スズキ ハスラー 「実用性と遊び心の絶妙のバランス」のユーザーレビュー

実用性と遊び心の絶妙のバランス

2015.7.29

総評

「お、なんかシャレたクルマやな！」というカジュアル感と、生活の道具としての実用性が高い次元でバランスしています。これがワゴンRスティングレーより安いのだからそりゃあ売れるはずです。後席のリクライニングを排した４ナンバー仕様のハスラーバンがあっても売れそうだけど、乗用車のイメージを損ねるかしら？

満足している点

横から見るとわかるのですが、ホイールハウス内側がちゃんと黒く塗られています。ワゴンＲはボディ色そのまんまですから、やはり細かいところに手が入っていますね。高級感まで行かないけど、前席ドアの開閉音もワゴンＲより良いです。そしてＳエネチャージの「無音エンジン始動」ですか。セルの「キュッキュッキュ！」という音を省いてエンジンが始動してしまうというのはなんとも不思議な感じです。まあ、どうせすぐに慣れてしまいますが。

不満な点

内装のきしみ音、ビビリ音・・・建付けが悪いですね。特にドアサッシから出る音はワゴンRと同じ場所で、これは組み付けを行う期間工の技術ではなく生産技術の問題と思われます。いずれにせよこういうツメの甘さがクルマの印象を悪化させているのは間違いありません。そして走行性能の項目で触れたＣＶＴ制御の件。タコメーターとトリップメーターを同時に表示できない計器盤。あと、細かい話ですがエンジンスタートスイッチはワゴンRみたいにちょっと上を向いていた方が押しやすいですね。

デザイン

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走行性能

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改良された新Sエネチャージはカタログ燃費こそ32.0km/lで現行ワゴンＲに一歩譲るものの、低速域でアクセルから足を放した時のエンジンブレーキ挙動がより穏やかになっていて、燃費向上マージンをドライバビリティ向上に振った痕跡がうかがえます。こういう地道な改善はカタログスペックに表れないのですが、確実に使用者にメリットをもたらすもので素直に嬉しいですね。ただし、登坂時にハイギヤを維持しようとする制御がちょっとしつこく、しっかり踏み加えないとみるみる車速が落ちてしまいます。私の普段乗っているワゴンRスティングレーTと比べトルクの差があるのは当然としても、ステTのCVTはここまでしつこく低回転を維持しようとはせず、アクセル操作に応じていつでも最適な変速比で加速体制に入ります。つまり「走らない」と感じるのはエンジン性能の差だけではないということです。そこでSモードを試すことになるのですがこれはやりすぎで、実際はエンジンブレーキにしか使われないのではないかと感じました。ステTのような制御だと燃費が落ちてしまうならばムーヴのようにカタログ燃費用のモードと（Sではない）実用モードの併設をするか・・・。いずれにせよ現状ではちょっとNAを選ぶ気にはなりませんね。

乗り心地

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タイヤはダンロップのエナセーブEC300+、空気圧は四輪とも2.4に調整されていました。このハスラーやソリオに装着されている165/60R15サイズは採用している車種が少なく、銘柄が選びにくい状況ですが、ワゴンRの165/55R15サイズと比較して乗り心地は良好。ただしワゴンＲに装備しているエコピアでは気にならなかったパターンノイズが聞こえるシーンもありました。また、ワゴンＲで気になっている三角窓付近からの風切音は極小で、顔を近づけなければ気付かないレベルです。ただ内装の立て付けが悪く、ドアサッシ、インパネなどからきしみ音、ビビリ音が出ていてせっかくの静粛性が台無しでした。

積載性

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燃費

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山登りを含む長距離ドライブ３４３キロを走り、満タン法で２３．９km/lを記録しました。おとなしく走ればもっと伸びるでしょう。旧エネチャージのステTは平たん路や上り坂を走行しているとすぐリチウムイオンバッテリーが空になってしまうけど、今回のSエネチャージは決して残り２目盛りを下回ることはありませんでした。とはいえモーターアシストもしなくなるので残り２目盛りが実質バッテリー残ゼロ状態だったとも考えられます。

価格

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故障経験