうえ、歴代クラウンが死守してきた「全幅1800mm」も大きく超えている。ただ、好むと好まざるとにかかわらず、これこそが現代のクラウンであることは疑いようのない事実だ。歴史あるモデルであるからこそ、過去の幻影にとらわれてはならないという意味では、クラウン セダンのデザインには一定のチャレンジを見ることができる。
走行性能

4

セダンというボディタイプを存分に活かしたその走りは、やはりSUVなどとは一線を画すものである。パワートレインの味付けは、ショーファーモデルらしくマイルドであるが、パワー不足を感じることはない。先代のクラウンと比べて全幅が大きく増したことで、より安定感のある走りを実現している一方で、市街地の取り回しはやや不便となった。この点は、先代クラウンとの明確な違いと言えるだろう。
乗り心地

4

「クラウン」を名乗るだけあり、乗り心地は非常に良い。路面の突き上げのいなし方が上手なのはもちろん、静粛性の高さや数々の快適装備などに、数十年におよぶクラウンの歴史の積み重ねを見ることができる。その一方で、セダンというボディタイプである以上、これ以上の伸びしろがないようにも思う。具体的に言えば、ミニバンやSUVに乗り慣れたユーザーにとっては、室内空間の広さや乗り降りのしやすさといった点で不満を感じる可能性も。そういった意味で、クラウン セダンはあくまで「セダンを乗り継いできたユーザー」のためのものなのかもしれない。
積載性

3

HEVとFCEVでトランク容量が多少異なる点には注意が必要だ。具体的には、HEVではゴルフバッグが3つ収納できるのに対し、FCEVでは2つのみとなる。また、HEV/FCEVともにトランクスルー機能が備わっていないため、長尺物を積むことはできない。こうした点は、良くも悪くも昔ながらのセダンらしいといったこところだ。
燃費

3

HEV、FCEVともに、決して悪いわけでは無いが、革新的な燃費性能の良さを実現しているわけでもない。良くも悪くも期待通りの燃費性能といったところだろう。
価格

4

730万円〜830万円という価格は、そのほかのクラウンシリーズと比べても割高だが、HEV/FCEVともに最上級グレードの「Z」のみのラインナップということを考えると、決して高すぎるということはないだろう。FCEVに関しては、補助金を考慮すると実質的には700万円を下回る場合もある。FCEVならではのさまざまな制約はあるが、コストパフォーマンスの高さは魅力的だ。
瓜生洋明
瓜生洋明
自動車ジャーナリスト
1987年生まれ。大手IT企業や外資系出版社を経て2017年に株式会社ピーコックブルーを創業。現在では平均年齢25歳のメンバーとともに毎月300本超の記事を配信している。愛車のボディカラーを社名にするほどのエンスージアストだが、新しいテクノロジーへの関心も強く、最新モデルは常にチェックしている。
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